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風…第38話「香木騒動始末記」

  • 2011-09-16 : 風の新十郎 : 編集✍
  • 第38話…香木騒動始末記
    香木(コウボク※芳香を放つ木材):沈香(沈水香木)・白檀が有名。
     
    ※この話の展開と後始末の仕方には…正直,がっかりした。
    こんな筋書にしたら,『風』は完全にアウト。
    なにか、栗ちゃまの人気をわざと落としにかかってるようだし?
    とにかく,この話…恋夜個人としてはゲンメツを感じたヨ…(-_-;)。



    栗ちゃまに幻滅したわけではないのヨ…
    話とは別に寝顔はキャー!素敵~!だし
    刀を持てば相変わらずカッコ良いし~…


    無責任な立場から余計なお節介をした揚句,
    藩主のために命懸けの任務を果たそうという侍を
    バッサリ斬ったあと、バカにしたセリフを吐く(嘆く)。

    主人公にそんなマネさせちゃ駄目だと思った。斬られた侍には幼い子供と女房がいて・・新十郎、完全にヒール化!
     
    たとえばサ,双方の藩から横取りした香木を更に半分に斬って。上下をチェンジして区別がつかないほど更にバラバラにして両藩へ持ち帰らせれば,侍達は任務が果たせなかったわけじゃなし,誰も咎めを受けずに,あとは藩主の心がけ次第…と,老中水野が騒動をけん制する…とかにすれば,両藩の殿様は藩の取り潰しが怖くてヘコんで地団太踏むだけ…と,平和的にまとめる方法もあったろうに…。
     
    どういうわけか,新十郎が香木を横取りするような超最悪な展開にワザと持って行き
    (両藩の騒動を心配するなら,香木を全部,かがり=水野に渡せばいいだけ…(-_-;))


    香木を渡さなければ,斬る!
    …と,親しくなった侍を追い詰めてしまった。
    こういう展開にすることで,
     
    「主君あっての家臣の命」などという
    「侍の愚かな命の懸け方」が,
    如何にバカバカしいことか…と,
    いかにも現代人の感覚から,
    昔の侍の生き様なんて結局,みんなそうだ…と,
    その愚かしい行為を嘆く以上に,
    どこか軽蔑しているかのような感じすらしたんだけど,
    気のせいかな?
     
    切腹させたくない相手の手助けをして,
    いざ,その相手が御役目大事のあまり,
    刃を向けてきたから、返り討ちにする…かあ(-_-;)?
    やむを得ない,勝負の世界,侍の宿命…。
    それに対し,「人の心を捨てた」とみなして
    真っ向から斬り捨てるなんて…ちょっとどうかねえ。


    「風の新十郎」が侍の掟に付き合う理由なんて,
    そもそも何もないし,
    主君も妻子も持たない自由な身の上で,
    彼らの価値観や行動を最終的に
    「無意味」だとバカにする資格が
    どこにあるんだろうか?
    しかも,つまらんことで命を落とすな…
    と言いながら(言わせながら),
    結果的に,一番,つまらぬことで
    人を斬っちまう(斬らせちゃう)なんてね。


    任務が遂行できなかった両藩の侍達は,
    斬るまでもなく切腹だし。
     
    斬死した侍の,残された5歳の息子と女房に
    何て説明するのか…そこまでの始末は全然なくて,
    数千両もの価値のある香木を
    平気で燃やしてオシマイ…
    そんなものに命をかけてバカだ…と締めくくる。
    金をドブに捨てるのと同じで,これはあまりにも酷い…
    後味が悪すぎる

    風の新十郎のやり方としては,
    これまでで最悪…ワースト1。
     
    せめて香木を密かに金に替えるなりして,人づてに、
    母子家庭へ渡すとかにすれば,まだ救われたものを。

    途中までのスジは良かっただけに,
    後半がメタクソで,流石にちょっと見る気が失せた
    栗ちゃまだけはずっと見ていたいけど)。
    正直,この話は,あまり書きたくなくて,
    気が進まなかった。
     
    『武士道』の本にもあったけど,真の侍の姿というのは,主君(権力)の誤りを糺すため,あらゆる手段を講じても通じなかったとき,最終的に自らの血を以て抗議する…という究極の自己犠牲の姿であって,そのために,一度こうと決めたら,どこまでも抵抗し,容易に屈服しない,不屈の精神力・我慢・忍耐が要求され,決して犬死のように,易々と主君のために命を投げ出すことが侍の使命ではない…と。
     
     
    (あらすじ)
     
    南国から黒潮に乗って流れ着いた香木を巡り,
    伊達藩と山内藩の争奪騒動が始まる。
     
     
    (流れ)
     
    街道を駆けて来た侍の乗った早馬二頭から,
    道を走る幼い子供を守った新十郎と,伊達藩士・戸ヶ崎精四郎。
    新十郎は戸ヶ崎と共に,憤る早馬の侍をなだめる。
    戸ヶ崎の実直な人柄に好感を持った新十郎だが,
    主君あってこその御役目大事を信念とする精四郎とは水と油のように価値観が噛み合わないことを実感する。
     
     
    新十郎と別れた戸ヶ崎は,伊達藩の迎えの侍と称した山内家の侍達に襲われたが,全て返り討ちにした。
     
     
    江戸へ戻った新十郎は長屋でのんびり昼寝をしていた。
    そこへ左近が来て,伊達藩と山内藩の香木を巡る騒動について聞く。
    ふと戸ヶ崎のことを思い出した新十郎は,
    左近と共に香木騒動の地へ向かう。
     
     
    香木は寺院に運び込まれていた。
    そこで現地の代官が仲裁に入り,伊達藩と山内藩の評定が始まる。
    山内家では,漂流物を不審者または不審物とみなし,藩へ搬送してから詮議にかけると主張する。
    伊達藩の筆頭代理人として交渉する戸ヶ崎は,代官と意見を同じくする山内家の交渉人・織本源兵ヱの言葉巧みな主張に閉口する。
    そのやりとりを,かがりが床下から聞いていたが,
    気配を察した戸ヶ崎は,突然,脇差を抜いて床に突き刺す。
    かがりは若干負傷するものの,すぐ刀の血を拭った。
     
     
    翌日の評定の席で,戸ヶ崎は,香木を「不審者または罪人扱い」して持ち去ろうとする山内家に対し,「この寺院において,一旦かくまった者についての引き渡しは認められていない」との規律を持ち出す。
    実は,そのように主張するよう陰ながら指示したのは新十郎だった。
    戸ヶ崎の主張に,織本としても為す術はない。
    結局,香木は,山内家と伊達家で,
    二等分して持ち帰ることに決定した。
     
     
    戸ヶ崎は,伊達藩へ帰る前に,新十郎や左近の居所へ来て,
    友好と感謝の印に酒を勧める。
    この二年間,江戸務めをしていた戸ヶ崎には,
    故郷に残した妻と,五歳の息子がおり,
    今回の役目を終えて久しぶりに会えることを楽しみにしていた。
     
     
    今まで強固に主張して引かなかった山内家が,
    おとなしく香木を二分したのには裏があった。
    香木は,上と下の部分では,その価値は五倍から十倍の差があり,
    戸ヶ崎達は,価値の低い下の方を掴まされてしまった。
    このことを探ってきたかがりは,
    左近や新十郎と酒を酌み交わしている戸ヶ崎に伝える。
     
     
    新十郎は,かがりを代官の娘に化けさせ,付き人の左近と共に,
    山内家に爆薬が仕掛けられたと,嘘の情報を流す。
    火薬を使って屋敷の方々に煙を焚き,
    織本ら侍達を香木の保管場所から遠のかせた隙に,
    新十郎は香木を盗み出し,
    「風」の仕業であることを示す紙を中へ残した。
     
     
    戸ヶ崎は,新十郎に「持ち帰った香木をどうするのか」と尋ねる。
    新十郎としては,香木を盗んだのは,あくまで風の新十郎が遊びがてらしでかしたこと、として丸く収めようとしていた。
    というのも,万一,盗んだ香木が伊達藩にあることが知れた場合,
    山内家と伊達家の間で大騒動になる恐れがあるため,
    新十郎としては,特に香木の使い道があるわけではないものの,
    戸ヶ崎の伊達藩に,香木を渡すわけにはいかないと拒否する。

    (-_-;)…だったら,フラフラと戸ヶ崎に香木見せたらアカンのヨね。
    かがりに渡すとか,どこかへ隠しちゃえば良かったのにサ。
     
    戸ヶ崎は,主君を喜ばせるために,
    どうしても香木を手に入れようとし,
    やむを得ず,新十郎に刃を向ける。
    新十郎は,これに応戦し,結局,戸ヶ崎を斬って捨てた。
     
     
    かがりは,江戸の老中水野に,
    「新十郎が伊達藩の香木も盗み出したこと」を伝えていた。
    戸ヶ崎を斬ったあと,新十郎は途端に不機嫌になったという。
     
     
    江戸に戻った新十郎は,香木二本を持って火祭りに出かける。
    左近もそこへ来て,数千両の香木に誰も気がつかないのかと呆れる。
    新十郎 「香木なんぞに命を張る奴は,馬鹿だ」
    やがて新十郎は,焚き火の中に,香木を放り投げた。
     
    (-_-;)この話…できれば二度は見たくない。とにかく恋夜は好かん。

    風…第37話「若様飛び出す」

  • 2011-09-15 : 風の新十郎 : 編集✍
  • 第37話…若様飛び出す
     
    ※この話では完全に新十郎は脇役で,田村正和さんが若様役(旗本の次男坊)を好演。イイ男達の共演は,フランス料理とイタリア料理を一緒にお皿に盛られたのと同じようで,こってり満腹!

    だけど,もう,この段階で,「風の新十郎」(栗ちゃま)の存在価値を薄くしていくような気配が感じられる…。
     
     
    (あらすじ) ※単純にまとめ。
     
    遊び好きな旗本の次男坊・刈谷源次郎は,
    ある日,兄から勘当される。
    その直後,将軍の妹にあたる照姫の婚約相手として,
    源次郎に白羽の矢が当たる。
    見合いの日取りは明後日,刈谷家に照姫が訪れることになった。
    焦った刈谷家では,家を飛び出した源次郎の行方を探し始め,
    町方の左近も捜索を頼まれた。

    その頃,源次郎は,兄から頂戴した手切金を博打に使って大当たり。
    傍でその様子を見ていた浪人は,源次郎が賭場を出たあとを付け,
    恰も金目当てと見せかけつつ,その命を狙う。
    この浪人は,前老中・土屋利位の家来が手配した刺客であった。

    土屋利位は,現老中水野が自分を失脚させたあと幕政を牛耳り,
    将軍の妹を土屋家の分家である刈谷家の源次郎に嫁がせようとすることに不満を抱いていた。
    照姫との婚姻の日取りに源次郎がいなければ,
    刈谷家は御家断絶となる。
    土屋利位はゆくゆく本家の息子に照姫を嫁がせるため,
    源次郎の暗殺を家来に命令する。
     
     
    (流れ)
     
    刺客に襲われた源次郎を偶然助けた新十郎(渡世人姿)は,
    その後,左近から,刈谷家の「若様」捜索に協力してくれと頼まれる。
    当人の右腕には,アザがあるという。
    探し当てた時の礼金はドッサリ…というので,
    左近の目的は,ほぼ金目当てに等しい様子。

    新十郎と山分けしてもいいから…と,そんな話をしていた折,
    先ほど浪人に襲われたあとで,
    新十郎の居所を教えて貰った源次郎が,長屋を訪ねて来る。
    その上品な顔立ちをマジマジと見た左近は,
    腕を見せろとにじり寄る。
    と,そこへ来たかがりに,源次郎はすぐさま興味を示し,
    左近から逃れ,調子良く,その場を退散する。

    源次郎のあとを追いかけたかがりは,
    徹夜で博打して眠くなった源次郎から膝枕をしてくれと頼まれたため,仕方なく寝かせはしたが,腕にアザがあるかどうか確認しようとする。
    と,そこへまた,土屋家の刺客達が源次郎の命を狙って襲って来る。
    新十郎は,,物陰からその乱闘現場の様子を窺う。
    かがりは刺客達の前に煙弾を投げて煙に巻き,
    源次郎と共に逃げた。
     
     
    江戸城には照姫がいた。
    照姫と顔馴染みのかがりは,婚姻相手の源次郎(らしき人物)を
    確認してきたことを報告する。
    「イカす男だが,女の子に手が早い」と聞いた照姫は,
    婚姻前に後悔したくないと言い,
    源次郎がどんな男か直に確認しようと,
    かがりと共に密かに街へ向かった。
     
    源次郎と居酒屋で出くわした新十郎は,
    刺客の男達をつけたところ,
    今は隠居の身となった前の老中・土屋利位の屋敷の者であったことをと,それとなく源次郎に伝える。

    本家の仕業だと察した源次郎は,一瞬,表情を強張らせるが,
    新十郎に礼を言い,居酒屋を出て行こうとする。
    が,新十郎は,今晩,濱町河岸の船宿「水月」で賭場が開かれるが,
    刺客の浪人は,源次郎を探して,その場に現われるだろうと予告する。
    源次郎は,礼を言って居酒屋をあとにする。
     
    かがりは照姫を連れて新十郎の長屋へ行ったが,留守だった。
    中に張り紙があり,今晩,船宿の水月で開かれる賭場に,
    目当ての若様が現れるだろうとの予告が記してあった。
     
    その博打場に照姫を連れて行ったかがりは,
    そこにいた源次郎に,「家出をして来た町娘」と称し,
    照姫のことを紹介する。

    「可愛い女の子には目が無い」という,お調子者の源次郎に,
    少しムッとする照姫。

    博打のことなど何も知らない照姫だが,かがりから遊び方を教わり,
    金を出して貰い,興味津津でサイコロ勝負に打って出る。
    源次郎は照姫にアドバイスするが,賭けた目で照姫に負け続ける。
    大当たりに喜ぶ照姫だったが,やがて賭場に手入れが入り,
    源次郎は照姫と一緒に川へ飛び込み,近くの空き家へ逃げ伸びた。

    気絶した照姫の濡れた着物を,夜通し火で乾かしていた源次郎は,
    やがて目を覚ました照姫から,少しばかり生い立ちを聞く。
    照姫は,あらゆる女に手を付けた自分の父親を嫌っていた。
    一方,親を亡くした源次郎は,
    兄と二人きりの兄弟しか身内はいない。
    照姫は父親の五十三番目の子だという。
    それを聞いた源次郎は,
    まるで先代の将軍様みたいだと目を丸くする。
    「昨日,初めて家から町に出た」と源次郎に打ち明けた照姫は,
    初めて自分の言葉で話し,自由に遊べて楽しかったと目を輝かせる。
    照姫を愛おしくなった源次郎は,彼女に許可を得てから抱きしめる。
    女慣れしているような源次郎だが,
    女を抱いたのは,それが初めてだと正直に話す。
    しかし,その抱擁も束の間,
    空き家の外へ刺客達が来る気配を感じた源次郎は,
    照姫を中へ残し,刀を抜いて応戦する。
    と,そこへ新十郎が加勢に入り,刺客のひとりを生け捕りにする。
    源次郎が,空き家へ戻ると,そこに照姫の姿はなかった。
    「騒動から逃れるため,かがりが連れて行った」と伝えた新十郎は、
    また彼女に逢えるだろうと源次郎に告げる。
     
    新十郎は,捉えた刺客に縄を巻き,
    土屋の寝所の隣の間へ転がした。
    男の懐に忍ばせた水野老中の「以後,刈屋藩へは手出し無用」
    との達し書きを見た土屋は,悪事が露呈したと察し,
    間もなく切腹した。
     
    刈谷家に戻った源次郎は,風来坊を装っていたことを家来に詫びる。
    本家の動きを探るため,兄と示し合わせたうえで,
    今まで,おとりとして動いていた。

    源次郎は,戻って早々,見合いの話を聞く。
    相手は現将軍の妹で,先代将軍の五十三番目の子だとのこと。
    源次郎には,昨晩の娘だと察しがついた。
     
    身支度を整えた源次郎は,照姫との見合いの席にいた。
    照姫は,早速「可愛い女の子には目がない」と言った源次郎の言葉を
    引き合いに出し,「これ以後,なりませぬ」と,笑顔で念を押した。

    源次郎も,これには二つ返事で嬉しそうに答える。
     
    照姫の尻に敷かれそうな源次郎の未来を予想するかがりは,
    傍にいた新十郎に,「ニョウボにアタイはどう?」と尋ねる。
    新十郎は,困ったとばかりに,河原を逃げ回る。

    風…第36話「悲願兄妹鏡」

  • 2011-09-14 : 風の新十郎 : 編集✍
  • 第36話…悲願兄妹鏡
     
    新十郎 「侍とは,哀しいものだな…」
     
    この話は「実力行使なき仇討・本懐」とでもいうのか,
    些細な領主の失態で,取り潰しとなった藩の浪士達が,
    公儀(幕府)の裁定に異を唱えるという,
    一見,赤穂浪士もどきのスジ立て。
    とはいえ,賄賂を貰って小藩を計画的に取り潰した大目付に対する
    仇討は,遺恨を持つ藩士達の実力で果たされず,
    他力本願(風の新十郎→水野老中→上意→大目付切腹)
    で終わったところが,あまりにも安易すぎた。
     
    最終的には,御家再興も叶わず,
    公儀に反省を促した(盾突いた)ことを以て,
    自発的に切腹を選ぶ浪士の兄と,その妹。
    そうなるだろうとは思ったけれど,
    結末がどうにも暗くて,重苦しすぎたから,
    ちょっと真面目にスッキリしない理由を考えてみた。
     
    「本懐を果たした」といっても,人づてに権力が動いて,
    知らないうちに仇相手が裁かれただけ…
    というのがスッキリしない最大の原因かな。
    打つ手がなくて,権力者の力に頼って解決した…というのが,
    どうにもイヤらしい感じがする。
    虎の威を借るキツネのやり方。
     
     同じ仇討本懐でも,
    赤穂浪士のように我慢を重ねて自力で行使した姿とは違い,
    この話の覚悟の切腹に,あまり意味があるとは思えなかった。
    自分達と同じような侍の不幸を繰り返さないために…というのなら,
    生きて,伝えていく方法もある。
    死んじまったらなんにもならないもんね。
    (そういうふうに作って欲しかったサ…(-_-;)理想としてはね。)
     
    赤穂浪士は,仇討本懐して切腹する姿がアッパレだとかいう単純なものじゃなく,喧嘩両成敗でありながら,公平公正な裁きを下さなかった公儀のやり方に,「それはあまりに酷いし,違うじゃん!」と異議を申し立てるために,まず主君の仇を討って無念を晴らし,それを公儀がどう裁くか,身を賭して直訴する…というのが最大の目的だったんじゃないかと,恋夜なりに思う次第。
     
    現代社会でいえば,最高裁の確定判決に異を唱えて,その判決が誤りだったことを認めさせ,反省を促し,覆させようとする…しかも,
    被告人でもない立場の人達がそれをやった…というふうな,
    とんでもない出来事(現代じゃ,単なる犯罪)。
    どう見ても不公正な裁きに対し,身を賭してでも抗議する…
    その反骨精神と行動力に,人は喝采するわけで,
    そういう場合,最終的に「切腹」しても,無念は残らない。
    侍なら,もともと「切腹」覚悟の上だしね。
    無意味な死だとは思えない。
    主人(権力)の言うなりに媚びへつらうのは
    「佞臣」か、「寵臣」でしかなく,
    真の侍は,そういう姿を最も忌み嫌ったとのこと。
    主君(権力)が後々誤りに気がつけば,家臣の死は「誉」にもなる。
    それこそが「忠臣」であり,侍として生きた「忠義」の証。
     
    で,結局,ここではナニが言いたかったのか…というと,
    権力が権力を裁いちゃ,お話にならないよね…
    って言いたかった(^^ゞ。
     
    (流れ)※アラスジは冒頭でほぼ説明しちゃったし,
    シーンの切り替えが多いから省略してまとめ。
      
    夜分,大目付・内藤甲斐を乗せた大名駕籠が浪士数名に襲われた。
    偶然,通りかかった新十郎は,
    突発的に襲撃を受けた内藤方の警護に加勢し,浪士達を追い払った。
    駕籠の中から顔を出した内藤は,
    襲撃されたことは他言無用と新十郎に念を押し,
    何事もなかったかように通りを去った。
     
    新十郎は,駕籠の家紋から,襲撃を受けたのは,
    大目付の内藤甲斐であることを,
    左近のところの武家帳で突き止める。
     
    屋敷に戻った内藤は,家来を前に,先ほどの襲撃の相手は承知済みで,くれぐれも公にしないよう指示を出す。
    また,加勢した浪人(新十郎)の存在も厄介であるため,
    見つけ次第,直ちに斬るよう命令する。
     
    居酒屋に入った新十郎は,先にいたヤクザ風の喜太八が,
    やがて来た町人姿の伊助をドス(短刀)で刺しして逃げるのを目撃する。知らせを聞いて駆けつけた左近に,新十郎は,殺された男の名は伊助で居酒屋で女と待ち合わせていたようだと教える。伊助をやった男は前科者らしい,そう話した新十郎は,雨の降る往来に,武家風の娘が立っているのをチラリと見かけ,早速,女のあとを追いかける。
     
    その女の腕を掴み,無理矢理,自分の長屋へ連れてきた新十郎は,
    居酒屋で武家風の女と待ち合わせた伊助が殺されたことを話す。
    見通されたことを知った娘は,新十郎にいくら渡せばいいのかと聞く。
    その様子から,新十郎は,娘が伊助に強請られていたと勘づき,
    詳しいことを話すよう勧めるが,娘は伊助など知らないと言う。
     
     左近が長屋を訪ねて来たため,
    新十郎は,彼女をひとまず奥へ隠し,
    適当に「武家の女と中間の恋のモツレ」と左近に勘違いさせ
    引き揚げさせた。
    引き続き,強請りのタネは何かと,武家娘に問う新十郎だが,
    一向に詳細を明かさないため,解放する。
     
     
    廃墟の寺院では,もと津山藩士達数名が屯していた。
    津山の殿様は,鷹狩の最中,
    うっかり隣国の領地に足を踏み入れたことで切腹を申しつけられ,
    運悪く後継ぎがいなかったため,藩は取り潰しとなった。

    後の調べで公儀が差し向けた隠密の細工が浮上し,
    全て大目付の内藤甲斐の仕業だと見当はついていたが,
    吉田清太郎ほか浪士数名は,公儀に反省を促すため,
    如何に「大事」を成功させるか,その方法について思案していた。

    慎重な吉田とは対照的に,浪士の柴田ほか数名の侍達は,
    吉田の許しもなく,血気に逸って大目付の内藤甲斐を襲撃したが,
    新十郎に邪魔をされて失敗し,いきり立って寺に待機していた。
     
    その寺に戻った武家娘は,吉田のもとへ行き,
    伊助から手紙を取り戻すことができなかったことを報告する。
    娘は,吉田の妹・お新だった。

    浪士の柴田は,昔の女(お美代の方)からの恋文を頼りに,
    大奥の口添えを頼もうとする吉田のやり方に不満を漏らす。
    しかし,吉田としては,それが妹の独断であるにせよ,
    なるべく事を荒立てない方法を選択し,
    内藤を討つのは最終手段だと決めていた。

    吉田は,昔の恥を忍んで,
    将軍の側室となったお美代の方の力を借りてでも,
    穏便に公儀へ訴え出ようとしていた。
    お新は引き続き,伊助の住まいで手紙を探すため,出かけて行った。
     
    お新は,伊助の長屋で左近と出くわす。
    お新のことを殺された伊助の女だと勘違いした左近は,
    「伊助に書いた手紙で脅され,嫁にも行けない」
    と嘯くお新の言葉を間に受け,
    そこで一緒に「恋文探し」をすることに。
    しかし,手紙は見つからず,左近は,お新を自宅に待機させ,
    引き続き下手人探しに出かける。
     
     
    大目付の内藤甲斐の屋敷の天井裏に隠れて内情を探る,かがりは,
    そこで内藤甲斐の悪事のカラクリを聞きつける。
    内藤甲斐は,津山藩を取り潰したうえ,
    その領地を隣藩である花崎藩の領地にすることを事前に確約し,
    賄賂を貰っていた。
     
    左近の留守中,早速,内藤の悪事を報告しにきたかがりだが,
    お新を見るなり,すぐ出て行った。
     
     
    寺をうろついていた新十郎は,柴田らに見つかり,
    昨夜の大目付襲撃を邪魔した男だと確認されて襲われるが,
    かかってきた相手を全て刀の峰で打ち返す。

    やがて吉田と対峙し,刀を交えた新十郎は,その太刀筋から,
    新十郎 「あんたの心は真っ直ぐだな,剣がそう言っている」
    と,察し((-_-;))?刀を収めて協力することを申し出る。
    ((-_-;))ナニもまだ聞いてないゾ。

    柴田らは,新十郎が水野老中の息のかかった者だと疑うが,
    吉田は新十郎のことを信用し,津山藩取り潰しの経緯を話す。
     
    表向き,藩主は病のために亡くなったことにされ,世継ぎがなかったことを以て藩は取り潰しになったが,その実,公儀が隠密を津山藩に送り込み,藩主が鷹狩に出た当日,標識の向きを変更し,国境を越える失態を招くよう謀られたことが,後日の調べてわかったという。国境の標識は,本来,津山藩の領地内だった。このことを公儀に訴え出ようにも,その手段がない。吉田は仕方なく,妹・お新が提案した「昔の恋文」を頼りにすることにした。
      
     
    伊助の長屋にあった通行手形をもとに,「中間部屋を利用した賭場」へ出向いた左近は,そこで伊助の情報を仕入れる。
    ちょうどかがりもそこへ来て((-_-;))ヨクワカッタナ…?
    左近に声をかける。

    やがて左近の目の前に,目当ての下手人・喜太八が現れたため,
    御用と意気込み,かがりと一緒に喜太八を捕縛する。
     
     
    夜分,新十郎は,内藤甲斐の屋敷周辺を探りに行ったが,
    中から家来衆が出て来たため,退散する。
    新十郎の姿を確認した侍達は,あとを付ける。
     
     
    左近は番所で喜太八に,伊助が持っていた手紙のことを聞くが,
    何の見当もないという。
    喜太八によれば,伊助は文字が読めず,
    手紙など貰うわけはないとのこと。
     
     
    付けて来る侍達にうんざりした新十郎は,いい加減,
    かかって来るよう向き直る。
    と,彼らは一斉に抜刀して襲いかかってきたが,
    新十郎は,ミネウチで叩き返し,余裕の笑みで追ッ払った。
     
     
    左近は,自宅で待機させているお新に手紙のことを問いただす。
    そこにかがりもおり,お新が津山藩士の娘だと指摘する。
    水野の印籠を見せて事情を性急に聞き出そうとするが,
    そこへ新十郎が来て,かがりを静める。

    お新は嘘をついていたことを詫び,
    手紙を書いた主は,将軍家の側室「お美代の方」であり,
    その昔,八百屋の娘だったお美代の方から
    兄の清太郎が受け取った恋文だったことを明かす。
    かつて屋敷の中間だった伊助にその恋文を盗まれ,
    それをネタに金を強請られていたのだという。
    しかし,伊助が殺されてしまい,手紙の行方が分からない。
    左近は,再び喜太八を取り調べる。

    その結果,伊助は生前,肌身離さず,煙草入れに「かんの薬※」
    を持ち歩いていたとのこと。

    (カン※疳の虫=体の中にいる悪い虫=自律神経失調症から起こる神経異常興奮=赤ちゃんが理由もなく不機嫌になってジレたり,欲求不満を起こすこと。昔はカンの虫が原因だと言われていたから,それに効く薬が「カンの薬」。疳癪カンシャク持ちのカン。)

    殺された時,伊助は煙草入れを持っていなかったことから,
    かがりと左近は,早速,伊助の長屋へ行き,
    そこで煙草入れを見つる。
    中にあった手紙を広げて見ると,確かにそこに恋文があった。
     
     
    後日,左近は,小間物の行商に身を変え,大奥へ商いをしに出向く。
    ちょうどそこへ来たお美代の方付きの年寄奥女中に手紙を差し出し,
    その確認を願い出たところ,お美代の方の返事は,
    「そのような手紙に覚えはない」とのこと。
     
     
    落胆して吉田や新十郎達のいる寺へ行き,それを報告する左近。
    柴田達は,我慢できず,内藤を襲撃しようと飛び出て行った。
    新十郎は,吉田にまだ方法があると伝え,先に柴田らを止めに行かせた左近のもとへ駆けつけ,焦る浪士達の行く手を遮る。
     
     
    内藤甲斐の屋敷に忍び込んだ新十郎とかがりは,家来達に包囲されるが,新十郎は内藤の首に刀を当て,津山藩の回復を要求する。
    かがりは内藤に決定的な賄賂の証拠である,
    花崎藩からの贈答品の箱を見せつける。
    間もなく幕府の「上意」を下しに来た上使の沙汰により,
    内藤甲斐(金田龍之介さん)は切腹を申しつけられた。

    幕府の上使から,一度公儀が下した津山藩の取り潰しは,
    撤回できないと知らされる新十郎だが,
    浪士達の処遇は考慮するとの言葉を聞いて安堵する。
    その計らいの陰には,内密に,お美代の方の口添えがあったという。
     
     
    一足先に寺に戻った柴田は,
    吉田とお新に,内藤甲斐が切腹になったことを報告し,
    殿の墓へ報告すると言って嬉しそうに出て行った。

    奥の間で,覚悟を決めた吉田とお新は,
    公儀に直訴した責任を取り,自害した。

    左近とかがりは,蝋燭の点る中,無言で彼らの亡骸を見つめていた。
    遅れてそこへ来た新十郎は,愕然とする。

    新十郎 「侍とは,哀しいものだな…」
     
    新十郎は雷雨の中,傘も差さず,びしょ濡れで帰って行った。
    その足取りは,いつになく重い。
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