俺は用心棒OP★ラウンド・スライド★
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CS時代劇専門チャンネルにて放送された「俺は用心棒」も,本年10月30日(木)を以て終了。
(でも記事は終わってないので…とりあえず,オープニング栗バージョンを出しておきました!)
❤後日,美しくてタフな栗ちゃまの,総集編画像をスライディング・アップさせる予定で~す❤
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用心棒シリーズは,季節感も楽しめる。
色がないのが残念だけど…。
栗のダンナが楽しむのは酒だけ❤
(飲んでるときのお顔も素敵だニャ~!)
色がないのが残念だけど…。
栗のダンナが楽しむのは酒だけ❤
(飲んでるときのお顔も素敵だニャ~!)
「俺は用心棒」第24話
(あらすじ)
ヤクザ同士の掟に散った,若い子分たちを中心とする話。
縄張り争いで,ヤクザの親分「クロマルのトミゾー」が闇討ちにあって殺された。策した親分ヤクザの政五郎は,クロマル一家の襲撃(復讐)を避けるべく,女房のオリンを連れて街道を逃げていた。追っ手が迫る中,政五郎の後に従う子分の由太郎は,一時的に栗にかくまわれる。
ヤクザ同士の掟に散った,若い子分たちを中心とする話。
縄張り争いで,ヤクザの親分「クロマルのトミゾー」が闇討ちにあって殺された。策した親分ヤクザの政五郎は,クロマル一家の襲撃(復讐)を避けるべく,女房のオリンを連れて街道を逃げていた。追っ手が迫る中,政五郎の後に従う子分の由太郎は,一時的に栗にかくまわれる。
クビコッタクリ。
そこへ来たクロマル一家に由太郎のことを聞かれるが,
“シランモ~ン”とシラをきる栗。
一瞬ムカッ!…ときた追っ手のクロマル連中は,
二股に分かれた別の道を探すことに…。
やがて,物陰から出てきた由太郎から,
道中の助っ人を頼まれる栗だが…,
“シランモ~ン”とシラをきる栗。
一瞬ムカッ!…ときた追っ手のクロマル連中は,
二股に分かれた別の道を探すことに…。
やがて,物陰から出てきた由太郎から,
道中の助っ人を頼まれる栗だが…,
“ヤナコッタ”と,あっさり断る…
(昨夜ヤクザの用心棒を引き受けて懐が温かい)
(昨夜ヤクザの用心棒を引き受けて懐が温かい)
そこへ来た田島君に 「懐に何がしかの路銀があると…言うことが違ってきますね(笑)」なんてからかわれちゃう。栗は栗で、「これ以上仕事引き受けると,マンペーさんが待ちぼうけして怒る」…と返す。
追っ手のヤクザ三人組は,政五郎まで数歩に迫ったところ,あとから来た由太郎が親分を助けるため,「マチヤガレー!」と長ドス抜いて乱闘をしかける。その結果,死傷者が辺りへ転がる。それを目撃した少女に,政五郎とオリンは誰にも言うなと念を押し,足を斬られた由太郎を伴って先を急ぐ。同じく足を負傷したクロマル一家の子分の一人は,少女にサラシと焼酎を持ってくるよう頼む。そのあとから来た栗と田島君は,負傷したクロマル子分と出会う。飯屋の娘である少女は,まだ少年の兄・幸吉に,人が斬られたことを話す。
あいにく,父親の主は留守。
店に居合わせたマンペーさんは,怪我人のヤクザの所へ向かおうとするが,ちょうどそこへ田島君と栗がクロマル子分を連れて来たため,飯屋に入れて介抱する。そのクロマル一家の子分は,親分のトミゾーを闇討ちして逃げた敵の親分政五郎を追っている事情を,栗たちに打ち明けるとともに,負傷時,気が立っていて乱暴な言葉を吐いたことを栗たちに詫びる。
(ケッコーイイヤツだ,以下,「クロ子」という)。
(ケッコーイイヤツだ,以下,「クロ子」という)。
スマイルで,“いいってことヨ”と許す栗。
一方,政五郎たちに同行する由太郎は,先程の乱闘で相手ヤクザから斬られた足の傷が悪化して歩行困難となる。
オリンは由太郎の具合を気遣うが,親分は追っ手を恐れるあまり,
足手まといな子分を置いて行こうとする。
そこへ偶然通りかかった親切な飯屋の主の申し出により,
由太郎は店まで主に伴われ,手当てを受けることにする。
政五郎とオリンは,由太郎を置いて先を急ぐ。
オリンは由太郎の具合を気遣うが,親分は追っ手を恐れるあまり,
足手まといな子分を置いて行こうとする。
そこへ偶然通りかかった親切な飯屋の主の申し出により,
由太郎は店まで主に伴われ,手当てを受けることにする。
政五郎とオリンは,由太郎を置いて先を急ぐ。
由太郎は主と一緒に入った店で,マンペーさんが手当てした相手ヤクザのクロ子と再会し,ついでに,由太郎を庇った栗とも再会する。由太郎とクロ子は,一触即発で挑みかかる気配を見せるが,栗や田島君が止めに入る。が,止めてくれるなと言うクロ子。
栗 「バカモノ!」
田島君 「(由太郎に) おまえも同じだ!」
由太郎 「ダンナ方は黙って見ててオクンナマシ。
アッシらには渡世人の掟があるんだ!」
田島君 「そんなものは,ここでは通用しない!
黙って手当てを受けろ! やりたければ,
誰もいないところで,二人っきりでやれ!」
田島君 「(由太郎に) おまえも同じだ!」
由太郎 「ダンナ方は黙って見ててオクンナマシ。
アッシらには渡世人の掟があるんだ!」
田島君 「そんなものは,ここでは通用しない!
黙って手当てを受けろ! やりたければ,
誰もいないところで,二人っきりでやれ!」
マンペーさんは,ヤクザたちの傷の具合を,飯屋の少女が心配していたと話し,「少しは恥ずかしいと思いなさい!」と叱りつける。
結局,双方,おとなしく店屋の奥で手当てを受ける。
栗たちは,一夜の宿として,店屋の主から庄屋の家を案内される。
秋になると虫が鳴き出すのは自然界の掟だと語るマンペーさんは,
それに比べ,人間同士の掟など,つまらぬものだと言う。
秋になると虫が鳴き出すのは自然界の掟だと語るマンペーさんは,
それに比べ,人間同士の掟など,つまらぬものだと言う。
虫の声を聞くシブガキ(×)…シブクリ。
同じように足を負傷し,手当てを受けた敵同士のヤクザ二人は,それぞれ掟に振り回される子分の身の上に,どこか共感して笑い出す。店の親子も,ヤクザが仲直りしたものと思い,安堵する。が…,間もなく追っ手のクロマル一家が店に押しかけてきて,敵ヤクザと一緒に休んでいたクロ子は,兄貴分から掟を破った罰だとして殴られる。店の主の子供たちは,慌てて栗たちのいる庄屋の屋敷へ知らせに向かう。
ちょうど酒を飲んでた栗は
「間に合わんだろう」…と,予想したとおり,店に駆けつけたときは既に遅く,追っ手のクロマル一家は,由太郎をブッ殺し,
店の主を連れて,逃走中の政五郎のもとへ向かったあとだった。クロ子だけが店に残され,主が仲間ヤクザらに連れ去られたことを話す。それを聞いた栗と田島君はヤクザらを追って行く。マンペーさんは残されたヤクザを再び介抱する。度々手数をかけることを詫びるクロ子。
マンペ 「だいぶ熱があるな…苦しいだろう?」
思いやるマンペーさん…((ToT)…なんだかナケちまうゼ…。)
縄張り争いの小競り合いから,何ら関係のないカタギ(堅気)の店の親子を巻き込んでしまったことを悔やむクロ子は,店の主が無事に戻ることを願う…(やっぱりイイヤツだ)。
政五郎は,自分の味方を集める拠点として,素人ヤクザの舎弟である材木問屋の屋敷へ,女房のオリンとともに逗留していた。オリンは,由太郎のことを心配していたが,政五郎は知らんぷりでテメーのことだけ考え中。
しかし,それも束の間,屋敷へ押しかけてきたのは追っ手のクロマル一家だ。兄貴分のクロヤクザが,ひとり座敷に残されたオリンを問い詰め,政五郎の行方を聞くが…オリンは口を割らない。
しかし,それも束の間,屋敷へ押しかけてきたのは追っ手のクロマル一家だ。兄貴分のクロヤクザが,ひとり座敷に残されたオリンを問い詰め,政五郎の行方を聞くが…オリンは口を割らない。
「喋らねーならタタッ斬るゾ!」
オリンの首に刃を突きつけて脅すヤクザ連中。
が!
…「ヨセィ…」…の声と共に,暗闇からヌっと現れる栗。
“チンケなヤクザの騒動ゴトキで,カタギに迷惑かけんじゃねえよ”との趣旨で,ゴチャゴチャ口上を述べる栗に,キレたヤクザが襲いかかる!
“チンケなヤクザの騒動ゴトキで,カタギに迷惑かけんじゃねえよ”との趣旨で,ゴチャゴチャ口上を述べる栗に,キレたヤクザが襲いかかる!
バッサバッサとヤクザらを薙ぎ倒し,兄貴分ヤクザを追い詰める栗。
そこで突然,置き去りにされたオリンがクチを開く。
子分はおろか,女房さえも助けることなく犠牲にし,いつも自分だけイイ子ちゃんで逃げ隠れる政五郎に愛想をつかしたオリンは,ヤクザ同士で決着をつけさせることを栗に提案する。
オリンが押入れを開けると,箪笥にヘバリつく政五郎の情けない姿が…!
栗 「よし,ヤクザ同士で,カタをつけろッ」
言い残して去る。
栗が店に主を連れ戻ったとき,マンペーさんに手当てを受けたクロ子は絶命していた。
マンペ「死ぬ間際に…『もう一度,堅気になりたい』と言って,
涙をこぼしたよ…」
涙をこぼしたよ…」
田島君は,男の墓に向かって合掌する。
二人の若い子分ヤクザの亡骸は,店の近くの道端へ並んで埋められた。そこで祈りを捧げる店の娘の姿があった。そして…通り過ぎていくオリンの姿があった。
性根の腐ったまま最期を遂げた親分ヤクザと,腐った掟に忠義を尽くした性根の優しい子分ヤクザたちの最期…
ヤクザの女房だったオリンは,ひとり街道を行く。
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★田島君のオメメがダンゴ…クリクリ★
(残り,あと3話!)
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(残り,あと3話!)
「俺は用心棒」第23話
旅籠の下男・文吉は,夜分,写本をしながら熱心に勉強していた。そこへ来た店の主人から「油を無駄にするな」と叱られる文吉。同じ旅籠の女中・オサキは夜食を差し入れて,勉強熱心な文吉を気遣う。
そんな文吉に関心した客の幸右ヱ門は,「カワキタ・サブロベー」という侍へ,ある荷物を渡すよう頼む。早朝,文吉はオサキに外出する用事があると告げ,宿場口へ向かう。
宿場口で侍を待つ文吉。
そこへちょうど栗が来た(栗の名は…「カワキタ・サブロベー」?)。
文吉は,栗に「カワキタ様」かと尋ねたが,
そこへちょうど栗が来た(栗の名は…「カワキタ・サブロベー」?)。
文吉は,栗に「カワキタ様」かと尋ねたが,
栗 「違う,俺はカワキタ・サブロベーではない」(じゃあなんだ?)
栗が言うには,孝右ヱ門からの荷物を受け取るはずのカワキタは,侍に斬られて絶命したとのこと。文吉は,栗に直接,幸右ヱ門と会って話してくれるよう頼むが,所詮来るはずはないと予想した栗は,文吉に幸右衛門を連れて来るように言う。旅籠へ向かった文吉だが,幸右衛門は連れの男と二人で既に出立。辺りを探す文吉…。しかし,目に飛び込んできたのは,幸右ヱ門と連れの男の斬死体だった。
その頃,旅籠には追っ手の侍たちが幸右ヱ門の行方を捜しに来ていた。
旅籠に戻った文吉は,一旦オサキと隠れるが,事情を告げて宿場口へ急ぐ。宿場口には既に栗の姿はなく,代わって田島君が来て事情を話し,
マンペーさんがいる茶店へ向かう。茶店では,ダンゴをウマそうに食いまくるマンペーダンゴ…ダンナがいた。
旅籠に戻った文吉は,一旦オサキと隠れるが,事情を告げて宿場口へ急ぐ。宿場口には既に栗の姿はなく,代わって田島君が来て事情を話し,
マンペーさんがいる茶店へ向かう。茶店では,ダンゴをウマそうに食いまくるマンペーダンゴ…ダンナがいた。
マンペーさんは文吉の荷物に気づく。幸右ヱ門が斬られたと話す文吉は,
旅籠のオサキのことを心配して戻ろうとするが,田島君が留める。
旅籠のオサキのことを心配して戻ろうとするが,田島君が留める。
栗は,文吉と行き違いに旅籠へ到着。田島君も,あとから来たヨ。
文吉の居場所を知るオサキが侍たちに連行されたことを旅籠の主人から聞く栗。そこに,張り込んでいた追っ手の侍ひとりが襲い掛かってきた。
文吉の居場所を知るオサキが侍たちに連行されたことを旅籠の主人から聞く栗。そこに,張り込んでいた追っ手の侍ひとりが襲い掛かってきた。
(チョー怖ェ~侵入者の栗↓)
ミネウチでノシた侍に,水をブッかけ(ゴーモンし),捕えられた女中オサキの居場所を聞き出す。宿場外れの雲竜寺の物置小屋では,オサキが侍たちから文吉の居場所を詰問される。しかし,オサキは喋らない。
茶店のマンペーさんと文吉は,荷物の中身を開く。
同じような帳簿が二つあり,精査してみたところ,作事奉行によって記された灌漑工事費用の二重帳簿だった。文吉が半分ほど調べたところ,四~五千両の違いがあった。
同じような帳簿が二つあり,精査してみたところ,作事奉行によって記された灌漑工事費用の二重帳簿だった。文吉が半分ほど調べたところ,四~五千両の違いがあった。
マンペ「そうか…そりゃ,灌漑工事となると大仕事だからなあ。
ヘタすると,人と金をつぎ込むだけだが,
うまくいくと荒地が新田に変わり,何千石かの増収になる。
ま,どこの藩か知らんが,作事奉行が二重帳簿を作って
自分の懐を増やそうとしたのか,
上役の命じたとおりにやらされたのか…
ま,とにかく,その帳簿が盗み出されたんで,
慌てて追って来たんだろう。
お前も…えらいものを預かってしまったが…
関係ないってば関係ない。よし,
あとあと面倒なことが起きないようにしてやろう」
文 吉「私の父も…同じでした」
ヘタすると,人と金をつぎ込むだけだが,
うまくいくと荒地が新田に変わり,何千石かの増収になる。
ま,どこの藩か知らんが,作事奉行が二重帳簿を作って
自分の懐を増やそうとしたのか,
上役の命じたとおりにやらされたのか…
ま,とにかく,その帳簿が盗み出されたんで,
慌てて追って来たんだろう。
お前も…えらいものを預かってしまったが…
関係ないってば関係ない。よし,
あとあと面倒なことが起きないようにしてやろう」
文 吉「私の父も…同じでした」
マンペ「ン…?」
文 吉「私の父は,やはり作事奉行の下役でした。
二重帳簿の不正を上司に問い
ただして,その挙句,浪人になり,散々苦労して,
こんな田舎の宿場にまで落ちてきて死にました。
きっと,街道で斬られたカワキタ様も,
同じようなお立場だったのでしょう」
二重帳簿の不正を上司に問い
ただして,その挙句,浪人になり,散々苦労して,
こんな田舎の宿場にまで落ちてきて死にました。
きっと,街道で斬られたカワキタ様も,
同じようなお立場だったのでしょう」
文吉は,幸右ヱ門が帳簿の不正に気づき,カワキタに頼まれて帳簿を持ち出し,それをカワキタに渡そうとして作事奉行に追われたものと思い込み,憤る。
そこへ栗と田島君が戻ってきたが,
オサキが追っ手の侍たちに連行されてしまったことを話す。
動揺する文吉に,帳簿を侍に渡して娘を連れ戻すと言う栗。
オサキが追っ手の侍たちに連行されてしまったことを話す。
動揺する文吉に,帳簿を侍に渡して娘を連れ戻すと言う栗。
文吉は,「カワキタ様のお志が無になります!」と,
一緒に行くことを申し出るが…
一緒に行くことを申し出るが…
(↑ウマくなだめるマンペーさんと田島君↑)
既に武士に戻れない身の文吉は,一生旅籠の奉公人として過ごすことなく,将来は学問で身を立てるという志を持っていた。
文 吉「父の志を学問で生かします。一生懸命働いて,
お金を貯めたら京都へ行きます。そして,
働きながら学問をするんです。
私なりに世の中の不正を正していくつもりです」
マンペ「そうか…ま,しっかりやりなさい」
文 吉「今…父の無念の怒りが,初めて実感として湧いてきました。
父の怒りは,カワキタ様の怒りです!
その怒りを…学問に込めて戦います!」
マンペ「うん…そうしなさい」
お金を貯めたら京都へ行きます。そして,
働きながら学問をするんです。
私なりに世の中の不正を正していくつもりです」
マンペ「そうか…ま,しっかりやりなさい」
文 吉「今…父の無念の怒りが,初めて実感として湧いてきました。
父の怒りは,カワキタ様の怒りです!
その怒りを…学問に込めて戦います!」
マンペ「うん…そうしなさい」
栗たちにオサキの居所を話した…(ゴーモンで白状した)侍が雲龍寺に息せき切って到着し,栗たち浪人のことを事前に知らせていた。
その雲龍寺に来た栗と田島君は,城下の藩政を取り仕切る家老の松井田へ交渉を持ちかける。
旅籠の下男が惚れている女中を連れ戻しに来たと言う栗に対し,松井田も,その点は心得ていると返答。しかし,文吉が持っている帳簿を是が非でも取戻したい意向を示す。それは,どういう意味なのか?と尋ねる田島君に,帳簿がなければ切腹しても追いつかぬと言う松井田。多勢の家臣が路頭に迷い,家族らも同じ運命になるばかりだ…とも。作事奉行が作った帳簿がそれほどまでになるのか?と,聞きただす栗に,そこまで事情を知っているのか…と驚く松井田は,作事奉行を傍へ呼び,自らの指示で作事奉行に二重帳簿を作らせたことを打ち明ける。そうしなければ藩の財政を立て直すことができないと言う。
松井田「ただただ…御家と家臣のためである。
これ以上,領民たちに負担をかけずに,
なんとか切り抜けるために…
重臣ども,相集まり,考え抜いた末のことでござる!
それを…天を恐れざる凶族に帳簿を奪われ…,
我ら身命をかけてでも,取戻さねばなりませぬ!」
これ以上,領民たちに負担をかけずに,
なんとか切り抜けるために…
重臣ども,相集まり,考え抜いた末のことでござる!
それを…天を恐れざる凶族に帳簿を奪われ…,
我ら身命をかけてでも,取戻さねばなりませぬ!」
栗 「凶族…?」
松井田「いかにも!」
田島君「やっぱり,そうだったんですね…」
同じ頃…
栗と田島君を待つ文吉は,カワキタについてマンペーさんに聞く。
栗と田島君を待つ文吉は,カワキタについてマンペーさんに聞く。
文 吉 「身を捨てて作事奉行の不正を暴いたカワキタ様の…
ご最期をお聞かせ下さい」
ご最期をお聞かせ下さい」
経緯を話すマンペーさん。
(回想)
カワキタは,野宿していた栗たちの前で絶命した。
しかし…
カワキタは,野宿していた栗たちの前で絶命した。
しかし…
カワキタ「浪人さんかい?…頼む…明日の朝…次の宿場口で,
幸右ヱ門という男の使いから,品物を受け取ってくれ,
さな包だ…手当は特別弾んで…幸右ヱ門と,
もう一人,手下がいる…俺の名は…」
幸右ヱ門という男の使いから,品物を受け取ってくれ,
さな包だ…手当は特別弾んで…幸右ヱ門と,
もう一人,手下がいる…俺の名は…」
田島君「これが…侍のきく言葉でしょうか?
武士の最期の言葉でしょうか?」(カワキタ?は侍チャウ…)
武士の最期の言葉でしょうか?」(カワキタ?は侍チャウ…)
マンペーさんは,死に際の男の不可解な言動については伏せ,
マンペ「とにかく…頼まれたことだけは確かだ」
文 吉「そうですか…きっと,残念なお気持ちだったでしょう」
マンペ「まあな…いろんな意味でな」←(言い得て妙…な,このセリフ)
文 吉「そうですか…きっと,残念なお気持ちだったでしょう」
マンペ「まあな…いろんな意味でな」←(言い得て妙…な,このセリフ)
もとの雲龍寺。松井田は,凶族が作事奉行の役宅から盗み出した書類はどこか,再度,栗たちに尋ねるが,下男は持っていないと言う栗。松井田は,栗たちが凶族同様にユスリ・タカリをするならば,討ち取るまで…と言う。
栗 「討ち取れるかな?」
松井田「十万石をお相手になさるおつもりか?」
「それも面白かろう」
「何!」(作事奉行)
田島君「お待ちなさい!別にそうしようと言っているんではない!
田島君「私が取引をしても,いいですか?」
栗 「たまにはオヌシがやってみるか?」
田島君「やりましょう」
田島君「我々は浪人だから,どこかの御家中の
ことには,いささかの関心もない。
御家の都合もあったんでしょう,
書類だか帳簿だかは,お返ししますよ」
ことには,いささかの関心もない。
御家の都合もあったんでしょう,
書類だか帳簿だかは,お返ししますよ」
松井田「お返し頂けるのか…」
田島君「そのかわり…あの小屋の窓からこっちを
見ている旅籠の女中へ,
手をついて謝って欲しい!」
見ている旅籠の女中へ,
手をついて謝って欲しい!」
作事奉行「御城代に,なにを申される!(怒)」
田島君 「いや…そうすれば,あの娘が下男に言うでしょう。
下男の…若者の正しい怒りが失われずに済む…」
田島君 「いや…そうすれば,あの娘が下男に言うでしょう。
下男の…若者の正しい怒りが失われずに済む…」
栗 「そうしてやってくれ,それであの若者は,
一生父親を誇りにして生きていくだろう」
一生父親を誇りにして生きていくだろう」
懐から帳簿を出す栗
松井田と作事奉行は…オサキに向かい,土下座して謝った。
小屋から出てきたオサキは,文吉のもとへ走る。
迎えに来た文吉と抱き合うオサキ。
迎えに来た文吉と抱き合うオサキ。
オサキ「文吉さん,お侍さんたち,手をついて謝ったのよ。
偉いわ,偉いわ,偉いわ…(感激)」
偉いわ,偉いわ,偉いわ…(感激)」
文 吉「うん,そうだとも,負けるもんか,
私の父は不正と戦って一生を終わったんだ。
世の中,悪いことが通用するはずがないんだ。
これでいいんだ…これが当たり前なんだ!」
私の父は不正と戦って一生を終わったんだ。
世の中,悪いことが通用するはずがないんだ。
これでいいんだ…これが当たり前なんだ!」
その後,宿場から去り,相変わらず野宿している栗たちは,文吉のことを思い出していた。
栗 「マンペーダンナ,二重帳簿で,どのくらい金が浮いていた?」
マンペ「ウン…半分ほど目を通しただけで…四~五千両と言ってたから,
全部でやっぱり一万両を超えるだろう」
全部でやっぱり一万両を超えるだろう」
栗 「一万両か…千両くらい,ユスレたかも知れんなァ 」
マンペ「まあな」
田島君「(笑)…千両ユスリ損なって野宿か…もっともあの若者…
一万両以上,楽しい気持ちだろうなあ」
一万両以上,楽しい気持ちだろうなあ」
オマケ…(ユスリ損なった,栗のダンナ)
「チッ!」…
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迎えに来る武士 2008/10/17
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ひぐらしの鳴く町
必殺パンチじゃありません。
「俺は用心棒」第22話
ヤクザから仕事を依頼される(※脇役でまた出てますな↑)
仕事の内容を聞くが,詳細を言わない男…
その代わり,仕留めれば料金は前金二両の倍は出すと言う。
取敢えず仕事を引き受ける栗。
仕事の内容を聞くが,詳細を言わない男…
その代わり,仕留めれば料金は前金二両の倍は出すと言う。
取敢えず仕事を引き受ける栗。
商屋の主・仁兵ヱと番頭の弥之助,供の手代・佐七は,商用で料亭に来ていた。残暑厳しい折,周囲では,ひぐらしの鳴き声がする。主人は,料理でも食べて,ゆっくりしていくよう番頭を通して佐七へ伝言するが,佐七は先に帰ることにする。急いで向かった先は,オセイという子持ちの女の家だった。
しかし,オセイは留守。近所のオバサンによれば,幼い男児が急病のため,遠方の医者へ診せに行ったとのこと。
佐七は,オバサンから聞いた医者のもとへ行くが,あいにく主治医は留守。見習い中の医者の卵によれば,オセイ親子は別の医者の所へ行ったという。男児の容態が良くないことを聞いた佐七は,更に道を急いで行く。
途中,釣へ向かう中年男に道を尋ねたところ,その男こそ医者本人であり,オセイ親子は来ていないという。途方にくれる佐七は,時間の経過に気付いて店へ戻ることにするが,走り回った勢いからか,草履の鼻緒が切れてしまう。近くの茶店へ向かった佐七は,そこで「子供を介抱した」というマンペーさんと田島君の話を耳にする。
田島君「一時は,どうなるものかと心配しましたが…」
マンペ「江戸にいた時分,近所の子が同じような具合になってな」
田島君「何事も経験ですね」
マンペ「天地正大流医術…見直しなさい。
ああいうときは,母親のほうが慌ててしまうからねえ…(略)」
田島君「何事も経験ですね」
マンペ「天地正大流医術…見直しなさい。
ああいうときは,母親のほうが慌ててしまうからねえ…(略)」
佐七は,マンペーさんたちに、その話はもしや、オセイ親子のことか…と尋ねる。
店の奥には,寝ている男児に付き添うオセイがいた。
安堵する佐七は,マンペーさんに礼を言おうとしたが,
茶店に彼らの姿はなかった。
安堵する佐七は,マンペーさんに礼を言おうとしたが,
茶店に彼らの姿はなかった。
オセイと子供が手数をかけた分,金を払う佐七。
茶店の主は,てっきり,オセイと佐七が夫婦であるものと勘違いする。
佐七はオセイに惚れており,オセイもまんざらではない様子だった。
茶店の主は,てっきり,オセイと佐七が夫婦であるものと勘違いする。
佐七はオセイに惚れており,オセイもまんざらではない様子だった。
その後,務めの店へ戻った佐七の前に,いきなり役人と番頭が現れ,
主人殺しを手引きした下手人として番屋へ連行されてしまう。
主人殺しを手引きした下手人として番屋へ連行されてしまう。
主人殺しの事件に遭遇し,危うく逃げ出した番頭の弥之助によれば,
佐七が浪人に頼んで主人を殺害させたに違いないという。
用向きの料亭から先に引き上げたきり,店に戻っていなかったことが何よりの証拠だと決め付けられてしまう。
佐七が浪人に頼んで主人を殺害させたに違いないという。
用向きの料亭から先に引き上げたきり,店に戻っていなかったことが何よりの証拠だと決め付けられてしまう。
役人から,どこへ行っていたのかと聞かれる佐七だが,オセイに会っていたことを言わずに黙秘する。
その頃、旅籠の店先にいた栗は…(どう見てもカッコ良すぎる…)。
そこへ来た田島君に,仕事を断ってきたことを話す。
そこへ来た田島君に,仕事を断ってきたことを話す。
栗 「前金貰って引き受けたが,
仕事を聞いてやめにした。
金を貰ってやる仕事ではない(笑)
前金返して,もとの無一文になったというわけだ」
仕事を聞いてやめにした。
金を貰ってやる仕事ではない(笑)
前金返して,もとの無一文になったというわけだ」
田島君「まあいいでしょう…
嫌な仕事をすることも,ありませんよォ…」
嫌な仕事をすることも,ありませんよォ…」
と,文句も言わず,栗と一緒に旅籠を出る(優しい田島君❤)。
どこかで野宿しようと夜道を歩く栗と田島君の前に,商屋の主人を殺害した浪人を手配するため,町方役人らの“浪人狩り”が迫る。マンペーさんも,どこかで浪士狩りに引っかかったらしい…と栗。ネグラのない栗たちは,進んで町方役人らと同道し,番屋へ向かう。
番屋では,捕縛された佐七が役人から取り調べを受けていた。そこへ来た栗と田島君は姓名を聞かれる…(栗ちゃま,役名をついに名乗る?!…)
が…田島君が佐七の顔をふと見て,茶店で会ったことを思い出す(浪人の栗…「キミの名は」…?誰も知らない)。
が…田島君が佐七の顔をふと見て,茶店で会ったことを思い出す(浪人の栗…「キミの名は」…?誰も知らない)。
少し遅れて番屋へ来たマンペーさんも佐七に気付き,茶店で会ったことを話すが,依然として沈黙を守る佐七。その後,役人は引き上げ,佐七も牢送りとなる。
栗たちは,ちょっと駄々こねて,一夜の宿に番小屋を借してもらえることになった。
田島君やマンペーさんは,佐七が何故,オセイ親子に会っていたことを言わないのか不思議がる。
栗は,ヤクザから持ちかけられた仕事を断った。
そのおかげ(?)で,「商屋の主人殺し」の下手人を知っていた。
そのおかげ(?)で,「商屋の主人殺し」の下手人を知っていた。
無実の佐七に罪を被せた黒幕の正体を聞き出すため,栗と田島君は,ヤクザの巣窟へ向かう。
マンペーさんは、茶店で男児を介抱したときにオセイから聞いた住まいへ向かった。そこで佐七が主人殺しの下手人として捕まったことを話す。オセイは狼狽し,殺害された商屋の主人の子を身ごもって生まれた男児のことや,主人を殺したいほど憎んでいたこと,佐七が親身になって面倒を見てくれたことなどを打ち明け,佐七の無実を晴らすため,番屋へ行って全て証言すると言う。
商屋の主人とオセイとの関係が明るみになれば、母子ともにひどく傷つくことを案じ,清七は事の次第を隠していた。
栗と田島君は…
ヤクザのトモゾーのいる居酒屋へ乗り込むと,
トモゾーから依頼されて商屋の亭主殺しを実行した浪人たち諸共,
軽くノシちまったあと,裏で手引きしていた黒幕のもとへ向かう。
トモゾーから依頼されて商屋の亭主殺しを実行した浪人たち諸共,
軽くノシちまったあと,裏で手引きしていた黒幕のもとへ向かう。
(また勝手に侵入…)
黒幕は…
商屋の店の番頭,弥之助だった。
商屋の店の番頭,弥之助だった。
愕然とする商屋の女将に,主人の隠し子の事を暴露し始める弥之助,
だが!…弥之助が一番ヤバいことを言う直前に,
田島君がバッサリ斬ッちまった…。
だが!…弥之助が一番ヤバいことを言う直前に,
田島君がバッサリ斬ッちまった…。
田島君「行きがけの駄賃に…人を不幸せにすることはない…」
と言い残し,引き上げる田島君と栗。
そして,茶店に寄った栗たちは…ひぐらしの声を聞きながら,また何処かへ出立する。
栗 「行こう…」
マンペ「あの手代…店には戻らんかも知れんなァ。
一生,他人の子供を自分の子供のように育てるかも知れん…」
一生,他人の子供を自分の子供のように育てるかも知れん…」
田島君「それでも,幸せと思えば,それでいいんでしょう。
でも…本当に一番気の毒なのは…,
主人のことを知らないままの,
あの店の女将かも知れませんね…」
でも…本当に一番気の毒なのは…,
主人のことを知らないままの,
あの店の女将かも知れませんね…」
その後,佐七は,オセイと子供を連れて城下を去って行った。
一度に主人・番頭・手代を失くした商屋の女将が,その後も店を続けたか否か…栗たちが知る由もない。
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❤栗ちゃま用心棒,男のイロケ全開!❤
君側の奸(くんそくのかん)
「君側」は「君主のそば」。「奸」は正道を犯す,邪悪である,よこしま,邪悪な人の意。「君側の奸」=君主のそばにいる邪悪な臣下のこと (奸臣・奸物・奸計)。
「君側」は「君主のそば」。「奸」は正道を犯す,邪悪である,よこしま,邪悪な人の意。「君側の奸」=君主のそばにいる邪悪な臣下のこと (奸臣・奸物・奸計)。
側用人(そばようにん)
側用人とは,諸藩に置かれた役職名のことを指す。
側用人の正式名称は,「御側御用人(おそばごようにん)」という。
厳密には全国諸藩に統一的に見られた役職ではなく「御側(おそば)」と呼称されることもあった。藩主にも公私の別があり,藩・主家の家政を総覧したのが側用人である。藩主または藩主の嫡子の秘書的役割をすることもあったとのこと。江戸幕府では,老中より側用人の方が権勢をふるったこともあったが,諸藩にあっては,家老より側用人のほうが権勢をふるったという例は,まずないという。しかし,その職責の性格から,家柄が特別に高くなくても藩主からの信頼が厚い,有能な側近が任じられるケースが多く,重責であった。
『俺は用心棒』第21話
側用人の井口が城下の夜道で斬殺された。
斬ったのは大島ほか若侍九名。
斬ったのは大島ほか若侍九名。
事件の一報は,その夜のうちに大島の上役・村井や家老のもとに届く。
かねてから君主の寵愛を受け,藩政を牛耳っていた,いわゆる「君側の奸」である側用人の斬殺は,藩の重臣らの間でも暗黙の諒解事として秘密裡に話し合われていたことであったが,側用人斬殺事件に,ことのほか激昂した君主の意向により,下手人を捕えねばならない事態となる。
かねてから君主の寵愛を受け,藩政を牛耳っていた,いわゆる「君側の奸」である側用人の斬殺は,藩の重臣らの間でも暗黙の諒解事として秘密裡に話し合われていたことであったが,側用人斬殺事件に,ことのほか激昂した君主の意向により,下手人を捕えねばならない事態となる。
そうとは知らず,城下外れの神社に集まり奇声を上げる大島ら郎党の侍たち。彼らは城下から使者が来るのを待っていた。
が,そこに来たのは栗だった。
が,そこに来たのは栗だった。
酒を分けて貰いに来た栗だが,
「何者だ!」と聞かれ,「名乗る必要はない」と,いつもの返答。
近くのミコシ小屋に,マンペーさんと田島君がいる。
田島君「随分,違うもんですね」
マンペ「あン…?…何がだね?」
田島君「向こうは天下を取ったつもりで奇声を上げている。
こっちは酒をねだる宿無し者…差がつきますね」
こっちは酒をねだる宿無し者…差がつきますね」
マンペ「ま…やむを得んよ。栄枯盛衰は,世の習いだからね」
デカい態度で酒を分けて貰いに来た栗だが,
栗 「酒代のかわりに,ひとつだけ気づいたことを言っておく。
オヌシたち…城下で何をやってここに集まってきたのかは
知らんが,世間は,オヌシたちが考えるほど甘くはない。
生まれて初めて人を斬った時は…誰でもそうだが,
まともな思慮分別を失う。それだけ忠告しておく…,
邪魔をしたな」
オヌシたち…城下で何をやってここに集まってきたのかは
知らんが,世間は,オヌシたちが考えるほど甘くはない。
生まれて初めて人を斬った時は…誰でもそうだが,
まともな思慮分別を失う。それだけ忠告しておく…,
邪魔をしたな」
大島たちは,栗が小ざかしいこと言ったんで,「チックショー!」と酒をあおる。
小屋へ戻ってきた栗。
マンペ「おお…どうした?…何か,もめていたようだが…」
栗 「なに…ちょっと親切に言ってやったまでだ」
マンペ「そう,世の中みんな親切,持ちつ持たれつ,いいことだねえ。
では…ゆっくり酒を飲みましょう」
では…ゆっくり酒を飲みましょう」
田島君「ンフ(笑)…いい気なもんですね」
マンペ「うん,我ながら,そう思ってるよ…(外を見て)
お,誰か来たね,はは~,多勢来たぞ」
お,誰か来たね,はは~,多勢来たぞ」
田島君「要するに,ヤジウマでしょ?」
大島らを激励に来た若侍たちも,側用人斬殺については知っていた模様。「家老・番頭・目付役,既に事前に手は打ってある」と高笑いする大島。
大 島「どこかの流れ浪人者が小ざかしい忠告などを申しておったが,
下賎の者に我らの志など,わかるものではないワッ!」
下賎の者に我らの志など,わかるものではないワッ!」
と,小屋の栗たちへ聞こえよがしに豪語する。
マンペ「おっ…だいぶ奇声を上げてるな」
栗 「まだ暫くは,調子に浮かれているだろう」
田島君「酒樽…かがり火…陣中将棋,
ひのき舞台を踏んでる気持ちなんでしょう」
ひのき舞台を踏んでる気持ちなんでしょう」
栗 「ああ…」
一方,大島の上役:村井の屋敷には,妻「八重」の実兄である目付役が訪れていた。目付役と村井は,側用人斬殺の下手人が大島であると知りながら,隠ぺい工作を密談していた。
「大島とは別に下手人を作れば良い」
「実際に斬ったのは大島ではない」
「実際に斬ったのは大島ではない」
ということにし,村井から妻の八重にも,
「大島は屋敷にいたことにする」と言い含める。
村井は,妹の美津と大島の婚礼が近いこと,妻八重が家老と縁者であることから,万一,事が明るみに出れば,大島の切腹ならびに御家断絶は免れず,ひいては村井家ほか家老たちにも処分が及ぶため,徹底的に事件を隠蔽することにした。しかし,このことを座敷の裏で聞いていた村井の妹・美津は愕然とし,途方にくれる。
再び栗たちがいる小屋付近の神社。
激励に来た侍たちのもとへ,即刻屋敷へ戻るよう目付役の配下から指示が出た。情勢が俄かに変わったことに気付き、動揺の色を見せる侍たちの動向を,こっそり見物しているマンペーさんたち…
激励に来た侍たちのもとへ,即刻屋敷へ戻るよう目付役の配下から指示が出た。情勢が俄かに変わったことに気付き、動揺の色を見せる侍たちの動向を,こっそり見物しているマンペーさんたち…
マンペ「お?…だいぶ情勢が変わってきたぞ」
栗 「二度目の酒は,そう容易く入るまい」
マンペ「だろうね…」
田島君「まだ飲むんですか?…うっかりすると,
おかしなことに巻き込まれますよ」
おかしなことに巻き込まれますよ」
栗 「心配するな」
上役の村井は密かに大島のもとへ来て,領主の怒りが激しいため,屋敷へ戻るよう忠告する。「君側の奸」を抹殺することは,家老たちも暗黙の諒解であったため,予期せぬ事態に大島は狼狽する。
村井から「別の下手人を仕立て上げる」ことを聞いた大島は,事件に加担した主要な侍たちや,懇意の従者らを次々に引き上げさせた。
目付役は,神社に残された従者四人を「側用人斬殺の下手人」として召捕るべく手配する。
目付役は,神社に残された従者四人を「側用人斬殺の下手人」として召捕るべく手配する。
朝になり,情勢が変わった侍たちの様子を,いち早く察する田島君。
田島君「酷いもんですねェ,主人たちは…,
気に入りのお供だけを連れて帰りましたよ」
気に入りのお供だけを連れて帰りましたよ」
マンペ「フ~ン…そォかあ…」
栗 「どうやら,夜が明けると同時に
夢から覚めたようだな(笑)」
夢から覚めたようだな(笑)」
田島君「夢から覚めたのはいいが…
置き去りにされた者は,どうなるんだろう…」
置き去りにされた者は,どうなるんだろう…」
やがて召捕りに来た目付役の前で,足軽の従者たちは「事件と無関係だ」と訴えるが,目付役は聞き入れない。
そこへ,シャシャリ出たのは田島君と栗たち。
宵の口から一部始終見ていたことを話すが…,
宵の口から一部始終見ていたことを話すが…,
目付役「黙れ!素浪人如きが口出しすることではない!」
で…アタマにきた栗たちは,やむを得ず役人たちを叩きのめす。
その頃,村井の妹・美津は,大島との縁談は無かったことにして欲しいと兄へ申し出る。
美津は,大島が側用人を本当に斬ったというのであれば,
堂々と名乗り出て,最後まで責任をとるものだと訴える。
しかし村井は,名乗り出れば大島は切腹・御家は断絶,
関係者も処罰を受けると言って,隠蔽方針を変えようとはしない。
堂々と名乗り出て,最後まで責任をとるものだと訴える。
しかし村井は,名乗り出れば大島は切腹・御家は断絶,
関係者も処罰を受けると言って,隠蔽方針を変えようとはしない。
役人を片付けたあと,従者らと一緒に国境まで行った栗たち。だが,身寄りの無い独身の従者・弥平だけは,城下へ戻ると言う。
別に無実の者が捕えられるのであれば,自分が下手人として名乗り出ると言う。この弥平は,大島の屋敷の従者で,身分の低い足軽侍であった。
田島君「しかし…だからと言って,オヌシが罪を引き受けることはない」
栗 「よし,俺が一緒に城下に付いて行ってやる」
弥 平「しかし…そんなことをすれば,ご浪人様が…」
栗 「なあに,心配するな,滅多に身代わりなどにはされん。
ただ…酒の礼を言うだけのことだ」
ただ…酒の礼を言うだけのことだ」
マンペ「こういうことになるなら,もう二~三べん,
酒を貰っとくんだったなあ…」
酒を貰っとくんだったなあ…」
村井の屋敷では,下手人の替え玉を作る計画が栗たち浪人に邪魔されて失敗したため,「側用人を斬った者をなんとか作らねばならん!」と困惑していた。
美 津「それほど無理をしてまで偽りの下手人を作り出すのでしたら
私が名乗り出ましょうか?」
私が名乗り出ましょうか?」
美津の口調は冷ややかだった。
折しも,「殿の許しが出た!」と,家老が喜び勇んで村井の屋敷へ来る。
奥へ引き上げた美津は,一連の騒動に呆れ果てたように笑う。
奥へ引き上げた美津は,一連の騒動に呆れ果てたように笑う。
やがて,正装した大島と道端で行き合う弥平と栗たち。
大 島「俺は今から登城する! お褒めのお言葉を賜るのだ!」
大島は情勢が変わったことを弥平に告げ,意気揚々と去って行く。
マンペ「ン?…どうやら様子が変わったらしいぞ」
田島君「また天下を取ったように浮かれてるンでしょ」
栗 「行こう。殿様の言葉ひとつで
家来たちは青くなったり赤くなったり,忙しいことだ」
家来たちは青くなったり赤くなったり,忙しいことだ」
弥平が大島の身代わりになる必要は無くなった。
生死を懸けた緊張が一気に解けると同時に,忠誠心の糸も切れたように,
弥平はその場へ刀を捨てた。
生死を懸けた緊張が一気に解けると同時に,忠誠心の糸も切れたように,
弥平はその場へ刀を捨てた。
道すがら騒動を振り返る栗たち。
田島君「しかし,あれだけの城下に本当の侍は,いないもんですねェ」
マンペ「ああ,いるとすれば,あの足軽ぐらいのもんだろう」
田島君「しかし,あの男…あのまま屋敷へ帰りますかね?」
栗 「おそらく,帰るまい」
美津は村井の屋敷を出て,行方知れずとなった。
その後,道中の茶店で,旅姿の弥平と出会う美津の姿があった。
「侍の家に愛想がつきた」と言う美津は、弥平と共に茶店を出て城下を去る。
主人を捨てた足軽と,その主人に嫁ぐはずだった美津の行方は,誰も知らない。
栗たちも…暑さと睡魔の中…
どれだけ蚊にさされたか…誰も知りっこないやね。
廻り灯篭
茂みの中から登場する栗ちゃま❤お陽様の下でも眩し~E男❤
彼のモットーは
『俺は用心棒』第20話
ヤクザの用心棒を一旦引き受けた栗のダンナだったが,
「面白くない仕事」だからって,すぐおりちゃった。
「面白くない仕事」だからって,すぐおりちゃった。
懐から前金で受け取った小判を出し,
ヤクザへ返す栗 (お金だけ名残惜しい…)。
ヤクザへ返す栗 (お金だけ名残惜しい…)。
(チュッ!…イロッポすぎ!注※接吻はしてないヨ↑)
用心棒のクチは,傍で待機していた別の浪人が引き受けた。
小ぢんまりとした旅籠の女将・オシズは,昨年より多く祭りのご祝儀(寄付金)を出すよう主(義理の父)から言われる。かつて「若松屋」という料亭を営んでいた主は,いまや病気がちで,オシズが身の回りの世話をしていた。若松屋が繁盛していた頃,主の息子(若旦那の弥之助)が手を付けたのが,女中のオシズだった。孕んだ子は生まれたものの早逝した。
見栄っ張りで頑固者の主は,いつも我侭放題で,オシズを女中なみに扱い,事あるごとにオシズの行動を卑下する有様であった。息子の弥之助は上方へ板前の修業中で,オシズの切り盛りする旅籠には,若松屋時代からの下男(使用人)・茂市や,デカい態度でクチの減らない年増の女中がいた。
高齢の茂市はオシズを気遣い,店のことは女将の思うとおりにやるよう励ます。一方,オシズが「玉の輿」であることを気に入らない古ダヌキの年増女中は,来客(ヤクザたち)にも平気で「女将の過去」をベラベラと話して憚らなかった。客のヤクザたちは,上方にいる弥之助が起こした件で金を取立てようと,宿を偵察に来ていた。
居酒屋で,栗の帰りを待っていたマンペーさんは,退屈しのぎに外へ出て,そこにいたオヤジの前で神楽囃子を踊ろうと,変なヤッコ踊りを披露する。
じきに居酒屋へ来た栗は,オモシロくない仕事を断ってきたことを話し,酒を飲む。田島君は,神楽囃子に惹かれて神社の境内へ行っちゃった。
(まるで子供のようなオトコだ… ^^) _旦~~)
(まるで子供のようなオトコだ… ^^) _旦~~)
(子供と一緒に楽しそう。)
その後,栗たちは,オシズの旅籠に行く。
旅籠の下男・茂市には,細工職人の幸吉という息子がいた。
オシズは旅籠の裏庭で,幸吉から手作りの廻り灯篭を貰う。
無地の灯篭に何か絵でも描くよう言われるオシズ。
幸吉によれば,昔の思い出を描くご隠居もいるという。
オシズは「昔に良い思い出などない」と呟く。
幸吉は,そんなオシズの様子に心を痛める。
旅籠の下男・茂市には,細工職人の幸吉という息子がいた。
オシズは旅籠の裏庭で,幸吉から手作りの廻り灯篭を貰う。
無地の灯篭に何か絵でも描くよう言われるオシズ。
幸吉によれば,昔の思い出を描くご隠居もいるという。
オシズは「昔に良い思い出などない」と呟く。
幸吉は,そんなオシズの様子に心を痛める。
その頃,若旦那の弥之助は板前修行をやめ,ヤクザに転身してバカダンナと化していた。ヤクザの間で女絡みのモメ事を起こした弥之助は,なんとか金で解決しようと,仲間と一緒に上方から戻ってきた。弥之助を町中で偶然見かけた幸吉は,急いで茂市へ知らせる。
ちょうどオシズの旅籠では,ヤクザから二十両の金を出すよう要求されていた。金の根拠として,弥之助直筆の手紙を突きつけられた。
宿場の小さな旅籠の営みでは,まとまった大金を出す余裕はない。
主はヤクザに落ちぶれた息子のために金を出すことを拒む。
やがて弥之助本人が金を貰いに,ヤクザたちを連れて来た。
宿場の小さな旅籠の営みでは,まとまった大金を出す余裕はない。
主はヤクザに落ちぶれた息子のために金を出すことを拒む。
やがて弥之助本人が金を貰いに,ヤクザたちを連れて来た。
使用人の茂市は,弥之助がヤクザ連中のことを幸吉から聞いていたため,仕方なく,旅籠に居合わせた栗たち(強そうな素浪人)に,事情を話す。
先程,栗が断ってきた仕事は,旅籠へ詰め掛けたヤクザたちからの依頼だった。栗は既に旅籠で起こっている騒動の一部始終を知っていた。
弥之助とヤクザらに脅迫され,困惑するオシズを茂一が庇う。すると,
弥之助「下男のくせに,口出しするな!」
と,弥之助は聞く耳を持たない。茂一はたまらず,
茂 市「オシズさんに苦労ばっかりかけて,
覚えたのは女をつくることばっかりか?」
わしは知っている,この宿場にも,その女は来ていることを!」
覚えたのは女をつくることばっかりか?」
わしは知っている,この宿場にも,その女は来ていることを!」
と怒りをあわらにし、更に
茂 市「二十両でヤクザの親分と話がついたら,
女を返して貰うつもりだろう!」
女を返して貰うつもりだろう!」
と弥之助に言い放つ。
茂市の指摘は図星であったらしく,弥之助は激怒して茂市に掴みかかる。それを幸吉が突き飛ばす。
弥之助「くッそお~! 下男のコセガレのくせしやがって!」
「ほざくな!」…と,階段から登場したのは栗のダンナ。
栗 「下男のコセガレでも,貴様よりは,人間はできている」
親分ヤクザの決まり文句がとぶ。
親 分「なんだ? テメーワ…?」
栗 「取引は,水に流したはずだ」
と,フテブテしく答える。
親 分「テメエ…邪魔だてする気かあ?」
(栗たちは“うん,そうだも~ん!”…ってことで乱闘開始。)
弥之助もヤクザたちも,栗たちに叩きのめされてオダブツ。
騒動の中,主は,こっそり隠しておいた身銭を持って,旅籠の裏から逃げ出した(実は,病気のフリしてやがったのだ)。それを,栗と交代でヤクザから仕事を引き受けた浪人ヤローが追い詰める。主は財布を出して命乞いをするが,浪人ヤローは容赦なく主を斬り,金をもって逃げた。
その後,女をはべらせて大酒くらってる浪人ヤローのもとへ栗たちがデバって行くと,
(ド迫力の三人組!)
浪人ヤローは慌てて,
ヤロー「待ってくれ! 金は山分けにする…全部で二十三両ある!
従って分け前は十一両ずつ!」
従って分け前は十一両ずつ!」
と,ホザキいて財布を出す…かと思えば刀抜きやがった…!
で…アララ~ザンバラヤ…ドン・グリ・ズビュ(クリギリ三連発)!
カネにまみれた汚い顔をさらしながら,浪人ヤローはオダブツした。
散らばった金を拾い上げるマンペーさんに問いかける田島君。
田島君「二十両あれば,セガレは助かったんでしょう?
年寄は,セガレよりも金の方が大事だったのかなあ」
年寄は,セガレよりも金の方が大事だったのかなあ」
マンペ「あ~ン?…そうではあるまい。
つまり嫁が何とかすると思ってたんだろ」
つまり嫁が何とかすると思ってたんだろ」
田島君「なんとかするって…?」
マンペ「ヤクザは(旅籠に)金が無かったら,
代わりに嫁さんを連れてくだろう?」
代わりに嫁さんを連れてくだろう?」
田島君「そんなァ…それではまるで,
自分の嫁だとは思っていなかったのと同じことですね」
自分の嫁だとは思っていなかったのと同じことですね」
マンペ「ま…そういうことだな」
栗は,じっと廻り灯篭を見つめていた…(硬い表情が少しずつ緩む)。
栗たちが去った後…
「過ぎたことは忘れろ」という文言が書かれた廻り灯篭が置かれていた。
オシズは,その廻り灯篭を,じっと見つめる…
そこへ幸吉も来て,オシズを励ます。
オシズの頬には,うっすらと笑みが浮かんでいた…
そこへ幸吉も来て,オシズを励ます。
オシズの頬には,うっすらと笑みが浮かんでいた…
「過ぎたことは忘れろ」…
祭囃子が聞こえる頃,旅籠は閉じられていた。
使用人の茂市も,遠い町で所帯を持った幸吉のもとへ向かったらしい。
使用人の茂市も,遠い町で所帯を持った幸吉のもとへ向かったらしい。
消えた銃声
今回は,無鉄砲な田島君の活躍が激烈!
普段は優しい田島君。
でも,一旦怒ると誰にも止められない…。
怖ェ~。
普段は優しい田島君。
でも,一旦怒ると誰にも止められない…。
怖ェ~。
※メモ 「郷士(ごうし)」
江戸時代,武士の身分のまま農業に従事した者。また,武士の待遇を受けていた農民。平時は農業,戦時には軍事に従った。
江戸時代,武士の身分のまま農業に従事した者。また,武士の待遇を受けていた農民。平時は農業,戦時には軍事に従った。
『俺は用心棒』第19話
居酒屋の爺さんと近くの池まで出かけた田島君。
仕掛けた罠にかかったドジョウを取りに来た爺さんは,
連れ合いの婆さん(妻)と四十年近い歳月,
二人きりで仲むつまじく暮らしていた。
仕掛けた罠にかかったドジョウを取りに来た爺さんは,
連れ合いの婆さん(妻)と四十年近い歳月,
二人きりで仲むつまじく暮らしていた。
折から城下の家老の息子・富岡弥四郎は,配下の者一名と,村の郷士である「タカクワ周平」を連れ,池のそばで新型猟銃の試し撃ちを始める。
ところが,運悪く手元が狂い,ドジョウをすくっていた居酒屋の爺さんを直撃…。
ところが,運悪く手元が狂い,ドジョウをすくっていた居酒屋の爺さんを直撃…。
爺さんは即死。
田島君は誰が撃ったのかを確かめに,近くの雑木林を探すが…,
田島君は誰が撃ったのかを確かめに,近くの雑木林を探すが…,
(マ,マズい…キレそう…)
銃を撃った富岡らは逃げていた。
忘れたらしい陣笠がひとつ,
木の枝に吊るされていた。
居酒屋へ戻った田島君は,嘆き悲しむ婆さんから
陣笠の家紋が村の郷士「タカクワ」のものであると聞く。
忘れたらしい陣笠がひとつ,
木の枝に吊るされていた。
居酒屋へ戻った田島君は,嘆き悲しむ婆さんから
陣笠の家紋が村の郷士「タカクワ」のものであると聞く。
田島君は,早速,タカクワの屋敷へ出向いて行く。
(ヤバッ!…人相,変わってる…アブアブ…。)
(ヤバッ!…人相,変わってる…アブアブ…。)
同じ頃,郷士「タカクワ周平」は,陣笠を雑木林の中に忘れたことを思い出して取りに行った。行き違いに屋敷へ着いた田島君は,周平の妻オコウと面会し,帰りを待つことにした。オコウから,陣笠を持って来た理由を尋ねられた田島君は,
田島君「村の…池の近くの雑木林にあった。
池のほとりには,居酒屋のオヤジがいた。
そして…雑木林の中で撃たれて鉄砲で死んだ」
(「雑木林の中から鉄砲で撃たれて死んだ」…だよね?)
池のほとりには,居酒屋のオヤジがいた。
そして…雑木林の中で撃たれて鉄砲で死んだ」
(「雑木林の中から鉄砲で撃たれて死んだ」…だよね?)
動揺するオコウ。
田島君「撃った者は逃げた。そのあとに,この陣笠だけがあった」
オコウは,「亭主がやったのではない」と言うが…,
田島君「では,誰が撃ったんだ,他に誰かがいたとすれば,
それは誰だッ!」
それは誰だッ!」
口ごもるオコウ。
田島君「それを私は尋ねに来た!」
ちょうどそこへ,村の長老たちが「富岡」という侍を訪ねて来た。
田島君は咄嗟にその「富岡」が,銃を撃ったのだと察する。
田島君は咄嗟にその「富岡」が,銃を撃ったのだと察する。
田島君「富岡…何という侍だ!」
オコウ「主人は…主人は,ただ,お供しただけでございます」
田島君「そんなことを聞いているのでない!
撃った侍のことを聞いているんだ!」
撃った侍のことを聞いているんだ!」
(コケシのようにカワイイ田島君の顔が…モーレツ激怒顔に変貌!)
(ゴワワ~ッ!)
村の長老が連れ立って来たことから,富岡が城下の上役だろうことを予測する田島君。
田島君「だからといって…ひとひとり撃ち殺して,
素知らぬふりをしていいと思うのか!
殺された男は居酒屋のオヤジだ。
居酒屋のオヤジなら…
鳥やケダモノ(獣)のように撃ち殺してもいいというのか!」
素知らぬふりをしていいと思うのか!
殺された男は居酒屋のオヤジだ。
居酒屋のオヤジなら…
鳥やケダモノ(獣)のように撃ち殺してもいいというのか!」
オコウ「いいえ,違います,決してそんなことは思っておりませぬ」
田島君「では…,何故,黙っていた!」
オコウは,周平が近い将来,富岡から昇進の待遇を受ける身であることを思い,富岡の名前を言い出せない。
田島君「城下に行って,富岡という侍に会ってくる!
それまでこの陣笠,預かっておく!」
それまでこの陣笠,預かっておく!」
と,言い残し,勢い富岡に会うため城下へ向かう。
タカクワ周平は,田島君が陣笠を持って出て行くのを見かけ,オコウにその訳を尋ねる。田島君の行き先が城下の富岡の屋敷であることを知った周平は,オコウが止めるのを振り切り,新式銃を持って出て行こうとする。
と,入り口から栗とマンペーさんがズカズカと侵入してくる。
周 平「何者だ…」
栗 「その鉄砲,どうする気だ」
周 平「な…なにィ…」
栗 「鳥,ケダモノの代わりに,また人間一人,狙い撃ちにする気か」
周平 「クッソォ…」
と,栗を撃とうとする周平…,
だが,間一髪で,周平をミネウチで倒す栗。
オコウは絶句。周平は気絶。
栗 「心配するな,俺は人間一人,意味もなく殺しはせん」
マンペ「水でもブッかけなさい,すぐ気がつく」
マンペーさんは,新式銃を拾い上げ,真新しさに関心を示す。
富岡が屋敷で新式銃の自慢話をしていると、田島君が訪ねてきた。面談した富岡は,「撃ったのはタカクワである」として周平に罪を被せ,すぐに「タカクワと会って償いをさせる」と支度を装い田島君を待たせた。富岡は,「(田島君が)ひとりで屋敷へ来た」ことを配下の者に確認し,口封じに抹殺するよう家来に襲撃させる。
応戦する田島君。
田島君「罪のない家来を斬ったところで何もならん…ミネウチだ!
富岡弥四郎に言っておく,
私はオヌシを斬りに来たのではない!
ただ…,居酒屋のオヤジを撃ち殺した…
その罪を償えと言いに来たんだ!」
富岡弥四郎に言っておく,
私はオヌシを斬りに来たのではない!
ただ…,居酒屋のオヤジを撃ち殺した…
その罪を償えと言いに来たんだ!」
田島君の迫力に気圧された富岡や家来の者は,「ワザとでなく,試し撃ちの際,手許が狂い,誤って老人に当たったのだ」と言い逃れをするが,
田島君「なら…,何故,そのとき,手をついて謝らん!
居酒屋の老婆に許しを請わんのだ!」
居酒屋の老婆に許しを請わんのだ!」
たたみかける田島君に逆上した富岡は,家来に討ち取るよう命じる。
田島君 「やむを得ん…」
と,刀を返し,富岡の右肩から腕を斬り落とす。
猛烈に騒ぎ立てる富岡は,駆けつけた父親の家老に,「銃を撃ったことを他言したタカクワのせいだ!」と訴える。
田島君は,富岡の屋敷から居酒屋へ引き上げる途中,呟く…
田島君「死んだ年寄は…かえっては来ない。
結局…何にもなりやしない…」
結局…何にもなりやしない…」
と,陣笠を道端に投げ捨てる。
居酒屋の婆さんは,亭主の死を受け入れられず放心状態。
仕方なく,栗たちも出立した…。
道すがら,タカクワの屋敷へ富岡の家老一行が向かうのを見た栗たちは,
そのあとを追う。
そのあとを追う。
タカクワの屋敷へ着いた富岡の父親家老は,周平を連行しようとする。
と…,「待てェ…」と栗の声が…。
家 老「何者だ」
栗 「見るとおりの浪人者だ」
家 老「素浪人如きが…下がれッ!」
栗 「大きな顔をするな。
それでもここを預かる家老か。
出来損ないのセガレが『カタワ者』になっただけで
逆上するようでは,
幾百,幾千の城下の者たちの示しがつくまい」
それでもここを預かる家老か。
出来損ないのセガレが『カタワ者』になっただけで
逆上するようでは,
幾百,幾千の城下の者たちの示しがつくまい」
家 老「黙れ! 討ち取れ!」
(ときたもんだけど…所詮,相手になりまへ~ん。)
栗 「セガレがそれほど 可愛ければ,よおく考えてみろッ
長年連れ添ってきた,
たったひとりの年寄を亡くした老婆の気持ちは…,
貴様にも,よおくわかるはずだ」
長年連れ添ってきた,
たったひとりの年寄を亡くした老婆の気持ちは…,
貴様にも,よおくわかるはずだ」
それでも家老らは,抵抗する。
マンペ「待ちなさい,わからんければ…
鉄砲ズドンと一発,撃ってみようか?
居酒屋の爺さんは,この鉄砲で撃たれて死んだ。
撃ち殺した奴は,手許が狂ったのかも知れん。
しかし,死んだものは死んだんだ…俺もひとつ,
手許を狂わすかな…」
鉄砲ズドンと一発,撃ってみようか?
居酒屋の爺さんは,この鉄砲で撃たれて死んだ。
撃ち殺した奴は,手許が狂ったのかも知れん。
しかし,死んだものは死んだんだ…俺もひとつ,
手許を狂わすかな…」
と,鉄砲を家老に向けるマンペーさん。
家 老「危ない! やめろ!」
マンペ「サア~…試し撃ちだからね,どこへ飛ぶかわからんよ」
家 老「ま,待て!…しばらく待て!」
栗 「待ってどうするのだ」
家 老「オヌシたちの条件を聞こう」
栗 「笑わせるな! 人間ひとり,生き返ると思っているのか!」
銃声!…(マンペーさん,一発,ドカンと撃った)。
マンペ「もう一尺,手許が狂ったら…オヌシ,一巻の終りだったな。
連発銃の威力を見せてやろうか」
連発銃の威力を見せてやろうか」
家 老「ウッ…待て!…謝る!…どうすれば気が済むのだ!」
栗 「知らん…残された婆さんに聞いてみろッ,
もっとも,婆さんは,会ってはくれんだろう…」
もっとも,婆さんは,会ってはくれんだろう…」
池のほとりでは,爺さんが仕掛けたウナギがかかっている。
それを,ぼんやり見つめる田島君がいた。
それを,ぼんやり見つめる田島君がいた。
タカクワ周平の妻オコウは夫のもとを去り,
栗たちもその地を去った。
栗たちもその地を去った。
銃はあとで金銭に換えられ,飛脚によって居酒屋の婆さんのもとへ届けられたが…
婆さんは,爺さんの亡骸の傍で,座ったまま息絶えていた。
稲妻の中に
「飛んで火に入る夏の虫」
●お話も,残すところあと8話程…。
予算があまり無いせいか,栗ちゃまたちは野宿が多く,
ゴロゴロと寝転がっていることが多いノラね~。
お顔も,膨らんだり,萎んだり…忙しそうだけど…
暗闇に浮かび上がる栗ちゃまの横顔は芸術的に美しいノラ~!
『俺は用心棒』第18話
予算があまり無いせいか,栗ちゃまたちは野宿が多く,
ゴロゴロと寝転がっていることが多いノラね~。
お顔も,膨らんだり,萎んだり…忙しそうだけど…
暗闇に浮かび上がる栗ちゃまの横顔は芸術的に美しいノラ~!
『俺は用心棒』第18話
真昼の竹林の中で,商人の男・佐平が,旅の渡世人・民次郎に襲われた。
その頃,祠(ホコラ)の中で野宿していた栗たちは,
ヤクザの「陣蔵」親分一味にネグラを囲まれる。
ヤクザたちは“ある女”を捜していた。
栗たち浪人が,女をかくまっているのではないかと勘違いするヤクザ。
ヤクザの「陣蔵」親分一味にネグラを囲まれる。
ヤクザたちは“ある女”を捜していた。
栗たち浪人が,女をかくまっているのではないかと勘違いするヤクザ。
祠の中では…
栗 「マンペーダンナに頼んでくれ,話がついたら,
ついでに酒の一升も手に入らんか…ってな」❤
ついでに酒の一升も手に入らんか…ってな」❤
田島君「その辺,抜かりは無いと思いますがね」
祠の外に出たマンペーさんは,親分の陣蔵から「刀を抜け」と促される。
マンペ「そんなもの(刀)はいらん,置いてある」
陣 蔵「素手の人間,叩ッ斬るわけにはいかねえ,取って来い」
マンペ「取って来いったって,江戸に置いてあるんだよ,
生き返り何十日もかかるんだよ,
第一,質屋の利息だけでも十何両になってるはずだ。
いくら顔馴染みでも,おいそれと出してくれんよ」
生き返り何十日もかかるんだよ,
第一,質屋の利息だけでも十何両になってるはずだ。
いくら顔馴染みでも,おいそれと出してくれんよ」
陣 蔵「てめえ…一体,どこの,誰だいッ?…」
マンペ「天地正大流柔術師範・品田万平。
同行の二人は,故あって浪々の姿をしているが,
当流派の列記とした客人である」
同行の二人は,故あって浪々の姿をしているが,
当流派の列記とした客人である」
陣 蔵「それが…なんでこんな所にいるんでえ…」
マンペ「イワク…コーウン(行雲)リュースイ(流水)の心境である」
陣 蔵「…?…」
マンペ「つまり,天空を行く雲,山野渓谷を流れる川水の如く,
物に応じて事に従い,一切の執着を持たないこと」
物に応じて事に従い,一切の執着を持たないこと」
何がなんだかわらない説明を聞いたあと,丁重に謝る陣蔵。
祠の中では…,
田島君「交渉は,長引きそうですね」
栗 「本人は,夏の夜の暇つぶしのつもりだろう」
田島君「あ…一緒に行っちゃいますよ…」
栗 「(笑)人質として連れ去られたのだろう」
田島君 「よそ見にはそう見えるでしょうねェ…」
周辺では風が強くなり,雷鳴が轟く。
(❤なんとなく,おテテがカワイイ栗ちゃま❤)
やがて祠の中へ,オユウという旅姿の女が入って来る。
オユウは,栗たちが「自分の用心棒」ではないかと勘違いする。
人違いではないかと田島君から言われたオユウは,早々に出て行ってしまう。
オユウは,栗たちが「自分の用心棒」ではないかと勘違いする。
人違いではないかと田島君から言われたオユウは,早々に出て行ってしまう。
田島君「でも…おかしな夜ですね,ヤクザに間違えられたり,
女に間違えられたり…」
女に間違えられたり…」
栗 「多分…稲妻のせいだろう」
田島君「また人違いが来るといけない,明るくしときましょう」
栗 「そのかわり…別なものが来るかも知れんぞ」
田島君「別なもの?…」
栗 「昔から,夏の虫は,自分から火の中に飛び込んでくる」
田島君「なるほどね…あ…夏の虫が来た」
祠にマンペーさんが戻って来た。
先程のヤクザに「おとしまえ」をつけて貰うため,近くの茶店へ一緒に行き,ちゃっかり一升瓶の酒を手に入れた。
先程のヤクザに「おとしまえ」をつけて貰うため,近くの茶店へ一緒に行き,ちゃっかり一升瓶の酒を手に入れた。
マンペ「あとで茶店から握り飯が届くから,楽しみにしてなさい」
とのこと。ただし、どうやらヤクザの民次郎に後をつけられていた。
田島君「一流一派の師範としては,ウカツでしたね」
マンペ「ウ~ン…全くだ,これじゃ,江戸の道場,潰れるはずだよ」
栗 「気にしなさんな,今の男…,
別にダンナをつけて来たのではないかも知れん…」
別にダンナをつけて来たのではないかも知れん…」
マンペ「ン?」
田島君「要するに,夏の虫です」
マンペ 「ハェ?」
田島君「火を見て飛んできたんでしょう」
マンペ 「ハ~ン…ま,どっちでもいい」
と,酒を飲むマンペーさん。
しかし,握り飯を頼んだがために,独り暮らしの茶店のオヤジは,
届ける途中で民次郎に襲われ,殺害されてしまう。
届ける途中で民次郎に襲われ,殺害されてしまう。
陣蔵親分がいる茶店に,
オユウから用心棒を頼まれた三人組の浪人が入って来た。
浪人たちによれば,旅の渡世人(民次郎)から「用心棒は必要ない」と言われたので,オユウと会うことはなかったという。
オユウから用心棒を頼まれた三人組の浪人が入って来た。
浪人たちによれば,旅の渡世人(民次郎)から「用心棒は必要ない」と言われたので,オユウと会うことはなかったという。
握り飯が届かないため,祠の外に出たマンペーさんは,道端で茶店のオヤジが殺害されているのを発見し,陣蔵らがいる茶店へ行って事情を話す。
オユウは,連れの商人・佐平が頼んだ用心棒の浪人三人組と偶然出会う。
「用は済んだ」はずの浪人たちは,オユウが民次郎のことを知らないのをいいことに,良からぬことを企む。
「用は済んだ」はずの浪人たちは,オユウが民次郎のことを知らないのをいいことに,良からぬことを企む。
流れ者ヤクザの民次郎は,茶店で待機している陣蔵たちの動向を窺っていた。
民次郎は,当地のヤクザである「鉄五郎」親分のもとへ身を寄せ,商人の佐平がヤクザの陣蔵親分に追われていたことを話す。
鉄五郎と陣蔵はヤクザ同士で仲が悪かった。
陣蔵は,城下の上役侍を殺害し,その現場を目撃したオユウを追っていたのだ。話を聞いた鉄五郎は,民次郎に協力することにした。
栗と田島君は,祠の中で蚊に刺されながら,
マンペーさんから茶店のオヤジと商人佐平が殺害されたことを聞く。
田島君は,「佐平」という名は,先程,祠ヘ来たオユウが言っていた名前だと思い出す。
マンペーさんから茶店のオヤジと商人佐平が殺害されたことを聞く。
田島君は,「佐平」という名は,先程,祠ヘ来たオユウが言っていた名前だと思い出す。
そのとき栗は…夏の虫(蚊)に刺されたオミアシを,
ガシガシ…かじクリまクリ…。
ガシガシ…かじクリまクリ…。
(“ああ゛ーッ…カイー!カイー!”)
(❤フクラハギの血を吸う蚊になりたい~…❤)
(❤虫を追っ払った手がカぁイイ❤)
(❤フクラハギの血を吸う蚊になりたい~…❤)
(❤虫を追っ払った手がカぁイイ❤)
田島君「多勢のヤクザたち,人違いの女,覗いていた男…
おかしな一夜でしたねえ」
おかしな一夜でしたねえ」
栗 「それに…一晩中,稲妻が光っていた…」
マンペ「稲妻は,何もかも見ていたろうけどな」
出立した栗たちは,道端で憔悴するオユウと出くわす。
オユウは「佐平を一晩中,探していた」という。
オユウから,「ご存知なのですね?」と聞かれるが…
(ご存じすぎて…目を反らすのヨね…毎度。)
そこへ,浪人三人組と,陣蔵ヤクザ一家が来て,
栗たちにオユウを渡すよう要求する。
栗たちにオユウを渡すよう要求する。
栗 「別に俺たちの女ではない,渡すも渡さぬもない」
と言いつつ,ヤクザに女を連れて行く理由を聞くが,
「話す筋合いはない」と断られちった。
と言いつつ,ヤクザに女を連れて行く理由を聞くが,
「話す筋合いはない」と断られちった。
栗 「そうか…では女は,俺たちが連れて行く。
女はオマエたちを避けているのだ。
ただそれだけの話だ」
女はオマエたちを避けているのだ。
ただそれだけの話だ」
すると,浪人のひとりが前へ歩み出て来て,
浪人A「オヌシたちに同業のよしみとして忠告するが,
この親分は話のよくわかる人だ,
つまらぬ意地を張るな,俺にまかしておけ」
この親分は話のよくわかる人だ,
つまらぬ意地を張るな,俺にまかしておけ」
なんか言うからキレちったゾ…栗たち↓
栗 「同業…?」
島田君「フンッ…くだらん男といっしょにされたもんだ」
マンペ「聞いてのとおりだ,諦めて帰んなさい」
逆上するヤクザと浪人連中に,
マンペ「やむを得ん…俺は昨夜,言っといたはずだ,
一流一派の師範だからな,やると凄いぞ,
もっとも,握り飯が届かなかった恨みもある…」
一流一派の師範だからな,やると凄いぞ,
もっとも,握り飯が届かなかった恨みもある…」
と,ウラミぶしのマンペーさん。
陣蔵親分一家と浪人三人組は,栗たちにコテンパンにやられちった…。
佐平が旅の渡世人に殺害されたことを知ったオユウは,
栗たちと共に宿場へ向かう。
栗たちと共に宿場へ向かう。
オユウが宿場へ来ることを鉄五郎の子分から聞いた民次郎は,早速,鉄五郎一家とともに栗たちの前へ出張ってきて立ちふさがる。
鉄五郎は,凶状持ちの陣蔵が侍を斬ったことを番屋へ届け出るため,
その目撃証人として「オユウをよこせ」と要求。
その目撃証人として「オユウをよこせ」と要求。
栗たちは,「佐平を斬った民次郎をよこせ」と要求。
しらばっくれる民次郎だが,
鉄五郎の「ヤッチッメエ!」攻撃の先陣をきって出たら,
栗にグサッ!と“ハチの一刺し”で,あっけなくオダブツ。
鉄五郎の「ヤッチッメエ!」攻撃の先陣をきって出たら,
栗にグサッ!と“ハチの一刺し”で,あっけなくオダブツ。
鉄五郎は,「陣蔵がいなくなりゃそれでいい!」ってんで…
早々に引き上げちった…(民次郎なんざ,死のうがどうだっていい)。
早々に引き上げちった…(民次郎なんざ,死のうがどうだっていい)。
栗たちは,稲妻の鳴る宿場でオユウと別れる。
道すがら,あのオユウという女は商家の女房だったのでないか,そして殺された佐平は手代だったのかも知れない…と,田島君とマンペーさんは想像する。
マンペ「とすると,あの二人…駆け落ちかも知れんなあ」
田島君「稲妻の中で変なものを見なかったら,
二人なりに,うまくいったかも知れませんね…」
二人なりに,うまくいったかも知れませんね…」
マンペ「そういうことだ…(空を見て)…良く光る稲妻だなあ」
栗 「行こう,今日は雨になるかも知れんぞ…」
通りを行く栗たち。
栗 「あの女…行く所も帰る所も無いとすれば,
連れの男と一緒になるしかないだろう…」
連れの男と一緒になるしかないだろう…」
栗の予感どおり,オユウは死んだ佐平のあとを追って自害した。
村人は,二人を同じ場所へ弔ってやることにした。
村人は,二人を同じ場所へ弔ってやることにした。
一方,稲妻の中でヤクザの陣蔵らに斬られた旅の侍が,
どこの,なんという侍であったか…誰も知らない(ホッタラカシ状態)。
どこの,なんという侍であったか…誰も知らない(ホッタラカシ状態)。
この人↑雷雨の中,まだ転がってる……誰か弔ってやってケレ~。
夏の夜と朝に
田島君「いえ,この城下町に多勢の人が住んでるでしょう?
人それぞれ,この城下町に住んで,いろんな暮らしをし,
みんな一生懸命だ。 同じ星空の下に,みんな長い年月,
同じようなことを繰り返している…。
同じような夜と,同じような朝を送り迎えしてる…。
それなのに我々だけは,全くこの城下に関わりがない。
同じ空の下にいながら…,
この城下が,どこの,なんという城下かさえ知らない。
それでいて,城下の人と同じように,空を見てる…」
人それぞれ,この城下町に住んで,いろんな暮らしをし,
みんな一生懸命だ。 同じ星空の下に,みんな長い年月,
同じようなことを繰り返している…。
同じような夜と,同じような朝を送り迎えしてる…。
それなのに我々だけは,全くこの城下に関わりがない。
同じ空の下にいながら…,
この城下が,どこの,なんという城下かさえ知らない。
それでいて,城下の人と同じように,空を見てる…」
栗 「その代わり城下の者にどんな些細な事が起きても
周りの者はみんな知っている。
場合によっては,駆けつけて来てくれるだろう。
泣いてもくれるだろう。
その代わり俺たちは…,
たとえ,この城下で行き倒れになろうと,
野垂れ死にしようと,誰も関わりはない…。
ムシロ一枚,かけてくれぬかも知れん」
周りの者はみんな知っている。
場合によっては,駆けつけて来てくれるだろう。
泣いてもくれるだろう。
その代わり俺たちは…,
たとえ,この城下で行き倒れになろうと,
野垂れ死にしようと,誰も関わりはない…。
ムシロ一枚,かけてくれぬかも知れん」
田島君「でしょうね…」
●今回は,「ちょっと吹いただけの風」のような存在の栗ちゃまたち。
内容も軽めに…(最近,重く載せすぎ…。ブタしゃんも風邪で重体。)
内容も軽めに…(最近,重く載せすぎ…。ブタしゃんも風邪で重体。)
『俺は用心棒』第17話
(アラスジ+セリフ少々)
病気の弟と二人で暮らしているオコトという娘がいた。夜分,急に頼まれた仕立物を届けたオコトは,その帰り道の途中,道端で下駄の鼻緒が切れて直している若い浪人(高木平馬)とすれ違う。
別な通りの路地へ入ったオコトは,そこで侍同士の斬り合いを目撃する。
物取りに見せかけるため,死んだ侍の懐から財布を抜いた侍(佐野)は,物陰に隠れているオコトに気づいて身元を確認し,決して口外せぬよう言い含めて去った。
呆然と佇むオコトに声をかける栗。
実は栗も殺しの現場を目撃した。
田島君は,近くの神社の水で血刀を洗う佐野を見かける。
実は栗も殺しの現場を目撃した。
田島君は,近くの神社の水で血刀を洗う佐野を見かける。
栗たちは,一夜のネグラにする空家を探しており…
オコトが住む家の裏にある空家へ案内される。
辺りから「カイブシ(蚊を燻す)」の葉を大量に拾って来たマンペーさんと田島君は,早速,空家の中で葉っぱを燃やして蚊の退治を始める。
…で,煙ボーボー。
田島君「シナダさん…この葉は…やっぱりカイブシじゃない…!
駄目だ!…蚊よりも…人間がまいってしまう…。
ダンナ!(栗に声かけ)…脱出だあー!」
駄目だ!…蚊よりも…人間がまいってしまう…。
ダンナ!(栗に声かけ)…脱出だあー!」
マンペ「あのダンナ,とっくに脱出したよ」
田島君「ええーッ!…じゃあ,我々も外へ出ましょう」
マンペ「な~に,こうなったら武門の意地だ!」
「天地正大流の意地」を見せるマンペーさんは,必死こいて爆煙をウチワで扇ぐ。たまらず小屋から脱出するヘロヘロの田島君。
「天地正大流の意地」を見せるマンペーさんは,必死こいて爆煙をウチワで扇ぐ。たまらず小屋から脱出するヘロヘロの田島君。
栗のダンナは,早々と外へ避難済み…。
田島君「天地正大流…ハヤらない筈ですよ(コリゴリ)…」
しばらくして,
マンペ「どうぞ,お入りなさい,ご遠慮なく」
と促す不気味な“シャーマン・ペー”さん…,
田島君「どうぞ?…入れったって,息もできないくらい
煙がモウモウと立ち込めて…」
煙がモウモウと立ち込めて…」
マンペ「煙ィ?…冗談じゃない,見てごらんなさい」
田島君「あっ…カイブシは燃えちゃったんですか?」
マンペ「ああ,一生懸命あおいでたら,燃えちゃったよ」
田島君「ヘンなカイブシ!」
翌日,通りを歩くマンペーさんは,ごく僅かな有り金を全部はたいてセコく買った薄~い砂糖水を,買いそびれたオコトに茶瓶ごと全部あげちゃった。
田島君から「それはいいことをしましたね」と褒められたけど…
マンペ「それにしても…ちきしょう,暑いなあ…」
田島君「『心頭滅却すれば,火もまた涼し』という言葉もありましたね」
マンペ「そんなこと言った坊主,連れて来い」
田島君「連れてきてどうします?」
マンペ「もういっぺん,カイブシを燃やしてやる!」
オコトが病気の弟のために砂糖水を買い求めに来て間もなく,殺人事件の下手人として,(鼻緒が切れて直していた)浪人の高木に嫌疑がかけられたことを知る。
番屋で目付役の詮議を受ける高木は無実を訴えるが,殺された者の仲間の若侍たちは血気にはやり,高木を早く処罰するよう年寄りの目付を促していた。しかし,役儀に忠実な目付役は,「通りかかった女(オコト)が知っている」という高木の言葉の真偽を確かめるため,取調べを続けることにした。
オコトは,病気の弟や,我が身の安全のために,事実を言うことをためらう。しかし,思い悩んだ末,まずは弟に打ち明けてから,マンペーさんたち用心棒のもとへ行って相談する。
下手人の存在を知りながら,事件と全く関係のない通りすがりの浪人が,
無実の罪で断罪させることがあってはならない。正義感の強い田島君とマンペーさんは,早速,番屋へ行って,オコトの代わりに証言する。
無実の罪で断罪させることがあってはならない。正義感の強い田島君とマンペーさんは,早速,番屋へ行って,オコトの代わりに証言する。
栗は空家へ残り,オコトを襲いに来た佐野を…
カッコヨ~ク斬っパラったあと,オコトと一緒に番屋へ行き,
目付役の前で事件の証言をさせ,
目付役の前で事件の証言をさせ,
捕らわれた高木を解放してやり,蚊の多い城下を後にする。
栗 「蚊に食われるより,夜道を行くか」
しばらく行くと,竹林の中で待ち伏せする若侍たちが襲撃してきた。
「貴様たちは,当藩の恥をさらした,許せん!」と言うバカ侍たち。
田島君「こんなことをするほうがよっぽど恥だと思うけどなあ…」
と田島君が呟くとおり,バカ侍たちはメッポー恥さらしな襲撃を行なった挙句,み~んな栗たちにブッ倒されてオダブツした。
見識のある年寄り目付役が早馬でその場に駆けつけたが,時,既に遅し…。
栗 「行こう,これ以上,恥をかかせることはない…」
と言い残し,何事もなかったかのように,去って行く。
マンペーさんは,本物の「カイブシの葉」を見つけて持って行った。
その後,オコトと高木平馬は,惚れ合うほどの仲になっちゃったトサ。
栗たちのおかげでハッピーになったのに…彼らは,それを知らない。
迎えに来る武士
❤ウチワで隠すところがカワイイのら~❤
『俺は用心棒』第16話
夜分,旅籠の女中や番頭たちは,主人の留守中,
奥の部屋で酒盛りの祝宴を開いていた。
同じ頃,「開けてくれ!」と,表の戸口を叩く旅姿の侍がいた。
しかし,その声も音も番頭たちには届かない。
奥の部屋で酒盛りの祝宴を開いていた。
同じ頃,「開けてくれ!」と,表の戸口を叩く旅姿の侍がいた。
しかし,その声も音も番頭たちには届かない。
戸口を叩く音と侍の声に気がついたのは,
旅籠に宿をとっていたマンペーさんたちだった。
旅籠に宿をとっていたマンペーさんたちだった。
マンペーさんは,番頭に,「誰か訪ねてきたのではないか」と伝える。
番頭が戸口を開けると,若い旅姿の侍が斬られて死んでいた。
番頭が戸口を開けると,若い旅姿の侍が斬られて死んでいた。
同じ宿には,巡礼姿に身を変えた,とある城下の乳母「オノウ」と姫君の「タエ」がいた。他の客も,栗たちも,斬られた侍に心当たりはないという。
番頭は,侍を斬った者がすぐ近くにいるのではないかと恐れ,
強そうな栗たちの座敷へ来て,番屋まで同道して貰えないかと頼む。
強そうな栗たちの座敷へ来て,番屋まで同道して貰えないかと頼む。
マンペ「なんだ,だらしがねえなあ,
女中なんかとバカ騒ぎなんかしていたくせに…」
女中なんかとバカ騒ぎなんかしていたくせに…」
というマンペーさんが一緒に付いていくことになった。
マンペ「そのかわり,勘定のほう,ちゃんと考えとけよォ…
夜の夜中に番頭のお供をしてやるんだからな」
夜の夜中に番頭のお供をしてやるんだからな」
恐縮する番頭。
栗 「そうと決まったら,勘定抜きの酒を,
もう四~五本,持ってこい」
もう四~五本,持ってこい」
マンペ「オイオイ,一緒に行ってやるのは俺だゾ…,
何もせんオヌシが全部飲んでしまうのはズルいよ」
何もせんオヌシが全部飲んでしまうのはズルいよ」
栗 「(笑)半分残しておく…」
マンペ「半分~?!…半分ってことはねえだろッ」
田島君「なんです,二人とも!(怒)
ひとが一人,殺されたって言うのに…」
ひとが一人,殺されたって言うのに…」
マンペ「オォ…そうだな,全くハシタない,
じゃあ半分でいいよ,残しとけよ」
じゃあ半分でいいよ,残しとけよ」
栗 「そのかわり,留守中踏み込んできたら,俺が引き受ける」
番頭は,旅籠が何者かに狙われていると思い,気が気でない。
斬られた侍は,二~三人に襲われたらしい。
斬られた侍が何をしに来たのか,手がかりはない。
マンペーさんと番頭は,とりあえず番所へ届けに向かう。
斬られた侍は,二~三人に襲われたらしい。
斬られた侍が何をしに来たのか,手がかりはない。
マンペーさんと番頭は,とりあえず番所へ届けに向かう。
旅籠の女中らは、怯えて台所に集まっていた。
栗 「ぼんやりしている暇があったら,
裏の戸締りでも確かめておけ。
番頭が帰ってくるまで表の潜り戸も閉めておけ。
別の者が訪ねて来たときは…俺が出てやる」
裏の戸締りでも確かめておけ。
番頭が帰ってくるまで表の潜り戸も閉めておけ。
別の者が訪ねて来たときは…俺が出てやる」
夜道を行くマンペーさんと番頭は,
道端に,またひとりの侍が斬られて死んでいるのを発見する。
道端に,またひとりの侍が斬られて死んでいるのを発見する。
旅籠では…
栗がトックリ酒を数本持って二階へ上がろうとすると,
また,激しく戸を叩く音が聞こえてくる。
身構える栗に使用人の男が「開けて良いか?」と尋ねる。
栗がトックリ酒を数本持って二階へ上がろうとすると,
また,激しく戸を叩く音が聞こえてくる。
身構える栗に使用人の男が「開けて良いか?」と尋ねる。
栗 「開けてやれ…,開けてみなければ,わかるまい…」
使用人が戸を開けると,
先程,旅籠の戸口で切られた「侍の仲間だ」と言う者が現れ,
誰が斬ったのか尋ねてきた。
そして,「宿に巡礼姿の者がいるか」と確かめ,
その者たちを呼んでくるよう申し付けた。
先程,旅籠の戸口で切られた「侍の仲間だ」と言う者が現れ,
誰が斬ったのか尋ねてきた。
そして,「宿に巡礼姿の者がいるか」と確かめ,
その者たちを呼んでくるよう申し付けた。
栗は…トックリ酒をチューチューしながら部屋へ戻った。
田島君は,巡礼姿の中年女が宿の廊下をウロついている様子を見かけ,不審に思う。
オノウ(乳母)は,迎えの武士が訪ねて来たものと思い,応待に出る。
「津村」というその侍は,「追手が来る」,「すぐに出立する」と言ってオノウを急かす。
「津村」というその侍は,「追手が来る」,「すぐに出立する」と言ってオノウを急かす。
宿へ戻って来たマンペーさんたちは,番屋へ行く途中,道端に斬られた侍がいたことを話す。その侍は,津村が斬った「追っ手だ」という。
栗たちのいる部屋へ戻ったマンペーさんは…,
マンペ「おかしな話だよ」
田島君「どうしてです?」
マンペ「迎えに来た侍(津村)は,追っ手を二人斬った…,
一刻を争うと言ってるのに,斬られた追っ手は,
この宿からだいぶ離れたところで,しかも不意を打たれて,
刀に手もかけずに死んでおる…変な追っ手がいるもんだ」
一刻を争うと言ってるのに,斬られた追っ手は,
この宿からだいぶ離れたところで,しかも不意を打たれて,
刀に手もかけずに死んでおる…変な追っ手がいるもんだ」
栗 「気にするな,迎えを受けたのは巡礼だ,
初めから変な組み合わせだ」
初めから変な組み合わせだ」
すると,栗たちの部屋へオノウが来て,宿場で斬られた二人の追っ手の侍のこと細を聞かせて欲しいとマンペーさんに尋ねる。オノウによれば,追っ手は三人いるという。そして,「自分たちを迎えにくる侍」は,追っ手よりも多勢いるとのことだった。そこへ,巡礼姿の(タエ姫)も来て,偉そうに話す。
マンペ「どこのお姫様か知らんが…女の子というものは,
礼儀正しく,もう少し愛想良くモノを言ったほうがいいな」
礼儀正しく,もう少し愛想良くモノを言ったほうがいいな」
「戯言を申すな!」と怒るタエ姫に,
マンペ「あ,そ~,フ~ン…(正座)…いや,
左様に申されるならば,
我らもまた,打ち明けねばなるまい。
事情あって斯様な姿をしておるが,
何を隠そう,我らもまた,高貴な身だ…(オメメがマジ…)」
左様に申されるならば,
我らもまた,打ち明けねばなるまい。
事情あって斯様な姿をしておるが,
何を隠そう,我らもまた,高貴な身だ…(オメメがマジ…)」
お嬢様をコバカにしているようなマンペーさん
田島君「ン…ッ(笑)…フッフッフ…」
思わず笑いが込み上げる…。
やがて,階下から女中らの騒ぎ声がする。
オノウが見に行くと,松井田という年配の侍が数名の武士と共に旅籠へ詰め掛けていた。「国家老の追っ手を斬った(裏切った)」と言う津村に対し,「だからと言って我々の仲間ではない」と突き放す松井田は,「何故,江戸から迎えに来た今村を斬ったのか!」と責め,問答無用のまま,津村を取り囲んで斬ってしまった。
オノウが見に行くと,松井田という年配の侍が数名の武士と共に旅籠へ詰め掛けていた。「国家老の追っ手を斬った(裏切った)」と言う津村に対し,「だからと言って我々の仲間ではない」と突き放す松井田は,「何故,江戸から迎えに来た今村を斬ったのか!」と責め,問答無用のまま,津村を取り囲んで斬ってしまった。
「江戸から迎えに来た」とオノウに言う松井田に従い,
栗たちの部屋から出て行くタエ姫は,出がけに一言…
栗たちの部屋から出て行くタエ姫は,出がけに一言…
タエ姫「行きずりの浪人者…見捨てておいて構わぬ」
冷ややかに松井田へ命じてツンと立ち去る。
マンペ「へェ~,なんだか知らねえが,可愛げがねえ娘だなあ…
挨拶もしねえで行きやがった」
挨拶もしねえで行きやがった」
栗 「フフ…(笑)…見捨てられたのだ,ボヤくな」
田島君「高貴な御身だそうですからね」
マンペ「こちとら,勘定抜きの酒でもくらって寝るかあ」
田島君「高貴の御身のお言葉にしては…,
だいぶ崩れてきましたね」
だいぶ崩れてきましたね」
マンペ「事情あってね」
田島君「ンハッハッハッハッハ(笑)!」
マンペ「オ~イ,番頭! ネエチャン! 酒くれよ!
勘定抜きだぞ…」
勘定抜きだぞ…」
田島君「下は,それどころじゃないでしょう,
お姫様の御立ちなんだから…」
お姫様の御立ちなんだから…」
江戸から姫を迎えに来たという松井田一行は,旅籠の戸口で斬られた侍を放って行った。このことを番頭から聞いた栗たちは,また別の迎えが来るのではないか…と予想する。
松井田の一行が行き過ぎるのを待ち,下男風の年寄り男・嘉平が旅籠を訪れ,戸を叩く。戸口に転がって死んでいる侍を見つけた嘉平は,それが奉公先の主人だと知り,自らも自害して死のうとする…が,マンペーさんが止める。
嘉平から事情を聞いたところ,松井田一行は偽者の迎えの武士だという。
タエ姫を巡る御家の跡目騒動を発端とし,三ヵ所から姫の出迎えがあり,
それぞれが姫の争奪を企てるだけでなく,御家断絶に導かんとする集団も現れた模様。
タエ姫を巡る御家の跡目騒動を発端とし,三ヵ所から姫の出迎えがあり,
それぞれが姫の争奪を企てるだけでなく,御家断絶に導かんとする集団も現れた模様。
松井田一行は,江戸からでもなく,国もとからでもなく,またその縁者からでもなく,全く別な集団として「姫を迎えに来た武士たち」であろう…と栗たちは見立てる。
その見立てどおり,松井田らは,今にもタエ姫と乳母オノウに襲いかからんとしていた。
と…そこへ正義の味方,栗&マンペー登場!
アッケなく侍らを全滅させる。
アッケなく侍らを全滅させる。
オノウは,栗たちこそ「江戸からの迎えの者たち」ではないか?…と勘違いするが…
栗 「バカを言え…その娘が言ったとおり,
見捨てて構わぬ行きずりの浪人だ」
見捨てて構わぬ行きずりの浪人だ」
マンペ「あんたたち勘違いしちゃイカンよ,
俺たちはね,あんたたちが大事だからここへ来たんではない」
俺たちはね,あんたたちが大事だからここへ来たんではない」
主人のあとを追って死のうとする「嘉平のためだ」と言うマンペーさん。
嘉平は,江戸の家老から使わされた今村という武士の郎党であることを正式に名乗り,タエ姫を連れて行くことにした。しかし…急には出立せず,死んだ主人の今村を弔ってから行くという。
姫とオノウはその間,待たされて,栗に説教までされる。
栗 「ひとつだけ言っておく,たかが足軽・中間でも,
自分の主人の亡骸を弔っているのだ。
どこの迎えか知らんが,同じ家中の家来の亡骸を,
旅籠の土間や宿場の通りへ放っておくつもりか?…」
自分の主人の亡骸を弔っているのだ。
どこの迎えか知らんが,同じ家中の家来の亡骸を,
旅籠の土間や宿場の通りへ放っておくつもりか?…」
これを聞いたオノウは,早速,弔いを手配することにした。
タエ姫は,「江戸から新しい迎え」が来るのか否か,栗に尋ねるが…,
タエ姫は,「江戸から新しい迎え」が来るのか否か,栗に尋ねるが…,
栗 「知らん…」
タエ姫「狙ってきた侍たちは,誰の指図であるのか」
栗 「知らん…自分でよく考えろ」
と,言い残し,部屋へ入って襖を閉めちゃった。
やがてまた,「新たな侍三組」が旅籠に到着する。
怯えるオノウとタエ姫は,
部屋から出てきた栗とマンペーさんのところへ駆けつけ,
「刺客かどうか確かめて欲しい」と頼む。
部屋から出てきた栗とマンペーさんのところへ駆けつけ,
「刺客かどうか確かめて欲しい」と頼む。
その侍たちは全く無関係だった。
栗 「心配するな,忠義な爺さん(嘉平)がついている。
江戸まで無事に連れてってくれるだろう」
江戸まで無事に連れてってくれるだろう」
が…,またしてもタエ姫の同行を探るオンミツ男の姿が…。
部屋で雑談する栗たち。
田島君「考えてみれば…かわいそうですね,あの女たちも…」
マンペ「ああ…お互い,高貴な生まれでなくて良かったよ」
栗チャ「勘定抜きの酒でもひっかけて,出かけるか」
マンペ「うん…そうしよう」
やがて栗たちは旅籠を去った。
そして…タエ姫を伴い,街道を行くオノウと嘉平の前に,多勢の迎えが控えていた。
大名が取り潰された原因の多くは,跡取りがなかったことによる。
その後,「跡継ぎが無く,取り潰された大名家の噂」を,栗たちが聞くことはなかった。
夕顔の咲く宿
『俺は用心棒』第15話
旅籠が一軒しかない宿場町に来た「常蔵」というヤクザの男は,その土地のヤクザの親分へ頼んで配下の者を街道口で張り込ませ,
「金井市之助」という侍を待ち伏せていた。
ちょうどそこへ田島君と,マンペーさんが通りかかる。
マンペーさんの手にはウリがいっぱい。
「金井市之助」という侍を待ち伏せていた。
ちょうどそこへ田島君と,マンペーさんが通りかかる。
マンペーさんの手にはウリがいっぱい。
(すごく嬉しそう❤)
マンペ「おーい,田島君,いいウリだろう,頼んだら分けてくれた」
田島君「またですか?…忙しい人だなあ…」
マンペ「そんなこと言うが,初物だよォ,初物を食うと,
昔から『七十五日,長生きをする』と言われておる。
これ…塩つけて食うと,ウマイよ」
昔から『七十五日,長生きをする』と言われておる。
これ…塩つけて食うと,ウマイよ」
田島君「塩をつけてなくても美味いんでしょ?」
マンペ「ああ,実はそうなんだ。
ウマそうに見えるものは,何でも旨い」
ウマそうに見えるものは,何でも旨い」
田島君「天下泰平ですね,
この分だと,七十五年は長生きできますよ(笑)」
この分だと,七十五年は長生きできますよ(笑)」
通り過ぎる田島君を陰で見ていたヤクザは,一瞬,金井市之助と見間違う。田島君と市之助は,似たような風貌らしい。
店の手伝いをしに来た,(もと)侍の娘・オマキは,
田島君を見るなり,弟・市之助と見間違える。
田島君を見るなり,弟・市之助と見間違える。
マンペーさんは,オマキ宛に市之助から伝言を頼まれてきた。
オマキによれば,市之助は江戸の道場にいるはずだという。
オマキによれば,市之助は江戸の道場にいるはずだという。
ところが,市之助は,宿場の手前にある川原の渡し場(小屋)に身を潜めて隠れていた。身動きできない市之助は,マンペーさんたちに,オマキへの伝言を頼んだ。内容は,「暗くなってから人目に立たないよう,特にヤクザ者に見つからぬよう実家にある『備前・長船(ビゼン・オサフネ)=刀』を持って来てくれとのことだった。
川原の渡し場には,旅姿の市之助と栗がいた。
周囲の様子を窺う市之助に,
周囲の様子を窺う市之助に,
栗 「ウロウロ出るな,引っ込んでいろ」
と注意する。
小屋の中には,「オミネ」という市之助の連れの女がいた。
中へ入ってからもソワソワしている市之助。
中へ入ってからもソワソワしている市之助。
栗たちは,辺りが暗くなるのを待っていた。
市之助の目的は,久しぶりに姉に合うことではなく,家にある刀剣の「備前・長船」だった。焦るあまり,小屋の外に出てオミネとモメる市之助。
栗は寝たふりしながら,こっそり市之助らの様子を窺う。
旅籠にいるマンペーさんは,夜更けになるまでガツガツクチャクチャ…
ウリに大量の塩をつけて食べ放題…。
ウリに大量の塩をつけて食べ放題…。
マンペ「田島君,もっと食えよ,ウマいぞ」
田島君「うまいのはわかってますが…もう結構です」
マンペ「そうかねえ…じゃ,勿体ねえから,
もう一本,食うかあ…少し沢山,買いすぎたな」
もう一本,食うかあ…少し沢山,買いすぎたな」
田島君「それよりシナダさん,あの姉さんという人…
うまく渡し場まで行けますかね?」
うまく渡し場まで行けますかね?」
マンペ「似ている弟としては,やっぱり気になるかね?」
田島君「私は似てなんかいませんよ!…」
マンペ「そうムキになりなさんな,まあ,ヤクザたちが,
あの男の姉さんだということを気付かなければ大丈夫だ」
あの男の姉さんだということを気付かなければ大丈夫だ」
田島君「そうでしょう?…知らなければ大丈夫だが…」
マンペ「弟は…土地のヤクザ者も知らぬはずだと言っていたが…,
時に田島君…もう一本食えよォ…(塩ウリをすすめる),
初物だ,七十五日生き延びるぞ」
時に田島君…もう一本食えよォ…(塩ウリをすすめる),
初物だ,七十五日生き延びるぞ」
田島君「居候…七十五日,早く死に…」
マンペ「あェ?…技あり」
旅籠の手伝いをするオマキは,「字が書けない」という宿の客から代筆を頼まれる。
マンペーさんが,塩だらけのウリを食べすぎたせいで,喉が渇いたというので,田島君が水と酒を貰いに下へ降りて行くと,ちょうど市之助を待ち伏せいるヤクザが旅籠へ来ていた。
ヤクザはオマキの素性を店主から聞きつけ,市之助の姉であることを知る。
田島君は,ヤクザに気付かれてしまったことをマンペーさんに告げ,
オマキを奥の部屋で匿うことにした。
オマキを奥の部屋で匿うことにした。
座敷を探しまくるヤクザに,ちょっかいを出すマンペーさん。
マンペ 「な~に,ウリ食いすぎたんでな,少し動かんといかん」
そう言ってヤクザを外に連れ出す(おびき寄せ)。
「マンペー体操」よろしく、荷車を引いて通りを走り回るマンペーさん。
それを追いかけるヤクザたち。
田島君は隙を見てオマキを旅籠から連れ出した。
そしてオマキの家へ入ろうとしたとき,人の気配が…
それを追いかけるヤクザたち。
田島君は隙を見てオマキを旅籠から連れ出した。
そしてオマキの家へ入ろうとしたとき,人の気配が…
勝手に上がっていたのは…ヤッパリ栗(マイド~)。
(暗闇でこんな顔を見たい❤)
栗は,市之助に頼まれ,刀を取りに来たという。
栗は,市之助に頼まれ,刀を取りに来たという。
オマキによれば,家にある名刀「備前・長船」は,道場の師範代から士官に昇格した亡き父の形見だという。
田島君「姉さんより,刀の方が大事なんでしょう(市之助という弟は)」
父親の後を継ぐために,市之助が免許皆伝して江戸から戻ることを期待していたオマキは,ひとりで形見の刀を守ってきた。
オマキは市之助が父の形見の刀をどうするのか案じる…。
栗 「姉として当然,弟にもう一度確かめるといい」
田島君「そろそろヤクザどもは,ここへも来る…」
田島君「そろそろヤクザどもは,ここへも来る…」
栗たちは,市之助のもとへオマキを案内する。
マンペーさんは,ヤクザを振り回したあと,オマキの代わりに宿で客の手紙の代筆を続ける。しかし,ヤクザに怯えた客から,「もう結構でございます」と言われたので…そのまま書いちゃったりする。
マンペ「オイオイ…そう書いちまったじゃねえか」
市之助と再会したオマキは,小屋の中で市之助と話をすることにした。
「刀をどうするのか」,「何故,女連れでヤクザ者に追われているのか」…。
「刀をどうするのか」,「何故,女連れでヤクザ者に追われているのか」…。
小屋の中から外に咲いている満開の夕顔の花を見る田島君。
田島君「ここにいても仕方がないんですがね…」
栗 「俺は,あの姉に,弟を今夜だけでも守ってやると約束した」
田島君「そうでしたね,では,姉さんのために,ここにいますか…」
栗 「俺は,あの姉に,弟を今夜だけでも守ってやると約束した」
田島君「そうでしたね,では,姉さんのために,ここにいますか…」
話をきけば,市之助は剣術の修行を捨ててヤクザの用心棒となったが,仕事も果たさず金を持ち逃げした挙句,ヤクザの親分がヒイキにしていた女と駆け落ちしたという。
オマキは,そんな情けない弟に,「大事な刀を渡さない」と言う。
間もなく,小屋の外へヤクザ連中が駆けつけてきた。
栗たちもヤクザ退治に出張る。
栗たちもヤクザ退治に出張る。
ヤクザは意気地なしの市之助の前で,
「侍なら,侍らしくしやがれ!」
「腰抜け侍め!」
「刀を抜きやがれ!」とコケにする。
「侍なら,侍らしくしやがれ!」
「腰抜け侍め!」
「刀を抜きやがれ!」とコケにする。
根性が腐り果てた市之助は,
「刀をやるから勘弁してくれ,百両にはなる」と命乞いをし,
慌てて小屋にある刀(長船)を取りに向かう…
が…!…そこには長船で自害したオマキが倒れていた。
「刀をやるから勘弁してくれ,百両にはなる」と命乞いをし,
慌てて小屋にある刀(長船)を取りに向かう…
が…!…そこには長船で自害したオマキが倒れていた。
…(「ブチッ!」…イ…イカン,田島君が…)
「姉が自分の代わりに死んだ…」と,自暴自棄になった市之助は,ヤクザの前で刀を振り回す。
田島君「バカモノ! 貴様が死んで,姉さんが浮かばれるか!
川の水でも浸かって,性根を叩きなおしてこい!」
川の水でも浸かって,性根を叩きなおしてこい!」
(キレると怖い,田島君…。)
そして一夜が明け…マンペーさんが小屋へもどって来た。
マンペ「ああ?…どうしたね?」
栗田島「…(無言で通り過ぎる)」
マンペ「あまり,いい一夜の宿ではなかったんだなあ…」
朝陽がのぼる頃,夕顔の花は萎んだ。
栗たち用心棒も宿場を去って行った。
その後,市之助と連れの女の行方は知れない…。
青葉の中の娘
※メモ…「女衒(ゼゲン)」=女を遊女屋(売春宿)などに売るのを仲介する者。衒(ゲン)とは,「売る」の意。)
『俺は用心棒』第14話
ゼゲンの男と共に道中を行く娘・オセツ。
男が茶店で休憩中,外で待つオセツの前に,突然,商人風の男・「栄助」が現れる。栄助は,数名の旅侍たちに追われていた。
「沢山の人が助かる…」という書状をオセツに暫し預かってくれるよう頼んだ栄助は,後で取りに来る…と言い残してその場を去った。
追っ手の侍たちは,子供たちが遊んでいる小屋の前に来て,中に栄助が隠れたはずだと目星をつける。
追侍A 「出ろッ! もはや逃げられはせん! 神妙に出ろッ!」
追侍B 「出てこなければ,踏み込んで斬るぞおッ!」
追侍B 「出てこなければ,踏み込んで斬るぞおッ!」
中から出てきたのはマンペーさんだった。
マンペ「あんたたち,うるさいねえ…
この小屋は,この辺の子供たちの遊び場だよお,
中でママゴトや,お嫁さんゴッコなんかやるんだよお,
私は子供たちに許可を得て使っておる。
あんたたちも中へ入りたかったら,
その辺の子供たちの許可を得なさいッ!」
この小屋は,この辺の子供たちの遊び場だよお,
中でママゴトや,お嫁さんゴッコなんかやるんだよお,
私は子供たちに許可を得て使っておる。
あんたたちも中へ入りたかったら,
その辺の子供たちの許可を得なさいッ!」
追侍C「なにィ?…タワケタことを申すなッ!」
追侍B「若造を出せッ!若造をッ!」
追侍A「若造に用があるのだッ!」
マンペ「若造?…オイオイあんたたち,
そんな言い方をしていいのかあ? 怒られても知らんよ…」
追侍B「若造を出せッ!若造をッ!」
追侍A「若造に用があるのだッ!」
マンペ「若造?…オイオイあんたたち,
そんな言い方をしていいのかあ? 怒られても知らんよ…」
マンペ「オ~イ,若造に用があるそうだ,出てやれよ…若造だとさあ…
俺が言ったんじゃねえからね,怒っても知らんよ…」
俺が言ったんじゃねえからね,怒っても知らんよ…」
栗 「若造というのは,俺のことか? この俺に何の用があるのだ」
栗 「ヒトを若造呼ばわりで呼び出しておいて,
用がないでは済むまいッ!(怒る)」
用がないでは済むまいッ!(怒る)」
マンペ「ほォれみろ,俺は初めから言っただろ?
若造なんて言うと怒られるって」
若造なんて言うと怒られるって」
スゴむ栗にビビった侍たちは,丁重に謝って引きあげた。
そのあと田島君が小屋からひょっこり顔を出す。
田島君「ダンナ,サバをよみましたね。
私のほうがだいぶ若いつもりなんですがね(笑)」
私のほうがだいぶ若いつもりなんですがね(笑)」
マンペ「ドサクサに紛れて,一点稼いだってとこだなあ」
栗 「別に女がいるわけではない,気にするな,気にするな」
田島君「でも,珍しく,うまくいきましたね,
刀を抜かないで済んだんだから」
小屋に隠れていた栄助は,マンペーたちに感謝し,「自分の身のために逃げ回っているのではなく,多勢のヒトのためにやっている」と言い残してその場を去った。田島君は栄助のことを「表向き商人風に身なりを変えた武家奉公の男ではないか」と推察する。
刀を抜かないで済んだんだから」
小屋に隠れていた栄助は,マンペーたちに感謝し,「自分の身のために逃げ回っているのではなく,多勢のヒトのためにやっている」と言い残してその場を去った。田島君は栄助のことを「表向き商人風に身なりを変えた武家奉公の男ではないか」と推察する。
小屋の中で腹を減らしたマンペーさんは,その日が七夕であったことに気がつく。
ふと,栗の様子を見るマンペーさん。
マンペ「あれえ?…若造のダンナ,寝ちまったよ…」
田島君「こういうダンナは…寝てる間に,
一体どんな夢を見てるんでしょうねェ…」
一体どんな夢を見てるんでしょうねェ…」
マンペ「人間,見かけによらねェからな…,
案外,織姫様と年に一度の逢引でもしてるんじゃないのか?」
案外,織姫様と年に一度の逢引でもしてるんじゃないのか?」
田島君「織姫様の用心棒でも引き受けてるんじゃないのかなあ…」
マンペ「前金払え!…なんて,もめてたりしてなァ」
田島君「案外,織姫様,シブかったりして…」
マンペ「そこをなんとか頼む…なんて言っちゃってよォ…」
田島君「天の川を挟んで両者,相譲らず…」
マンペ「ハッハッハ!…結局,用心棒を断られた夢じゃねえのかァ?」
栗 「バカ言え…そんなくだらん夢など見るか…」
田島君「聞いていたんですか?…じゃあ,どんな夢です?」
栗 「大勢の人のために,尽くしている夢だァ」
マンペ「嘘つけェ!」
寝たまま苦笑いする栗。
からかって天の川のことをクチにした田島君は,ふと天気を気にする。
田島君「子供たちはガッカリするだろうな…折角の七夕は雨になる」
その後,マンペーさんは子供たちと一緒に,社の方へ短冊を吊るす竹を立てに行った。
宿場の旅籠では,「倉内」という目付け役の侍が配下の大野と共に,やがて街道をやって来るはずの栄助を待ち伏せしていた。
その頃,栄助は,社の中に潜んでいた「津田」という侍に会う。
既に街道には目付役や城代の追っ手が回ったことを津田に告げる栄助。
津田と栄助は,近々,無実の罪(百姓一揆)で江戸に送られ処刑される百姓たちを救うため,罪状を調べ直した証拠の書状を江戸勤番の城主へ届けて,審議のやり直しを申し出ようとしていた。
既に街道には目付役や城代の追っ手が回ったことを津田に告げる栄助。
津田と栄助は,近々,無実の罪(百姓一揆)で江戸に送られ処刑される百姓たちを救うため,罪状を調べ直した証拠の書状を江戸勤番の城主へ届けて,審議のやり直しを申し出ようとしていた。
栄助は,追っ手から逃げる途中,書状を旅の娘オセツに預けたことを津田に話し,おそらく娘が逗留したであろう旅籠へ出かけることにした。
栄助が社の外へ出ると,マンペーさんたちが珍しく進んで協力を持ちかける。
マンペーさん曰く,きっかけは,栗のダンナが
「大勢の人のために尽くした夢」を見たからだ…とサ。
「大勢の人のために尽くした夢」を見たからだ…とサ。
その頃,旅籠にいたオセツは,ゼゲンに書状を奪い取られてしまった。
ゼゲンの男は,道中,若者(栄助)が追っ手の侍に追われていたことや,
追っ手の侍が旅籠へ捜索に来ていたことを思い出す。
ゼゲンの男は,道中,若者(栄助)が追っ手の侍に追われていたことや,
追っ手の侍が旅籠へ捜索に来ていたことを思い出す。
旅籠の主から,捜索に来た侍たちの居場所を聞き出したゼゲンは,早速そこへ行って,オセツから奪い取った書状を目付役の倉内へ渡し,ちゃっかり金銭と交換してしまった。
あとからゼゲンを追って来たオセツは,倉内らが書状を焼き捨てるのを目撃する。
目付役の倉内と手下の大野が出立して間もなく,旅籠へ着いた栄助と津田は,オセツから「書状が奪われて燃やされてしまったこと」を聞く。
オセツは,自分がゼゲンに売られる身で,その道中だったことを打ち明ける。
オセツは,自分がゼゲンに売られる身で,その道中だったことを打ち明ける。
やがて旅籠へ栄助と津田を追って来た侍たちが現れ,斬り合いを挑む。
と,「待てい…」と,いつもように栗が登場する。
(いつもながら,フテブテしい栗のダンナ)
栗 「同じ家中の者と争って刃傷沙汰を起こせば,
オヌシ(津田),後の仕事ができなくなるぞ。
そこへいくと,俺がこの三人と何をしようと,俺の勝手だ」
オヌシ(津田),後の仕事ができなくなるぞ。
そこへいくと,俺がこの三人と何をしようと,俺の勝手だ」
追侍C「おのれェ! そのほう如きヤセ浪人の
クチ出しすべきことではないッ!」
クチ出しすべきことではないッ!」
栗 「俺はヤセ浪人ではない」
追侍C「なにいッ!」
栗 「オヌシたちが呼んだように『若造』だ…向こう見ずな若造だ」
そしてチャンバラになって,
「ヤ~ン!」~サムライたちネンネして「グ~…」( ̄▽ ̄)。
「ヤ~ン!」~サムライたちネンネして「グ~…」( ̄▽ ̄)。
書状を燃やされた津田は,百姓らの処刑までに間に合わないと呟く。
オセツは書状を取り上げられてしまった自分が悪いのだと自らを責める。
そんなオセツに「あんたが悪いんじゃない」と,気遣う心優しい栄助。
津田は「下役として精一杯のことをしたが駄目だった」と諦めかけるが…
オセツは書状を取り上げられてしまった自分が悪いのだと自らを責める。
そんなオセツに「あんたが悪いんじゃない」と,気遣う心優しい栄助。
津田は「下役として精一杯のことをしたが駄目だった」と諦めかけるが…
田島君「ダメではない!…無理ではない!
駄目だと諦めてしまったら…
無実とわかっていながら,五人の百姓が殺されるんだ!
そんな馬鹿な話って,あるもんか!(怒)」
駄目だと諦めてしまったら…
無実とわかっていながら,五人の百姓が殺されるんだ!
そんな馬鹿な話って,あるもんか!(怒)」
津 田「しかし…今となっては…どうすれば宜しいのでござろう…」
田島君「訴状を作り直すのが無理だったら,
その訴状を燃してしまった上役をトッ捕まえて,
詫び状を書かせて,江戸へ持って行けばいいんだッ!」
その訴状を燃してしまった上役をトッ捕まえて,
詫び状を書かせて,江戸へ持って行けばいいんだッ!」
津 田「お目付け役に…?」
(ゴオォォォアアーッ! 激怒する若造タジマヤ~ング!)
田島君「自分の巧妙・手柄のために…とんでもない話だ!(怒る怒る~)
たった一足違いで,ここを出たんでしょう?
走って追ったら,前の宿場ぐらいで追いつく!
どんな侍だ! 私が詫び状,書かせてやる!
それが嫌なら首に縄を付けてでも連れ戻してきてやる!」
(田島君てサ…怒らせたら,ほんとチョーコワッ…!)
たった一足違いで,ここを出たんでしょう?
走って追ったら,前の宿場ぐらいで追いつく!
どんな侍だ! 私が詫び状,書かせてやる!
それが嫌なら首に縄を付けてでも連れ戻してきてやる!」
(田島君てサ…怒らせたら,ほんとチョーコワッ…!)
マンペ「ドサクサに紛れて若造のカブを横取りしたが…
やっぱり田島君のほうが若いよ。
言うことが向こう見ずで,無鉄砲だ」
やっぱり田島君のほうが若いよ。
言うことが向こう見ずで,無鉄砲だ」
栗 「本物の若造が何をやるか…
後学のために,俺も付いて行ってみよう」
後学のために,俺も付いて行ってみよう」
マンペ「ああ…年寄りはそうしてあげなさい」
栗 「ンン…?…本物の年寄りは行かないのか?」
と言われた「本物年寄りマンペーさん」は…
オセツと一緒にゼゲンのもとへ行き,
証文をブン取ってやった。
オセツと一緒にゼゲンのもとへ行き,
証文をブン取ってやった。
マンペ「七夕様のおかげだよ」
と言って,オセツを故郷へ帰してやることに成功。
一方,一足違いで旅籠を出立した目付役の倉内を追いつめた田島君と栗。
(怒りのタジマ鬼ヤンマの『ヤングマン』に触発され,
栗は後学のために【何の?】…同行。)
(怒りのタジマ鬼ヤンマの『ヤングマン』に触発され,
栗は後学のために【何の?】…同行。)
地面に倒れ,「斬れ!」と叫ぶ倉内だが…
田島君は「斬らん!」と言い,江戸へ行って自ら証言するよう促す。
田島君は「斬らん!」と言い,江戸へ行って自ら証言するよう促す。
間もなく駆けつけた津田と栄助は,倉内の前に正座し,再度,罪人の取調べをして欲しいと頼み,江戸へ送った調書を取り消すよう倉内に進言する。その上で,決して目付役である倉内の手落ちにしないことを誓った。
倉 内「それだけで,いいのか?」
…命拾いした倉内は,津田の申し出を素直に聞き入れた。
そして,津田たちのその後を案じつつ,
自称「ワカゾー(鬼ヤングマン)」たちは,その場を去った。
自称「ワカゾー(鬼ヤングマン)」たちは,その場を去った。
その頃,オセツは,青葉輝く田舎道を走っていた。
故郷の母親と無事,再会するオセツ。
あとを追ってくる者は,誰ひとりいない。
(トンボの季節じゃないけど? オニヤンマが飛びまくっていた。)
刺客のひそむ夜
武家へ奉公する中間(チューゲン)の男・佐吉は,
侍よりも勇敢であった。その「佐吉」役は近藤正臣さん。
これまでも数回,用心棒シリーズに登場しています。
板前,和菓子職人,飛脚の役…今度は「中間(チューゲン)」の役。
参考までに,武家奉公人の役割を記しておきました。
侍よりも勇敢であった。その「佐吉」役は近藤正臣さん。
これまでも数回,用心棒シリーズに登場しています。
板前,和菓子職人,飛脚の役…今度は「中間(チューゲン)」の役。
参考までに,武家奉公人の役割を記しておきました。
◆◇◆◇◆武家奉公人◆◇◆◇◆

武家奉公人(ぶけほうこうにん)とは、文字通り、武家に奉公する者を言う。武家奉公人は「若党」「中間」「小者」などの呼称があるが、地域、藩、各武家によっても意味合いに差がある。
▼若党 (わかとう)▼
戦国期には、郎党の中の新しい者、若い者を指すことがあった。
また江戸期でも大身旗本に使えている人物を指す場合に若党の呼称を用いることがあり、武士身分である場合があった。
▼中間 (ちゅうげん)▼
脇差1つを挿し、時には戦いにも参加し、平時は雑用を行った。
大名行列等では奴(やっこ)の役を務めた。
藩に正式に採用される家は足軽と同等扱い、それ以外は平民身分。
“渡り中間”に代表されるように、一時限りの奉公の場合が多い。
その場合は今で言う“みなし公務員”。
▼小者 (こもの)▼
私的武家奉公人。住み込みで主に雑用を行った。「小人」「下男」とも言う。町方同心が捕物で使う者を「小者」と呼ぶことも。平民身分。

『俺は用心棒』第13話
街道筋の飯屋へ来た「室戸作兵ヱ」という浪人が,そこで待っていた浪人と何やら示し合わせ,すぐ店を出て行った。
雷鳴轟く街道を急いで来る旅姿の侍・「矢崎」と,荷物持ちの中間(チューゲン)・「佐吉」。彼らは,主の逗留する場所へ向かっていた。
「街道は豪雨になる」と予測した矢崎は,飯屋へ寄ることにした。荷物持ちの佐吉は,一刻も早く主のもとへ到着すべきだと矢崎へ申し入れるが,何故か矢崎は飯屋で待機することを固持し,「雨の中を急いでも雷に打たれる」「荷物が濡れる」などの理由を並べて先を急ごうとはしなかった。
その飯屋の奥からマンペーさんが顔を出し,天気の予想をし始める。
マンペーさんの天気占いの結果,奥で寝ていた栗も起こされるはめに…。
マンペーさんの天気占いの結果,奥で寝ていた栗も起こされるはめに…。
田島君「行きましょう,起きてください」
栗 「雨になるのではないのか?」
田島君「天地正大流の天文術では,街道は降らないそうです」
栗 「ンッ,フ~ン…そうか,では,大先生を信用するか」
栗が店から出るとき,そばにいた矢崎が何らかの合図をしながらジッと見つめる。
店を出たマンペーさんは,また,お天気占いをする。
マンペ「風,西より吹き…まてよ…風,西に吹き…
こりゃ,だいぶ違うな…ま,いいだろう,
人間相手の占いだって,当たるもハッケだ。
雲の上の雷様相手だ。聞いてみるわけにイカンしなァ」
こりゃ,だいぶ違うな…ま,いいだろう,
人間相手の占いだって,当たるもハッケだ。
雲の上の雷様相手だ。聞いてみるわけにイカンしなァ」
田島君「大丈夫かなあ…だいぶ空,暗いようですよ」
マンペ「なに言ってるんだあ,古来,軍学兵法において
天文術の占める力は大きい。任しておきなさい」
天文術の占める力は大きい。任しておきなさい」
栗 「まあいいだろう。
一膳飯屋の勘定を気にしながら飲んでいるよりは気が楽だ」
一膳飯屋の勘定を気にしながら飲んでいるよりは気が楽だ」
マンペ「あれェ…意外と,お見通しだなあ…」
寂れた(もと)茶屋の中で,雨宿りする栗たち…
田島君「天地正大流の天文術も裏目に出たもんですね」
マンペ「ま…そのうちやむけどね…私の研究・調査によれば,
雨というものは大抵いつか必ずやむことになってる」
雨というものは大抵いつか必ずやむことになってる」
田島君「(笑)…」
マンペ「不思議なもんでなあ…どんなひどい雨でも,
やまない雨というのは未だかつて記録にはない。
コレだけは間違いない,安心していなさい。
この雨は,必ずやみますよォ…」
やまない雨というのは未だかつて記録にはない。
コレだけは間違いない,安心していなさい。
この雨は,必ずやみますよォ…」
田島君「でしょうねェ…(含み笑いでニヤニヤ)…」
栗 「俺は寝るぞ,酒でも手に入れたら,起こしてくれ」
マンペ「オイオイ…ほんとに寝ちまうのか?」
栗 「心配するな,人間,どんなに寝ていても,
そのうちいつか必ず起きることになっている」
そのうちいつか必ず起きることになっている」
田島君「アッハッハ(爆笑)!」
マンペ「技あり!」
と,ちょうどそこへ,「オシン」という娘が雨宿りに来る。
オシンは,もと茶屋だったその小屋に住んでいたが,
父親が亡くなったため茶屋をたたんだあと,
村人の休憩所として小屋を無償で提供していた。
父親が亡くなったため茶屋をたたんだあと,
村人の休憩所として小屋を無償で提供していた。
するとまたその小屋へ,矢崎と一緒にいた荷物持ちの佐吉が来た。
先程の飯屋でマンペーさんの話を聞き,信用して来たらしい。
先程の飯屋でマンペーさんの話を聞き,信用して来たらしい。
「庄左ヱ門の屋敷」に奉公しているというオシンに,佐吉は「杉原という侍が,病で屋敷へ一時滞在していないか」と尋ねる。
オシンによれば、「幸い杉原の容態は心配ない」とのこと。
雨上がりを機に,オシンと佐吉は一緒に庄左ヱ門の屋敷へ向かった。
オシンによれば、「幸い杉原の容態は心配ない」とのこと。
雨上がりを機に,オシンと佐吉は一緒に庄左ヱ門の屋敷へ向かった。
道すがら,佐吉は,母親の店を手伝って甘酒を作っていたことを話す。
もと茶店の娘オシンと似た境遇から,ふたりは親しくなる。
もと茶店の娘オシンと似た境遇から,ふたりは親しくなる。
庄左ヱ門の屋敷に滞在中の杉原という侍は,家中の廻船業者と船奉行との癒着による不正(私利私欲に走る不法行為)を改めるべく,現在の船奉行の後任として抜擢され,急ぎ城下へ赴く予定であったが,旅の疲れから,一時,知人である庄左エ門の屋敷へ逗留していた。
その頃,杉原の家来である矢崎は,浪人の「室戸」と飯屋で密かに会い,主君を襲わせる手配をする。
やがて栗たちが雨宿りする小屋にきた室戸ら浪人は,襲撃へ加わるよう打診する。それを栗は,とりあえず引き受けた。気をきかせて小屋へ酒を持ってきた佐吉は,主君暗殺の襲撃話を聞いてしまい,浪人たちに捕まる。
「待てィ…」と声をかける栗。
佐吉の持って来た酒樽が,地面にあるのを指摘するマンペーさん。
マンペ「酒の恨みは食い物の恨みよりも怖いぞ…なあ,ダンナ(栗)」
栗 「当たり前だァ!」
栗は室戸ら浪人たちを即刻ノシて,佐吉を助ける。
栗は室戸ら浪人たちを即刻ノシて,佐吉を助ける。
ノビた浪人連中の中には,佐吉が知る船奉行の用人と,廻船業者の商人がいた。
次期船奉行になる杉原の事情を栗たちに打ち明ける佐吉は,「側近の矢崎という侍が守っているから大丈夫だ」と言うが,栗たちは,その矢崎が一番ヤバイのでは…と睨む。
その頃,杉原のいる屋敷へ到着していた矢崎は,佐吉が外出したことをオシンにキツく詰問する。しかし,おっつけ駆けつけた栗たちによって,矢崎はミネウチでノサれる。
矢崎の裏切りを知った杉原は,城下までの道中,栗たちに護衛をして貰えないかと頼む。
栗 「俺たちは,オヌシがどこの城下の家中かも知らん。
できれば行きずりの無縁の争いには関わりたくない」
できれば行きずりの無縁の争いには関わりたくない」
そばにいたオシンがジッと不安そうに栗を見つめると…
栗 「だが…その若者(佐吉)は,わざわざ今夜,
酒を届けにきてくれた。
それを思えば,無碍に断るわけにもゆくまい。
どっちにするか,旦那(マンペーさん),
天地正大流の天文術で占ってくれ」
酒を届けにきてくれた。
それを思えば,無碍に断るわけにもゆくまい。
どっちにするか,旦那(マンペーさん),
天地正大流の天文術で占ってくれ」
マンペ「ンあ~?…天文術かあ?
おまえ(佐吉に向かって),信用するかね?」
おまえ(佐吉に向かって),信用するかね?」
佐 吉「はい!」
田島君「当分,ネグラの心配は,なくなった…」
マンペ「そう,はっきり言うなよォ…
天文術の値打ちがなくなるじゃないか…」
天文術の値打ちがなくなるじゃないか…」
マンペー占い「当たるもハッケ,当たらぬもハッケ」
…いい加減さ丸出し。
…いい加減さ丸出し。
結局,栗たちは,杉原の護衛をしながら城下まで行くことになった。
荷物持ちの佐吉も同行し,6日後には戻る予定だった。
そして6日後,佐吉の帰りを待ちわびるオシンのもとへ,マンペーさんが姿を現す。
「妨害があった城下の様子」を伝え,敵は全て倒したことを話す。
そして佐吉は…
中間としてコマネズミのように働いた。
危険な使い走りを一人でやって…死んだ。
死に際に,「茶店の甘酒」と言って,息を引き取ったという…。
道端で号泣するオシン。
佐吉と共に甘酒屋を営む,ほのかな期待を抱いていたオシンだったが…
その夢は,無惨に散った…。
暁に染まるころ
日照りの街道を独り歩いてきた栗ちゃま…暑そうだニャ~。
…「アッチィ~」
(声が聞こえてきそう。)
『俺は用心棒』第12話
(声が聞こえてきそう。)
『俺は用心棒』第12話
(大雑把なあらすじ)
日照り続きで水不足の農村を訪れた栗たちは,
代官所の裏手にある池の水門を開放してやった。
これにより,隣接する農村同士が,
田へ引く水を巡って互いに「血戦」をせずに済んだ…
という,一見,単純なお話。
代官所の裏手にある池の水門を開放してやった。
これにより,隣接する農村同士が,
田へ引く水を巡って互いに「血戦」をせずに済んだ…
という,一見,単純なお話。
浪人の惣助は道端で出合った栗に「井戸の水が枯れている」ことを話す。
そして,「水を発生させること」に協力してほしいと頼む。
だが,
そして,「水を発生させること」に協力してほしいと頼む。
だが,
栗 「バテレンや巫女じゃなし,雨乞いなんかできん」
と断る。(バテレン=キリシタン=キリスト教徒)
栗とは別に,マンペーさんと田島君は,道端で出合った百姓たちから,
「隣村の水をブン取るために協力してほしい」と頼まれる。
「隣村の水をブン取るために協力してほしい」と頼まれる。
田島君「ねえ,どうするつもりです?」
マンペ「どうしようかねえ…」
田島君「当てはないんでしょう?」
マンペ「といって,水騒動の,お先棒かついで
百姓同士の争いを手伝うわけにはいかんしなァ…」
百姓同士の争いを手伝うわけにはいかんしなァ…」
田島君「向こうの百姓だって同じ気持ちでしょう」
マンペ「そうなんだ。力ずくで水を取ったら,
今度は必死になって取り返しに来るだけだ」
今度は必死になって取り返しに来るだけだ」
田島君「でしょうね…」
マンペ「代官に,かけあってみるか?」
田島君「多分,門前払いでしょうね」
マンペ「う~ん…だろうねえ…」
田島君「どうしましょう?…」
マンペ「ああ…こういう時は…(立ち止まる)…
キミは武芸者として“守破離(シュハリ)”
という言葉を知ってるかね?
守る・破る・離れる…」
キミは武芸者として“守破離(シュハリ)”
という言葉を知ってるかね?
守る・破る・離れる…」
田島君「はあ…教わったことはあります」
マンペ「自らを守るを第一段階,次には敵を破る,
それ以上極意を極めると…闘いを離れて超越する」
それ以上極意を極めると…闘いを離れて超越する」
田島君「それが…田んぼの水と,どう関係があるんです?」
マンペ「いや,つまりこの際,どう考えてもウマくいかない
田んぼの水から離れる」
田んぼの水から離れる」
田島君「エエ…?」
マンペ「この問題を超越して…例えば一杯飲む。
案外名案が浮かぶことがある。
それが武芸の極意だ」
案外名案が浮かぶことがある。
それが武芸の極意だ」
田島君「ンフッ…(笑)」
マンペ「ま,とにかく一杯やりましょう」
田島君「(笑)…結構な極意ですねっ!」
マンペ「ああ。流派によって,何事も解釈が違うんだ」
既に栗は,居酒屋で焼き魚をパクついていた。
おっつけ居酒屋へ来たマンペーさんたちに,
「オヌシらナニしてたん?」…と聞く栗。
「オヌシらナニしてたん?」…と聞く栗。
マンペ「実は,水騒動の百姓たちに頼まれてな,
今夜,隣の村の田んぼの水を取ると言うんだよ。
止めてはみたものの…
止めれば百姓たちは干上がるし…水を奪ったら…
今度は向こうの百姓たちが奪い返しに来るだろうし…」
今夜,隣の村の田んぼの水を取ると言うんだよ。
止めてはみたものの…
止めれば百姓たちは干上がるし…水を奪ったら…
今度は向こうの百姓たちが奪い返しに来るだろうし…」
田島君「みんな生き死にの問題ですからねえ…
あいだに入って途方にくれてるところですよ」
あいだに入って途方にくれてるところですよ」
栗 「ヘヘ(笑)…途方にくれて,酒を飲みに来たのか?
(ダイコンパクリ)」
(ダイコンパクリ)」
田島君「いや…天地正大流師範のお言葉によると,
それが武芸の極意だそうです」
それが武芸の極意だそうです」
オ~グチ開けてダイコン食べる栗。
代官は,地元の有力者(商屋)を意のままに遇するのが至上命題であり,
飢えと乾きに農民が苦しんでいても「いつもと同じだけ年貢の取り立てしてね」…と,商屋たちに命じて知らんぷり。己の出世や地位を保つことだけしか考えていない。
飢えと乾きに農民が苦しんでいても「いつもと同じだけ年貢の取り立てしてね」…と,商屋たちに命じて知らんぷり。己の出世や地位を保つことだけしか考えていない。
しかも池には幕府の守護神である「東照大権現(トーショーダイゴンゲン=徳川家康)」が奉られているし,水門開けて田んぼへ水流して,万一,池の水が干上がったら代官職クビだし…だァから水門なんか開けたら困るんだモ~ン!という代官所の得手勝手な都合があるため「水門開けろ!」と直談判しても無駄…というのが前提にあった。
田島君「しかし…代官というのは…」
栗 「百姓を守るためにあるのではない。
百姓から年貢を取り立てるために来ている」
百姓から年貢を取り立てるために来ている」
田島君「では,どうしようと言うんです?」
栗 「百姓と代官にかわって…俺が池の水を落とす」
(複雑な関係者の事情)
水門を開け放つことを提案したのは,もと代官所の手代・江口惣助だった。惣助は,水飲み百姓のセガレ(息子)として生まれ,幼少の頃より奉公へ出された。将来を考えて代官所の手代になるべく苦労したおかげで,代官所の職に就いた。惣助は,日照りの水不足に苦しむ村の農民のために,田へ引く水源となっている代官所裏の池の水門を独りで開けようとしたが失敗。惣助の計画は事前に代官所へ通報されており,役人の手が回った。
捕らえられ,牢屋送りとなった惣助は,その三年後,再び浪人に身をやつして村へ舞い戻った。惣助は,捕まる前,ひとりで思いついた水門開口計画を,代官所へ奉公して間もないオマサという女にだけ打ち明けていた。
惣助が村へ戻ったのは,もう一度,水門を開けるためだったが,それ以外に,三年前,オマサが密告したのか否かを確かめるためでもあった。
惣助は,オマサを好いていたが,オマサには奉公前から亭主がいた。
代官所の奉公は,三年間のタダ働きと決まっており,これを短縮するには,代官とネンゴロになる…というのが大方の裏条件だった。
代官所の奉公は,三年間のタダ働きと決まっており,これを短縮するには,代官とネンゴロになる…というのが大方の裏条件だった。
代官所の裏事情を知り尽くしていた惣助は,自分が罪人として捕まる一方,「オマサが一年足らずで代官所の奉公を終わらせた」という話をオマサの父親である居酒屋の主から聞く。やはり当時の計画は,オマサによって通報されたか,もしくは代官のテゴメにされた結果,奉公が短縮されたか,そのいずれかに違いない…と,惣助は推察する。
オマサの実家である居酒屋で,栗たちを前に,そんなドロドロの話をする惣助だが,偶然そこへ帰ってきたオサマとその亭主が聞いてしまう。
再会したオマサを非難する惣助。
だが,水門開口計画を代官へ通報したのはオマサの亭主だった。
だが,水門開口計画を代官へ通報したのはオマサの亭主だった。
亭主は,新婚間もなく奉公に出されたオマサを早く家に戻したい一心で,そうしたという。
真相を知った惣助は激怒して,平常心を失う。
人妻のオマサに気を許した結果,かつての水門開口計画が失敗しただけでなく,苦学の末に,ようやく手にした代官所の手代の任を解かれて罪人扱いされ,これまでの人生や将来までも台無しにされた恨みを露わにする惣助は,他人を犠牲にして自分達の幸福だけを求めたオマサ夫婦に対する憎しみで逆上し,勢い刀を抜いてオマサ夫婦へ襲いかかった。
オマサの亭主は腕を少し斬られた…が,その刹那,
惣助は,栗にバッサリ瞬殺されちった…。
惣助は,栗にバッサリ瞬殺されちった…。
(『新選組血風録』では,田島君【沖田総司】にヤラレたね,この惣助=『長州の間者』。)
その後,栗たちの襲撃によって池の水門が開かれた。
田んぼに水が行き渡り,乾いた農村の農民たちは救われた。
経緯はどうあれ,水門を開け放つことを実行しようとした惣助のおかげだった。
田んぼに水が行き渡り,乾いた農村の農民たちは救われた。
経緯はどうあれ,水門を開け放つことを実行しようとした惣助のおかげだった。
惣助の死後,その功績を称えるかのように,池のほとりには小さな祠(ほこら)が建った。自戒するオマサ夫婦や,惣助を密かに慕っていた代官所奉公の女が,夫々,惣助の死を悼み,祈りを捧げる…。
枇杷の実る宿
『俺は用心棒』第11話
亡父の代から,行商人たちを相手に細々と営んできた素人宿屋があった。
宿を切り盛りする娘・サト。そして,まだ少年の弟・勘太と,老身の母がいた。
宿を切り盛りする娘・サト。そして,まだ少年の弟・勘太と,老身の母がいた。
サトは,父の死後に発覚した巨額な宿屋の借金と赤字財政を立て直すため,「梅本」という城下の若侍をはじめとする七人の侍を宿の常連客として招き入れ,彼らに身を任せては金を稼いで借金を返済していた。
弟の勘太は,宿屋の手伝いをしていた。サトの代になってから,馴染みの行商人たちを全て断り,城下の侍だけを相手にする商売のやり方に,勘太は不満を抱いていた。
もともと素人宿は,月に一度程,城下を訪れる行商人たちが寝泊まりに困らぬよう,亡き父の親切心で設けられたものだった。
サトは,かつて借金返済を迫られた際,城下の「西村」という若侍に助けられたことから,西村が紹介した若侍たち七人を得意客として手厚くもてなしていた。
そんな素人宿の小さな庭先には枇杷(びわ)の木があった。
たわわに実ったビワは,若侍の「梅本」専用らしく,
梅本が勝手にもいで食べるもの…と,サトが言うほど,梅本とサトは懇意の仲であった。
たわわに実ったビワは,若侍の「梅本」専用らしく,
梅本が勝手にもいで食べるもの…と,サトが言うほど,梅本とサトは懇意の仲であった。
ビワの香りが漂う城下を訪れたマンペーさんと田島君は,
いつもの如く金欠病だった。
いつもの如く金欠病だった。
マンペ「手持ち資金はビワを二つ買うだけしかない」
従って,稼ぎ頭の栗は,城下へ着くなり,
田島君「厄介な仕事を引き受けたらしい」
その「厄介な仕事」とは,素人宿屋を営むサトの用心棒をすることだった。依頼主は梅本。
栗が宿へ訪れると,
勘 太「母さん,変な侍が来たよ。
姉さん,困ってるよ。図々しいのさ,
案内もしないうちに,勝手に上がってきたんだ…」
姉さん,困ってるよ。図々しいのさ,
案内もしないうちに,勝手に上がってきたんだ…」
と,思いっきり“変人”扱いされる栗…(当たってるヨ)。
栗 「城下の侍に頼まれて,用心棒として護衛しに来た」
そうサトに話し,勝手に座敷へ上がってゴロ~ンとゴロ寝で酒を飲む。
(トックリにクチつけて,ゴクュリッチュ~❤)
サトの宿の常連客である侍たちは,誰が城下へ自分たちを「不平分子の集まり」などと密告したのか,疑心暗鬼になっていた。
宿を最初に紹介した西村が重臣たちに告げ口したものと勘違いした侍の「近藤」は,宿へ来た仲間と二人で西村を斬ってしまう。
宿を最初に紹介した西村が重臣たちに告げ口したものと勘違いした侍の「近藤」は,宿へ来た仲間と二人で西村を斬ってしまう。
(ゴロ~ン…背串ィ~モンなしロ~ニ~ン❤)
栗 「俺は,おまえの用心棒を頼まれて来たのだ。
表で斬り合う侍を止めに来たのではない」
表で斬り合う侍を止めに来たのではない」
(「侍たちが暴れ出したら俺が鎮める」って言ってたヨ~な~…?)
やがて侍たちは,西村と近藤が「山林見廻り勤務」を命じられ,梅本だけが同じ処遇ではないことを知り,裏切り者は梅本だと気付く。
サトの宿へ集まって書物を読みふけっていた西村・早瀬・近藤ほか七人の若侍を,「不平分子の侍たちが集まって重臣らの悪口を言っている」と城下へ密告したのは梅本だった。梅本以外の侍仲間は,“山林・見廻り勤番”という一生ウダツの上がらない勤務に配置換えを命じられ,梅本だけは,内密に江戸へ昇進・転換されることになっていた。
遅れてマンペーさんと田島君が,サトの宿屋へ到着する。
勘太は,たまらず,侍ばかり宿へ呼び込むサトに文句を言う。
宿屋の赤字が発覚した当初,城下の侍を相手にすることを賛成した母親も,サトが侍たちに弄ばれていることを勘付いており,昔と同じ行商人相手の商売に戻したらどうかと言う。
勘太は,たまらず,侍ばかり宿へ呼び込むサトに文句を言う。
宿屋の赤字が発覚した当初,城下の侍を相手にすることを賛成した母親も,サトが侍たちに弄ばれていることを勘付いており,昔と同じ行商人相手の商売に戻したらどうかと言う。
しかし,サトには聞き入れる余地などなかった。勘太はサトに子供扱いされ,たまらず外へ飛び出す。と,ちょうど梅本が宿の前に来ていた。
梅本は,栗たちの部屋へ向かい,用心棒代の小判を放り投げる。
栗 「江戸へ行くのなら,何故,女(サト)を一緒に連れて行かん?」
尋ねると,梅本は,藩命を受けて江戸へ赴任する対面を気にし,
梅 本「こんなところの女を連れて行かれるかっ!」と吐き捨てる。
梅本の言葉を聞いた栗は,
栗 「この金は返す」
と,用心棒代を受け取らずに突っぱねた。
田島君「フンッ…江戸へ行くのがそんなに楽しいのかな…」
と皮肉る田島君。
その話しを庭で聞いていた勘太は,実ったビワを怒りに任せて棒で叩き落とす。
梅本は,宿へ駆け付けた仲間の襲撃を避けるため,庭先の納屋へ隠れ,
誰にも言わぬようサトへ申し渡す。
誰にも言わぬようサトへ申し渡す。
田島君や栗たちは…子供(勘太)がマズイ…と予測する。
宿へ来た侍たちから梅本の居場所を尋ねられ,シラを切るサト。怒った侍たちは「誰にでも身を任せる汚らわしい女」…と,ボロクソに罵る。サトが罵倒される様子に耐えかねた勘太は,梅本が庭の納屋に隠れていることを喋ってしまう。サトは咄嗟に納屋の前へ走って行き、梅本を守ろうとする。その背後へ襲いかかる侍たち…だが,奥からスッ飛んできた栗が残らずぶっ倒す。
納屋から出てきた梅本は,告げ口した勘太に激怒して刃を向ける。
そこへ田島君が入って勘太を守り,梅本が仲間を裏切っただけでなく,サトまでも裏切ったことを指摘する。
そこへ田島君が入って勘太を守り,梅本が仲間を裏切っただけでなく,サトまでも裏切ったことを指摘する。
開き直った梅本は,サトの前で,
梅 本「こんな女,初めっから問題にしとらんっ!」
と,平気で言い放ち,冷淡に鼻で笑う。
出世のために平気で自分を裏切る梅本に絶望したサトは,倒れている侍の脇差を抜こうとした途端,梅本に斬られ…その梅本を横から田島君がバッサリ…斬った。
サトと梅本は,ビワが転がっている庭先で,息絶えた。
サトの亡骸にすがり付いて号泣する勘太と母親…。
サトの亡骸にすがり付いて号泣する勘太と母親…。
栗 「行こう…とんだ巻き添えをくった…」
田島君「変なもんですね,仲の良かったはずの二人が…
最後に憎しみ合って,一緒に死んでしまった」
最後に憎しみ合って,一緒に死んでしまった」
マンペ「おかしなことは沢山あるさ。それにしても,
あんなに熟れるまで,どうしてビワを取らなかったのかなあ」
あんなに熟れるまで,どうしてビワを取らなかったのかなあ」
用心棒たちは,城下を去った。
その後,サトの素人宿は潰れた。
弟の勘太と,その母親の行方は知れない…。
廃墟となった家に住む者はなく,ビワの臭いだけが路地に漂った…。
弟の勘太と,その母親の行方は知れない…。
廃墟となった家に住む者はなく,ビワの臭いだけが路地に漂った…。
※「栗ちゃま用心棒」→「栗」と簡略化。
役の名前もないことだし,メンドーだし…あしからずなノラ~。
役の名前もないことだし,メンドーだし…あしからずなノラ~。
噂の中の女
「エ゛ッ…?!」
コブタ♪♪…タヌキ♪♪…キツネ♪♪…(×ネ~コ×)…
♪イ~ヌ♪(噂の男)
コブタ♪♪…タヌキ♪♪…キツネ♪♪…(×ネ~コ×)…
♪イ~ヌ♪(噂の男)
『俺は用心棒』第10話
春の権現参りに来る客を呼び込む宿場町。
そこを取り仕切るヤクザ連中の間で,ちょっとした騒動があり,
裏街道でチンケなヤクザの親分マンゴロウが襲われていた。
そこへたまたま居合わせた栗が,飛びかかるゴロツキヤクザをミネウチでノシてやったところ,マンゴロウからイタく気に入られ,ヤクザ一家へご招待されることになった。
(ヘンなヤツに好かれた栗)

そこを取り仕切るヤクザ連中の間で,ちょっとした騒動があり,
裏街道でチンケなヤクザの親分マンゴロウが襲われていた。
そこへたまたま居合わせた栗が,飛びかかるゴロツキヤクザをミネウチでノシてやったところ,マンゴロウからイタく気に入られ,ヤクザ一家へご招待されることになった。
(ヘンなヤツに好かれた栗)

同じ頃,道端で休憩していた行商人の国造と民助は,街道をひとりで歩いて行く材木問屋「ミノ屋」の女房「オヨウ」の姿を見かける。
ミノ屋は,番頭・手代・小僧などを含め,総勢二十名ほどの使用人がいる豪商だった。主である年寄り亭主より三十才も若い後妻の女房オヨウが,
たった一人で街道を行くことなどあり得ないはずだが…と,民助は言う。
たった一人で街道を行くことなどあり得ないはずだが…と,民助は言う。
旅籠モミジ屋では,商屋の主人ら四名が逗留していた。
それぞれ権現参りで商売の厄落としに来たとのこと。
藩の売り物である材木を一手に引き受ける材木問屋ミノ屋の商魂逞しさを,商屋の主たちは羨やみ,妬んでいた。
彼らのうちの一人が,偶然,旅籠へ来たミノ屋の女房オヨウを見かける。
オヨウは,追っ付け「清吉」というミノ屋の番頭が来ることを女中に申し渡して奥へ入った。
それぞれ権現参りで商売の厄落としに来たとのこと。
藩の売り物である材木を一手に引き受ける材木問屋ミノ屋の商魂逞しさを,商屋の主たちは羨やみ,妬んでいた。
彼らのうちの一人が,偶然,旅籠へ来たミノ屋の女房オヨウを見かける。
オヨウは,追っ付け「清吉」というミノ屋の番頭が来ることを女中に申し渡して奥へ入った。
それを聞いた商屋の主たちは,番頭が主人の女房と逢引もしくは駆け落ちしたものと推察する。一方,モミジ屋へ到着した国造と民助も,オヨウと清吉が旅籠にいることを女中から聞き,その座敷へ行って直談判し始める。
民助と国造は,行商の品物全部を買うよう強引にオヨウへ申し入れたが,
番頭の清吉から断られたため,三人で取っ組み合いの喧嘩となる。
勢い隣の座敷の襖をブッ倒して転がり込む民助と清吉。
と…そこでひとり寝ていたのは田島君だった。
(機嫌チョーワル顔)

番頭の清吉から断られたため,三人で取っ組み合いの喧嘩となる。
勢い隣の座敷の襖をブッ倒して転がり込む民助と清吉。
と…そこでひとり寝ていたのは田島君だった。
(機嫌チョーワル顔)

田島君「ちょっと静かにしてくれませんかあ?
こっちは寝てるんですよォ…」
こっちは寝てるんですよォ…」
マンペーさんがデコにダイコンパンチ入れてKO…
(新選組の「斉藤対決」に勝利したマンペーさん)。
(新選組の「斉藤対決」に勝利したマンペーさん)。
オヤジ「オキャクサアァンッ!!」
(“親指顔”でダメを押すオヤジ)
(“親指顔”でダメを押すオヤジ)
その後,田島君とマンペーさんは,オヨウと清吉の事情を聞く。
ミノ屋の主人・デンゾウは,材木奉行と結託して御法に触れる商いをしており,番頭の清吉がいくら忠告しても,デンゾウが全く聞き入れなかったため,思いきった清吉がオヨウと共に役所へ届け出たとのこと。
ミノ屋の主人・デンゾウは,材木奉行と結託して御法に触れる商いをしており,番頭の清吉がいくら忠告しても,デンゾウが全く聞き入れなかったため,思いきった清吉がオヨウと共に役所へ届け出たとのこと。
別室にいた商屋の主ら四人は,そんな事情を全く知らず,二人が駆け落ちしたものと邪推したままオヨウと清吉の部屋へ行き,「仲を取り持ってやる」だの,「ミノ屋の主人に口利きをしてやる」などと,それぞれ(見返りを期待して)申し出る。
間もなく旅籠へ御用役人の手入れが入り,「ミノ屋の事情を知っている」と知ったかぶった四人の主らは,役人に捕まってしまう。役人たちが追っているミノ屋の主人デンゾウは,捕縛の際に役人を斬り付けて逃亡していた。
清吉とオヨウは旅籠を出立し,夜道を歩いて行くことにした。
一方,旅籠から追い出された国造と民助は,昔なじみのヤクザの親分マンゴロウのもとを訪ねていた。
栗 「役に立たんかも知れんゾ」
ノラリクラリの栗は,酒を飲み放題。
国造たちの申し出を聞いたマンゴロウは,早速,手下を手配してオヨウと清吉の行く手を阻む。とりあえずヤクザの用心棒として臨場した栗だが,
マンゴロウの「ヤッチメエ!」号令を完全無視し,最初から役に立たんかも知れんと言ったじゃねえかヨ~と,あっさり裏切る。
マンゴロウの「ヤッチメエ!」号令を完全無視し,最初から役に立たんかも知れんと言ったじゃねえかヨ~と,あっさり裏切る。
旅籠モミジ屋へ戻った栗は,国造たち行商人の荷物を持ち帰って来た。
大安売りで,安物のオシロイまで顔に塗ったくるマンペーさん。
逃げたオヨウと清吉は…ミノ屋の主人デンゾウとバッタリ遭遇。
自分を密告した清吉と,亭主を捨てたオヨウを許せないデンゾウは,刃物を抜いて清吉に斬りかかる。恐怖に駆られたオヨウは,必死で取っ組み合う男たちの前から逃げ出してしまう。
翌日,旅籠を出立した栗たちが見たものは…
清吉とデンゾウの死体だった。
その場にオヨウの姿はなかった。
清吉とデンゾウの死体だった。
その場にオヨウの姿はなかった。
どこかへ消えてしまったオヨウの噂は,やがて消えた。
時が経ち,栗たちは場末の居酒屋で,偶然,オヨウを見かける。
オヨウも栗たちに気がつき,慌てて奥へ逃げ隠れる。
気まずさを感じた栗たちは,そこから立ち去った。
するとオヨウは急いで店の外へ出てきた。
オヨウも栗たちに気がつき,慌てて奥へ逃げ隠れる。
気まずさを感じた栗たちは,そこから立ち去った。
するとオヨウは急いで店の外へ出てきた。
身を持ち崩したオヨウは,通りすがりの旅人を色仕掛けで店に引き込む商売女になっていた。
折れた刀
刀剣の作図(曽川 彩氏作)
▼据物斬り(スエモノギリ)▼

▼据物斬り(スエモノギリ)▼
日本刀を用いて実際に物を斬る「据物斬り」…斬り据える方法は、一般的に云って最も袈裟斬(けさぎり)が多く、これは剣道の正面打ち等とは一線を画している。つまり据物斬りの剣術は、「どうすれば斬れるか」ということに焦点を合わせ、竹刀競技と異なり、小手・面・胴のポイントをとるための打ち込みとは違うということだ。袈裟斬りでは、切断物体を30度から40度の角度で侵入し、これを斬り付ける。侵入角度を厳守して「引き斬り」をすることが大事である。日本刀は刃筋を糺(ただ)し、正確な折り目をつけて理(ことわり)通りに用いれば、必ずその理において斬れるように作られている。こうした理を無視して、自分勝手に腕力などの力で斬ろうとすると、日本刀は切断媒体を斬り付けただけで、「弾く」性質を持っている。これは侵入角度の間違いから起る。刀に弾かれることは愚かなことである。また、弾かれた刀は曲げやすく、据物斬りの経験の少ない人は、よく弾かれて刀を曲げてしまう。切断物質を切断するということは、弾かれず曲がらないようにしなければならないので、時代劇のチャンバラとは異なる。切断媒体が人間であるにしろ、あるいは試し斬りの濡れ巻きワラや竹であるにしろ、大根を切るのとは全く異なっているのである。刀技に優れた術者は、まず、敵もしくは切断媒体に触れた場合、柄の手の裡(うち)を絞り込み、それと同時に「引く」という動作を行う。「絞る」と「引く」という動作が伴わないとき、それは単に媒体に「当たる」というだけのことである。更に、当たり、弾かれるという現象が重なったとき、刀は醜く曲がるか、あるいは無慙に刃零して、それが名刀であったとしても、その価値を大幅に減少させるばかりでなく、刀の機能すら失わさせてしまうのである。この最たるものが、「元の鞘(さや)に納まらない」という愚かしい現象である。
(西郷派大東流合気武術より)
『俺は用心棒』第9話
先端を鋭く削った細い竹の棒で,川の鮎を仕留める初老の男がいた。山田十郎左ヱ門という,世に名の知れた“据物斬り(スエモノギリ)” の達人である。
沢山とれた鮎を駕籠に抱え,近くの飯屋へ向かう山田。
店には,栗たち用心棒が飲酒・飲食・飲茶などして,ご休憩中。
店には,栗たち用心棒が飲酒・飲食・飲茶などして,ご休憩中。
「鮎を棒で捕る」という山田の腕前に関心するマンペーさん。
山田は鮎を3匹取り出し,店のオヤジへ焼き魚にして提供するよう申し入れ,その場を去って行った。
山田は鮎を3匹取り出し,店のオヤジへ焼き魚にして提供するよう申し入れ,その場を去って行った。
「山田十郎左ヱ門」の名を店のオヤジから聞いた田島君は,山田の後を追いかけて行き,「後学のために」と懇願して,屋敷へ訪問する許しを取り付ける。普段は時間に余裕のある山田だったが,ちょうどその日に限って,城下の重臣家老と面談することになっていた。
山田の家には,息子の真介と,娘の八重,八重の夫の森川がいた。
真介は未成年で,剣術の腕は未熟なものだったが,真剣の刀を使いたいあまり,座敷の床の間に飾ってあった刀をこっそり持ち出し,庭先の竹で試し斬りを行なう。斬れ味鋭い刀剣の威力に興奮する真介は,次いでマキ割り用の木材を斬ろうとしたが,切断に失敗し,刃が木にくい込んでしまった。焦った真介は,慌てて刀を力任せに抜き取り,邸宅の方へ戻った。
しかし,刀を持ち出したことを義兄の森川に見つかり,叱られる。
しかし,刀を持ち出したことを義兄の森川に見つかり,叱られる。
城下へ向かう支度を整えた山田は,先程,真介が試し斬りに失敗した刀を腰に帯び,森川を供に従えて屋敷をあとにした。
城下では,領主の御落胤(ゴラクイン…隠し子)の「谷口」という剣士を
指南役に迎えようということになり,重臣家老ら全員一致のうえで事を進めていた。しかし,領主からは,現指南役のほか,据物斬りの名人である山田との試合に谷口が勝利しなければ登用を認めないと命じられたため,家老らは,現指南役に,わざと試合で負けるよう話をつけて対戦させ,谷口を勝たせた。次いで登城した山田にも「わざと負ける」よう打診したが,一流一派を貫き通して剣を極めた山田は,頑としてこれに応じない。既に家老のひとりは,領主に対して「谷口が山田と試合して勝利した」という報告を済ませていたため,なんとしても山田を谷口と対戦させるべく,長時間説得を試みたが,山田は頑として聞き入れなかった。
指南役に迎えようということになり,重臣家老ら全員一致のうえで事を進めていた。しかし,領主からは,現指南役のほか,据物斬りの名人である山田との試合に谷口が勝利しなければ登用を認めないと命じられたため,家老らは,現指南役に,わざと試合で負けるよう話をつけて対戦させ,谷口を勝たせた。次いで登城した山田にも「わざと負ける」よう打診したが,一流一派を貫き通して剣を極めた山田は,頑としてこれに応じない。既に家老のひとりは,領主に対して「谷口が山田と試合して勝利した」という報告を済ませていたため,なんとしても山田を谷口と対戦させるべく,長時間説得を試みたが,山田は頑として聞き入れなかった。
その頃,山田の屋敷には,田島君が訪れていた。
夕刻,庭先でマキ割をする真介に会った田島君は,「上手くできない」と言う真介に代わって,見事にマキを割ってみせる。
夕刻,庭先でマキ割をする真介に会った田島君は,「上手くできない」と言う真介に代わって,見事にマキを割ってみせる。
真介は得意そうに「父は刀でマキを割ったことがある」と田島君に話すが,先程,マキ割りを失敗して刃こぼれさせた刀のことが気になり,田島君に刀の手入れについて尋ねる。勘の良い田島君は,真介が刀をマキ割に使用して失敗したことを言い当て,刀の手入れや種類について教えてあげる(『刀の命は700年(血風録の沖田)』…とは言わないけどネ)。
一方,用心棒の栗とマンペーさんは,居酒屋で田島君の帰りを待っていたが,夜になっても戻って来ないので長居していた。当然,店の勘定は増え続け,マンペーさんも小銭を机上に並べながら,「今夜の宿は布団部屋かな」…「布団部屋も怪しくなったゾ…」…と手持ちの金を勘定しつつ,お手上げ状態。栗は栗で,
(困ったちゃん)

(困ったちゃん)

栗 「また道場破りでもするか…」
その嘆き節を,たまたま聞いていた城下の侍が,栗たちに「打って付けの仕事を紹介する」と持ち掛ける。侍は,仕事の詳細は言わず,ただ「ある人物を斬ってくれれば良い」という。
栗とマンペーさんは,怪しい覆面を被った侍たちと一緒に襲撃の場所へ向かった。やがて街道を来たのは,城下帰りの山田と森川だった。
抹殺を命じたのは,城代家老ら重臣とその下役。
栗とマンペーさんは,当然,刺客のほうは歯が立たんだろうと楽観視して,高見の見物を決め込む。
しかし,刺客の襲撃を受けた山田の刀身は,もろくも折れてしまう。
驚いた栗たちは急いで駆けつけるが,刀を折られた山田と,それを見て動揺した森川は,無惨にも刺客の剣に斬り倒されてしまう。
森川は息絶える際,山田の刀が折れたことをクチにしながら絶命する。
その頃,山田の屋敷では,田島君が真介と八重を交えて談笑しながら待っていた。やがてそこへ来た栗とマンペーさんから,山田が城下の侍たちに襲撃されて絶命したと聞き,真介らは愕然とする。
父の帯刀が折れたことを,自分のせいだと泣いて悔やむ真介は,
折れた刀を持ち,ひとりで父の仇討ちに向かうことを決意する。
折れた刀を持ち,ひとりで父の仇討ちに向かうことを決意する。
「家老たちが自ら山田の暗殺を認めるはずはない」と話すマンペーさんや栗は,真介の代理として家老のもとへ赴き,谷口という侍に対して山田の仇討ちを兼ねた試合の申し入れをする。
谷口という剣士も,江戸で数年間剣術修行をしただけあって,免許皆伝の腕を持つプライドの高い男だった。
かねて山田との試合を間近に控える折,家老から,突然「山田が病で急死した」との知らせを受けたが,これに不審を抱いた谷口は,山田が城下の侍に闇討ちされたのではないかと疑ってかかる。
谷口としても,一介の剣士として山田ほどの名人に打ち勝った暁に,晴れて正式に城の指南役として登用されることを望んでいたため,山田亡き後,その流派の者(遺族)と果し合いをするのは当然だと,すんなり承諾する。
ところが,功を焦る家老の都合により,急遽,深夜に仇討ちの果し合いが行なわれることになり,栗たちや家老らは,その場へ立ち会う。
真介は,折れた刀を鞘から抜き,武者震いしながら谷口と対峙する。
折れた刀を見て驚く谷口の前にシャシャり出た栗は,「それが山田の最後の帯刀であったこと」や,「山田が家老らの襲撃にあったこと」を暴露する。
折れた刀を見て驚く谷口の前にシャシャり出た栗は,「それが山田の最後の帯刀であったこと」や,「山田が家老らの襲撃にあったこと」を暴露する。
そして,白刃を抜いた栗は,
栗 「真介…よおォく,見ておけッ!」
と,真介の前に歩み出る。
勢い振り下ろされた谷口の切先を避けた栗は,
刹那の瞬間,谷口の刀を横殴りに折った。
刹那の瞬間,谷口の刀を横殴りに折った。
慌てた谷口は,脇差を抜いて応戦するも,
すかさず栗にミネウチされてバタンキュー。
すかさず栗にミネウチされてバタンキュー。
周りにいた家老や手下の侍も,
同じくその場にオネンネさせて,栗たちはズラかった。
同じくその場にオネンネさせて,栗たちはズラかった。
その後,山田の遺骨を抱えて城下から去って行く八重と真介の姿があった。あとを見送る田島君たち。
田島君「刀が折れたのが,自分のせいではないと…
(真介が)そう思っただけでも,良かった」
(真介が)そう思っただけでも,良かった」
マンペ「相手が相手だ。それ以外に,
あの二人にしてやれることはない」
あの二人にしてやれることはない」
栗 「行こう。追っ手が来るぞ」
そして,栗たちも城下を去った。
同じく,城下から二人の剣士の姿も消えた…。
ひとりは…刀を折られて栗に負けた谷口と,
もうひとりは…谷口にわざと負けた元指南役の男。
惨めに雨ざらしで路頭を彷徨う浪人二人が…
その後どうなったって知ったこっちゃないっスヨ。
もうひとりは…谷口にわざと負けた元指南役の男。
惨めに雨ざらしで路頭を彷徨う浪人二人が…
その後どうなったって知ったこっちゃないっスヨ。
俳優:緒方 拳さん
10月7日(火)
俳優緒方拳さんの訃報を聞いて驚いた…。
肝臓癌だったことを周囲に隠し続け,最期は肝臓破裂に至ったとのこと。
壮絶な生き様…打ち上げ花火のようにドーンと世を照らし,パッと鮮やかに散る…見事な役者人生。
ついこの前,時代劇専門チャンネルで放送されていた昔のNHK大河ドラマ「風と雲と虹と」の中で,
海賊・藤原(源) 純友 (ミナモトのスミトモ)役をハツラツと演じられていた緒方さん。
あの純友のおおらかなイメージと温かな笑顔こそ,緒方さんそのものだと,いつも思っていました。
ご冥福をお祈り致します。
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宿場からは遠く
「『女のあとは追わん』と言った…二度繰り返してそう言った…
だが,多分,ここへ来ると思って,来てみた」
だが,多分,ここへ来ると思って,来てみた」
女々しくて利己的な侍をのあとをつけてきた,栗ちゃま用心棒のセリフ。
『俺は用心棒』第8話
ある宿場町の寂れた神社へ散歩に来た田島君は,「木村」という旅の侍から声をかけられる。道を尋ねてきたのかと思った田島君は,地元の者でないからと言って,すぐに立ち去ろうとする。だが,木村は相当深手の刀傷を負っていた。田島君は,木村の様子を心配し,血止めをして介抱する。
昨夜,城下を飛び出した木村は,一足先に抜け出した侍の「吉川」と,武家の娘「ユカ」の待つ旅籠へ向かう予定であった。木村は,吉川とユカの脱出を悟られぬよう,追っ手の目を自分に向け,わざと宿場から離れて遠回りしたが,途中で城下の追っ手に襲われ,手傷を負った。
旅籠で木村の到着を待つ吉川とユカは,追っ手が迫ってきたため出立し,
道なりにあった廃屋へ逃げ隠れる。吉川は,配下である木村の到着を待たずに,ユカの父(脱藩の首謀者であり,先に城下を脱出した上役)がいる場所へ向かおうとするが,木村を慕うユカは,彼が約束を破るような薄情な男ではないと言い,木村が来るのを待つと言い張る。
道なりにあった廃屋へ逃げ隠れる。吉川は,配下である木村の到着を待たずに,ユカの父(脱藩の首謀者であり,先に城下を脱出した上役)がいる場所へ向かおうとするが,木村を慕うユカは,彼が約束を破るような薄情な男ではないと言い,木村が来るのを待つと言い張る。
声を荒げる吉川とユカ。
そこへ奥から栗がユラ~リと出て来てビックリ!
そこへ奥から栗がユラ~リと出て来てビックリ!
吉 川「誰だ!」
栗 「先客だ,空家の中だ,何が潜んでいるかわからん。
野良犬や捨て猫が棲みついているかも知れんぞ。
だから,あまり大きな声を出すと,
寝ているタヌキやムジナまで起きてくる」
野良犬や捨て猫が棲みついているかも知れんぞ。
だから,あまり大きな声を出すと,
寝ているタヌキやムジナまで起きてくる」
すると二階でマンペーさん(タヌキ)が起きて…
マンペ「あ…ふ…グゥ(唸り声)」
マンペ「俺はムジナやタヌキじゃねえが…人声がするンで,起きてきた」
「田島君が神社へ“奉納試合の額(絵)”を見に行った」と栗から聞いたマンペータヌキは,何が描いてあるかわからない「神社の絵」のことを,名人同士の勝負事になぞらえて,
マンペ「どっちがどう勝ったかよくわからんもんだ…
わからんことが値打ちなのかもしれん…」
わからんことが値打ちなのかもしれん…」
とダラダラ話し続け,
マンペ「世の中…わからんことが多いもんなあ」
と,(吉川とユカへ)聞こえよがしに言ったあと,
栗と一緒にまたノラリクラリと奥へ引っ込むポンポコ寝不足タヌキさん。
栗と一緒にまたノラリクラリと奥へ引っ込むポンポコ寝不足タヌキさん。
その頃,木村の代わりに旅籠を訪れた田島君は,店の女中にユカと吉川のことを尋ねる。同じ頃,旅籠へ追っ手の侍たちが詰めかけていた。田島君が用を済ませて出て行こうとすると,侍たちから木村の居所を聞かれる。
田島君は侍たちに,「木村は宿場から遠く去ったのではないか」と話し,
自分は木村とは無関係であることや,旅籠の者たちにしてもそうだろうと言って去ろうとする。すると侍のひとりが勢い背後から斬りかかってきた。田島君はそれをミネウチで倒したあと,刃を返して構え直し,侍たちを牽制する。
自分は木村とは無関係であることや,旅籠の者たちにしてもそうだろうと言って去ろうとする。すると侍のひとりが勢い背後から斬りかかってきた。田島君はそれをミネウチで倒したあと,刃を返して構え直し,侍たちを牽制する。
田島君「私を斬っても何もならん! 二度と無駄なことをするなら…
刀のミネは返さんッ!」
刀のミネは返さんッ!」
やがて,「マンペータヌキ」と「栗ィムジナ」のいる空家へ戻った田島君は,偶然そこにいたユカと吉川が,木村の伝言の相手だとわかり,手傷を負った木村のことを話した。
木村を信じるユカは,薄情で冷酷な吉川と口論の末,絶縁を決める。
そんな折,空家の外に追っ手の侍たちが集まってきた。
田島君のあとをつけてきたらしい。
田島君のあとをつけてきたらしい。
マンペーさんと田島君は,ユカを木村のいる無人の神社へ連れて行く。
栗は侍たちの相手をするため,その場へ居残ってケンカを売る。
吉川は,空家の中から栗ィムジナが仕掛けた喧嘩騒動を見ていたが,
あっさり侍たちを片付けた栗が戻ると,
あっさり侍たちを片付けた栗が戻ると,
吉 川「女のあとなど追わん!」
と,二度までも言い残し,その場を去った。
憤慨しながら夜道を歩く吉川のあとを,目明しの男がつけていた。
その目明しは,追っ手の侍たちに協力していた。
その目明しは,追っ手の侍たちに協力していた。
社(やしろ)の中には,田島君の手当てで怪我が悪化せずに済んだ木村がいた。無事にユカと再会できたことを見届けたマンペーさんと田島君は,慕い合う二人を残して去って行く。
添い寝する木村とユカの前に,やがて姿を現したのは…
殺気に満ちた吉川だった。
殺気に満ちた吉川だった。
ユカに見限られ,行き場を失くした吉川は,木村とユカがイチャついてる姿にカッとなり,勢い白刃をかざして襲いかかる!
斬ったのは,栗だった。
背後から一刀のもとに斬られた吉川は,その場で即死…。
栗 「あとは二人で決めろ。俺はオヌシたちの脱走に
何の関わりもない…興味もない。
ただ…夜が明けるまでの暇潰しにやったまでだ。
念のために言っておく。城下を逃げ出したのだ。
そのときから命はないものと思え。
父親が上役か何か知らんが…
そんなものに甘えているときではない」
何の関わりもない…興味もない。
ただ…夜が明けるまでの暇潰しにやったまでだ。
念のために言っておく。城下を逃げ出したのだ。
そのときから命はないものと思え。
父親が上役か何か知らんが…
そんなものに甘えているときではない」
栗 「二人で…ドブネズミのように逃げまくれ。
それしか生きる道はないのだ…」
それしか生きる道はないのだ…」
その後,ある宿場町で白昼の往来を歩く栗たち用心棒の姿があった。
道の向こうから,罪人を護送する唐丸籠が二つ運ばれて来る。
その籠のひとつに乗っていたのは…木村だった。
そして,もうひとつの籠には,ユカが乗っていた。
道の向こうから,罪人を護送する唐丸籠が二つ運ばれて来る。
その籠のひとつに乗っていたのは…木村だった。
そして,もうひとつの籠には,ユカが乗っていた。
栗 「ドブネズミのように逃げなかったからだ…」
見るに忍びない,用心棒たちであった…。
アクロバット栗★回転キューブ②★
ヨン様★3Dキューブ
▼スライドショー(リンク)
http://flash.picturetrail.com/pflicks/3/spflick.swf?ql=2&src1=http://pic80.picturetrail.com/VOL1925/11621644/flicks/1/5783773
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江戸で知った女
「女の気持ちなど,わからん」…と,繰り返すイガ栗のシブ栗ちゃま。
『俺は用心棒』第7話
茶屋女の美津と,列記とした城下の若侍・土井勘之助は,かつて江戸で深い仲となり,夫婦同然で暮らしたこともあった。そんな二人が片田舎の温泉宿で偶然,再会する。土井には,既に家老の娘・志乃という妻があったが,美津への思いが再び燃え上がる。ところが美津には連れの侍がいた。侍は,土井が美津のいる座敷から出て行くのを目撃する。怒った男は,土井がいる座敷に目星をつけ,障子を開け放つ…と,
そこで寝ていたのは栗だった(寝起きで機嫌がモロ悪そうネン…)。
美津と同伴した侍の男は,病の妻を差し置いて,美津を情婦にしていた。
かつての土井と美津との関係に激怒する侍は,嫉妬のあまり,土井へ果し合いを挑む。しかし,国もとへ帰る途中の土井には,同じ城下の若侍が二人同道していたため,果し合いを挑んだ侍の男は,土井のほか二人の侍に返り討ちされてしまう。
かつての土井と美津との関係に激怒する侍は,嫉妬のあまり,土井へ果し合いを挑む。しかし,国もとへ帰る途中の土井には,同じ城下の若侍が二人同道していたため,果し合いを挑んだ侍の男は,土井のほか二人の侍に返り討ちされてしまう。
たまたま野良仕事をしていた村人が土井たちの果し合いを目撃し,
峠の茶屋へ知らせに来た。
峠の茶屋へ知らせに来た。
そこで茶を飲んでいた栗たちだけでなく,美津の耳にも騒動が伝わる。
土井ら若侍たちは,このことを役人へ届けることもせず,寧ろ,「ヒトを初めて斬った感想」を,それぞれ高笑いして実感し合っていた。そして国もとへ事が知れるのを恐れ,斬った侍をその場へ放置して故郷の城下へ向かった。
その後,美津は,土井がいる城下の宿場町へ向かった。
土井は自分の屋敷へ向かっていた。
旅籠へ土井の妻・志乃を呼び出した美津は,「亭主が土井に斬られた」と言って,土井に面会を求めたいと打診する。
しかし,妻志乃は,土井が殺したという確たる証拠がないことを指摘し,
役所へ正式に届出をするよう美津へ申し向け,土井に会わせることを断った。
役所へ正式に届出をするよう美津へ申し向け,土井に会わせることを断った。
旅から帰った土井は,志乃から美津のことを聞くが,「知らぬ,存ぜぬ」の一点張りを通す。はぐらかす土井の言動に,志乃は内心,動揺を隠せない。
土井が城下の家老の娘志乃と婚姻したのも,地位を利用して出世を目論むためだった。
志乃は,真相はともかく,将来ある夫を,なんとか庇い立てしようと,
地元のヤクザ連中や町方の者へ手配して,美津を土井に会わせることなく,城下から追い出そうと画策する。
地元のヤクザ連中や町方の者へ手配して,美津を土井に会わせることなく,城下から追い出そうと画策する。
土井は,江戸で勤務していた時代,美津の連れの男を見た記憶があり,
確か直参・旗本の身分であったはずだと勝手に誤解して焦った挙句,
志乃だけでなく,道中で一緒だった若侍たちにも,そのことを話した。
確か直参・旗本の身分であったはずだと勝手に誤解して焦った挙句,
志乃だけでなく,道中で一緒だった若侍たちにも,そのことを話した。
事が重大になることを恐れた志乃は,家老である父親の権力を利用し,
事件を闇の中へ葬るため,あらゆる手段を講じる。
事件を闇の中へ葬るため,あらゆる手段を講じる。
やがて志乃たちの手配したヤクザが,旅籠に逗留する美津を追い出しにやってきた。
美津がいる隣の座敷で待機していたのは,用心棒の栗だった。
美津から仲裁役を依頼された栗は,
ヤクザから提供された大金を刀の鞘で突っ返す。
ヤクザから提供された大金を刀の鞘で突っ返す。
栗 「帰れ! 侍を連れて出直して来い!
今夜のうちに連れてこなければ,
俺のほうから出向いて行く!」
今夜のうちに連れてこなければ,
俺のほうから出向いて行く!」
(スンゲー,ド迫力!…土方さんの顔っポイ!)
栗は,土井を直ちに旅籠まで連れて来るようヤクザに命じる。
困ったヤクザ連中は,お決まりの「ヤッチメエ!」で栗へ挑みかかるが…間もなく,
栗 「済んだ…」
と,あっさりヤッチマッタことを美津へ報告。
マンペーさんと田島君は,土井に同行していた若侍たちと往来で行き会い,彼らが「旅先で侍を斬った」ことを確認する。
行きがかり上,美津と一緒に城下へ入り,
助太刀を頼まれた栗たちだったが,
「亭主の仇討ち」とは偽りであり,
旅先で斬られた侍の男は美津の亭主などではなく,身分の低い下級侍であること,更に,土井とは男女の関係があったことなどを,美津から聞かされる。
助太刀を頼まれた栗たちだったが,
「亭主の仇討ち」とは偽りであり,
旅先で斬られた侍の男は美津の亭主などではなく,身分の低い下級侍であること,更に,土井とは男女の関係があったことなどを,美津から聞かされる。
栗 「仇を討ちに来たのではなく,仇に逢いに来たのだろう?」
栗に見透かされたとおり,美津の真の目的は,土井に逢うことだった。
タダれた痴情のもつれ話を聞き,潔癖な田島君は途端に嫌気が差して座敷から退散する。
(出て行くとき,障子を「ガラ!ピシャ!」…怒らせると怖い田島君)

タダれた痴情のもつれ話を聞き,潔癖な田島君は途端に嫌気が差して座敷から退散する。
(出て行くとき,障子を「ガラ!ピシャ!」…怒らせると怖い田島君)

田島君「井戸を貸してくれ。冷たい水を頭からかぶると
気分が良くなるから…」
気分が良くなるから…」
と,田島君は宿の者へ頼む。
ちょうどそのとき,町方の役人らが旅籠の前へ押しかけて来た。
役人らが旅籠へ踏み込んだとき,既に美津は姿を消しており,
座敷で酒を飲んでいる栗とマンペーさんが囲まれる。
座敷で酒を飲んでいる栗とマンペーさんが囲まれる。
役 人「城下において,乱暴・狼藉を働いた不届き者として召し捕る!
神妙にしろ!」
神妙にしろ!」
栗 「そうムキになるな。こっちは神妙に
立ち去ろうとしておるのだ」
立ち去ろうとしておるのだ」
マンペ「なるたけ相手になるな。逃げるぞ!」
いきなりマンペーさんがチャブ台ひっくり返すと同時に脱出開始!
先に逃げた田島君は,近くに潜んでいた美津から,唐突に財布ごと金を差し出される。斬られた男の病気の妻のところへ金を渡してくれるよう財布を田島君に託し,美津は闇の中へ姿を消した(このとき田島君は,「自分で届ければ?」と,お断りしたけど,強引に押し付けられちゃった。)
その後,美津の向かった先は…土井の屋敷だった。
庭先で応待に出た志乃に対し,美津は土井夫婦の所業を思いきり罵る。
あらゆる汚い手段で不祥事を隠蔽しようとする志乃と,
権力に頼りきった情けない土井のことを嘲笑する。
あらゆる汚い手段で不祥事を隠蔽しようとする志乃と,
権力に頼りきった情けない土井のことを嘲笑する。
呆然とする志乃の後ろから,突然,刀を持って飛び出して来た土井が,卑怯にも美津を背後から無惨に斬り倒した。
夫のことを信じられなくなった志乃は,父親の家老へ今までのことを伝えるため屋敷を出て行く。土井は狂ったように志乃のあとを追って行く…。
時が経ち,とある宿場の茶屋の外で,興奮気味に刀を振り回す土井の姿があった。浪々の身となった土井は,同じく浪人となった,かつての侍仲間二人をその場で斬殺し,当たり構わず止めに入った周囲の者を斬った挙句,たまたま通りかかった栗に,一刀両断のもとに斬られてオダブツ。
(栗ちゃまの剣が鮮やかに決まった!)

(栗ちゃまの剣が鮮やかに決まった!)

田島君は,斬られた男たちが,いつかの宿場町で会った美津に関係ある侍の男たちであることを確認する。
その後の美津の行方など全く知らない用心棒たちは,
これで美津自身の敵討ちが叶ったのかも知れない…と,
漠然と思うばかりであった。
これで美津自身の敵討ちが叶ったのかも知れない…と,
漠然と思うばかりであった。
そして…土井の妻だった志乃は…夫が失脚したショックから正気を失い,
屋敷の中でいつまでも笑い続けていた…。
屋敷の中でいつまでも笑い続けていた…。
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栗 「勘違いするな,俺がお前をタダで助ける筋合いはない。
こっちは用心棒が商売だ。どこまで行くつもりなのだ?」
❤どこまでも,ご一緒するつもりでございます(*´▽`*)❤
こっちは用心棒が商売だ。どこまで行くつもりなのだ?」
❤どこまでも,ご一緒するつもりでございます(*´▽`*)❤
『俺は用心棒』第6話
竹林の奥深い山道を,ひとりの商人が慌てて駆け上がって来る。
侍の追っ手から逃げて来たその男は,近くにあった廃屋へ入り込んで隠れる(奥には栗が寝てたりする)。
侍の追っ手から逃げて来たその男は,近くにあった廃屋へ入り込んで隠れる(奥には栗が寝てたりする)。
栗 「(寝たまま)なにをしておる…」
ギョッとする商人は,栗へ迷惑をかけまいと,すぐ小屋から出ようとするが,後ずさりして再び小屋へ入り込んでくる。起き上がった栗が外を見ると,追っ手が迫ってきていた。
追っ払ってやろうか?…目だけで無言の契約を交わす栗。
息を潜めて頷く商人。
息を潜めて頷く商人。
追っ手二人の侍の前へ出た栗は,
栗 「オヌシたち…人を探しているのだろう?…この中におる…」
中で見ていた商人の男はギョッとする…!
商人のことをあっさり告白した栗は,
勢い,侍たちを刀のミネでブッ倒した。
商人のことをあっさり告白した栗は,
勢い,侍たちを刀のミネでブッ倒した。
礼を言う商人に,“当然タダじゃないも~ん”と商売根性マル出しの栗。
そこへ田島君とマンペーさんが戻って来た。
マンペーさんは,近くの川で水を汲んできたという。
そこへ田島君とマンペーさんが戻って来た。
マンペーさんは,近くの川で水を汲んできたという。
川原には,キヌタで着物を叩いて洗濯をしている若い百姓娘「オスミ」の姿があった。そのオスミに「深沢の湯治場」の場所を尋ねる旅の侍たちがいた。侍たちは,湯治場へ行く道を「旅の者」が通過したかどうか,オスミに聞く。そして,自分たちが来たことを誰にも言わぬようオスミに言い含めて「深沢の湯治場」へ向かった。
次いで,「幸吉」という「旅姿の若い商人」が,「深沢の湯治場」について尋ねてきた。洗濯物が川へ流れそうになるのを拾う幸吉。オスミは,先程来た侍たちのことを幸吉から聞かれたが,他言せぬよう言われていたため,湯治場の場所だけを教えた。
侍たちが未だ来ていないと安堵した幸吉は,オスミに礼を言って先を急ぐ。後ろめたさが残るオスミは洗濯を中断し,土手の上にある実家へ行った。そこには炭焼きの仕事をしている父親の弥兵衛がいた。
オスミは弥兵衛に,「深沢の湯治場」のことを尋ねてきた侍たちのことや,あとから来た商人の若者のことを話し,嘘をついたことを気にする。しかし,弥兵衛はたいして気にもせず家の外へ出る。オスミは,やきもきしながら弥兵衛に声をかける…と,外には,栗がシブイ顔で佇んでいた。
(怖そうでヤバいヒトみたい…)

(怖そうでヤバいヒトみたい…)

栗は,「深沢の湯治場」と,そこへ向かった男(幸吉)のことを尋ねる。
しかし,オスミと弥兵衛は知らないふりでやり過ごす。
しかし,オスミと弥兵衛は知らないふりでやり過ごす。
栗が去ったあと,やはり湯治場で何かあるのでは…と,気にする弥兵衛とオスミ。思いあぐねたオスミは,川を伝って湯治場へ行く近道を思い出し,今からでも幸吉に侍たちのことを知らせに行こうか…と言う。しかし,その近道は,途中に滝がある険しい山道のため,弥兵衛は反対する。
諦めたオスミが再び川原へ戻ると,マンペーさんが水汲みのついでにイワナ(川魚)を素手で掴み取ろうとして失敗していた。
傍に来たオスミに,マンペーさんも「深沢の湯治場」の場所を尋ねる。
オスミはビクビクしながら湯治場までの距離を教える。
傍に来たオスミに,マンペーさんも「深沢の湯治場」の場所を尋ねる。
オスミはビクビクしながら湯治場までの距離を教える。
旅の商人は田島君とまだ小屋にいた。そこへマンペーさんが戻ってきた。
商人は,息切れが酷く,具合が悪そうだった。
目的地の湯治場へ行くことは無理だとマンペーさんは判断する。
そんな折,ふと,キヌタの音を聞きつけた田島君は,
商人は,息切れが酷く,具合が悪そうだった。
目的地の湯治場へ行くことは無理だとマンペーさんは判断する。
そんな折,ふと,キヌタの音を聞きつけた田島君は,
田島君「あの音…なんですか?」
マンペ「ああ,キヌタの音だ。そこの川原で娘が洗い物やってる」
オスミが洗濯している川原へ行った田島君は,「具合の悪い商人のために
暫し家へ置いて貰えないか」と頼む。
暫し家へ置いて貰えないか」と頼む。
一方,マンペーさんは…,
マンペ「あのイワナ…川原で焼いて食ったらウメーだろうなァ…
あ,いけね,すぐ品の良さが出る」
あ,いけね,すぐ品の良さが出る」
なんて呑気に考えてる最中,刺客の侍たちが襲ってきたりして…
マンペーさんが応戦したらすぐ逃げちゃったけど,
懲りずに,あとでまたオスミの家まで来た侍たちは,
田島君がバッサリ斬ってオダブツ(チャンバラ省略)。
マンペーさんが応戦したらすぐ逃げちゃったけど,
懲りずに,あとでまたオスミの家まで来た侍たちは,
田島君がバッサリ斬ってオダブツ(チャンバラ省略)。
オスミの家で休ませてあげることになった商人は米問屋の主人だった。
商人の話では,蔵奉行が米の相場(値段)を上げて大儲けしようと相談を持ちかけてきたところ,商人たちが断ったため,役人に逆恨みされて追われているのだという。深沢の湯治場へ向かったのは,米問屋の手代の幸吉だった。誠実で真面目な幸吉の忠告により,米問屋の主人は不正に手を染めることを拒んだという。手代の幸吉は,苦労して育ったため,米の大切さを人一倍知る者だった。
商人の話では,蔵奉行が米の相場(値段)を上げて大儲けしようと相談を持ちかけてきたところ,商人たちが断ったため,役人に逆恨みされて追われているのだという。深沢の湯治場へ向かったのは,米問屋の手代の幸吉だった。誠実で真面目な幸吉の忠告により,米問屋の主人は不正に手を染めることを拒んだという。手代の幸吉は,苦労して育ったため,米の大切さを人一倍知る者だった。
事情を聞いたオスミは,先に行った侍たちのことを幸吉に知らせるため,誰にも告げずに川伝いの険しい近道を辿って行った。
その頃,湯治場では,幸吉が侍たちに囲まれていた。
不正に協力しない幸吉を非難する侍たち。
不正に協力しない幸吉を非難する侍たち。
幸 吉「商人として当然のことを申し上げただけでございます」
侍たち「では,我々も当然のことをしよう」
と抜刀し,勢い外へ逃げる幸吉を追いかける。
危うし幸吉!
…しか~し,そこへ栗が登場。
いつものように「あんた,いったい誰?」状態の侍たちの前で,
栗 「俺か?…この男(幸吉)の用心棒よ」
何がなんだかワケがわからず呆然とする幸吉に,
栗は「米問屋の主から頼まれた」と言って安心させる。
栗は「米問屋の主から頼まれた」と言って安心させる。
栗 「宿の者に,酒の用意をしとくように!」と指示する。
栗 「人使いの荒い用心棒だ」
と,自らデカい顏して宣言する余裕の栗。
そして,侍たちが栗のド迫力によって簡単にノサれたあと,幸吉は,一刻も早く主人を迎えに行こうと,水かさが増した急勾配の川辺の道を引き返す。その途中,ちょうど川辺から落ちそうになっていたオスミを向こう岸で見かける。
オスミも向こう岸にいる幸吉に気が付き,侍たちのことを内緒にしていたことを打ち明け,幸吉の主人が実家にいることを告げる。
幸吉は,オスミのことを「最初から親切なイイ人だと思っていた」と明るい顏で許してあげる。
オスミは川の中の石を伝いながら,幸吉がいる向こう岸の川辺まで渡ろうとする。
打ち解けた若い二人が互いに手と手を伸ばしたとき…
幸吉とオスミは,そのまま行方不明となった。
二人が滝つぼに落ちたか否か…確かめようもないまま,
オスミの洗濯物は,そのまま川原へ置き去りにされていた…。
その後,深沢の湯治場では,オスミが叩いていたキヌタの音が,
何処からか…何故か響いてくるのであった…。
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アクロバット栗★回転キューブ①★
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浪士狩りの夜
▼用心棒の「栗」の旦那は,ヤクザ連中から,
「ん?…寝てるんですかい?…てェした度胸だねえ」
と,ホレボレされてたけど,本当に,寝顔がいつも
ステキで背串ィ❤で男前すぎる栗ちゃまなノラ~!
❤寝転がるシーンでは,どこか幸せそうな表情❤
(相当ハードスケジュールで寝不足だったのね。)
入浴時と同じく「ハア~ッ」の声がイロっぽい❤
「ん?…寝てるんですかい?…てェした度胸だねえ」
と,ホレボレされてたけど,本当に,寝顔がいつも
ステキで背串ィ❤で男前すぎる栗ちゃまなノラ~!
❤寝転がるシーンでは,どこか幸せそうな表情❤
(相当ハードスケジュールで寝不足だったのね。)
入浴時と同じく「ハア~ッ」の声がイロっぽい❤
●今回は,「ヤッてもヤラレても同じこと」…なあ~んにもならない…
虚しい「仇討ち」のお話。
虚しい「仇討ち」のお話。
『俺は用心棒』第5話
ヤクザに夫を殺された武家の妻女「オシマ」は,夫の弟「一太郎(未成年)」と,使用人の老人と共に,仇討ちをすべく国もとを出立した。
オシマの仇討ちを助太刀しようと,国もとから付いて来た浪士の国木田は,ある城下で一太郎を旅籠から誘い出して斬殺した後,御用役人による「浪士狩り」に遭遇する。
オシマの仇討ちを助太刀しようと,国もとから付いて来た浪士の国木田は,ある城下で一太郎を旅籠から誘い出して斬殺した後,御用役人による「浪士狩り」に遭遇する。
「浪士狩り」とは,不穏な幕末時勢において,氏・素性の知れない浪士を城下から一掃することを目的に行われた警備の一環で,主に町方役人が取り締まりに当たっていた。
飯屋で注文してる最中のマンペーさんと田島君も,運悪く浪士狩りの御用に引っかかるが,そこへ一太郎を殺したばかりの国木田が飛び込んできた。
興奮して役人らへ飛びかかる国木田をマンペーさんと田島君が押さえ込む。町方の捕物の手助けをしたことから,マンペーさんたちは浪士狩りの特別待遇として,一旦牢屋から屋敷の方へ出して貰い,役人から弁当や,お茶を差し入れして貰ったうえ,小遣い銭まで包んで貰ったりする。
お茶でグブグブうがいしてゴックン…飲み干すマンペーさんは,ご機嫌。
マンペ「田島君…メシ付き,お茶付き…そのうえ小遣いまでくれる…
有難い城下だねえ」
有難い城下だねえ」
田島君「品田(シナダ)さん!…お里が知れますよっ!」
役所の都合により,一晩,牢屋で過ごすことになったマンペーさんと田島君…
田島君は,一緒に牢に入れられた国木田から,「仇討ちの助勢をする」という話を聞く。一方,役人からは「未成年の男(一太郎)が殺害された」という情報を聞く。国木田が飯屋に血相変えて飛び込んできた様子を振り返る田島君は…「あの目つきは,人を斬った目つきだ」…と推察し,国木田の言動を怪しむ。
(以下,順不同)
その頃,栗は,マンペーさんたちより遅れて城下へ入ろうとするが…
ひなびたヤクザから「返り討ち」の助勢を頼まれる。
三人のヤクザは,旅の途中で仇討ち相手を返り討ちにする計画を立てていたが,相手に腕の立つ浪人がいることを知り,より強い味方を探していた。
一方,ヤクザを討つため,旅籠へ逗留していたオシマと使用人は,外出した義弟と国木田の帰りを待っていたが,やがて来たのはヤクザからの“果たし状”と,義弟の亡骸だった。オシマは,国木田の帰りを待たず,ひとりで果し合いの場所へ向かう。
約束の場所には,三人のヤクザと雇われ用心棒の栗が待っていた。
助太刀する者は誰もいないオシマだったが,気丈にも「ひとりで仇を討つ!」と宣言し,決死の覚悟でヤクザたちに挑む。
助太刀する者は誰もいないオシマだったが,気丈にも「ひとりで仇を討つ!」と宣言し,決死の覚悟でヤクザたちに挑む。
危うし,オシマ!…と思いきや,栗が止めに入る。
仇討ちは,助太刀が揃ってからやり直すようオシマに告げる。
その上で,栗は,ちゃっかりヤクザ連中を裏切り,
オシマの助勢に回る。
「これで一応,助太刀が揃ったカモね」ということで,
ヤクザヤローどもをミネウチでバタリンコさせる。
その上で,栗は,ちゃっかりヤクザ連中を裏切り,
オシマの助勢に回る。
「これで一応,助太刀が揃ったカモね」ということで,
ヤクザヤローどもをミネウチでバタリンコさせる。
間もなくそこへ,牢を出た国木田が飛んで来る。
国木田は,栗にミネウチされて寝転がってるヤクザ連中を,
ドスドスと刀で刺し殺してしまう。
国木田は,栗にミネウチされて寝転がってるヤクザ連中を,
ドスドスと刀で刺し殺してしまう。
国木田「さあ,仇は討った。国へ帰ろう!」
国木田は意気揚々とオシマに告げるが,
そこへ国木田の正体を知った田島君とマンペーさんが来て,
これまでの国木田の行動を暴露する。
そこへ国木田の正体を知った田島君とマンペーさんが来て,
これまでの国木田の行動を暴露する。
オシマの義弟一太郎をブッコロして仇討ちの助勢を裏切り,
以前から言い寄っていたオシマを我が物にする…
これが一見,誠実そうな国木田の計画であり,真の正体であった。
以前から言い寄っていたオシマを我が物にする…
これが一見,誠実そうな国木田の計画であり,真の正体であった。
オシマも,旅先で自分に言い寄る国木田の正体を薄々感づいていたため,仇討ちの後で国木田をヤっちまおう…と,心に決めていたと言う。
正体がバレバレになって憤慨した国木田は,勢いオシマに襲いかかろうとする!
…が,後ろから田島君がバッサリやっちまった…。
仇討ちの後,義弟一太郎の遺骨を抱えて帰路につくオシマが,これからどのように過ごすのか…心配する田島君だが,栗たち用心棒の知るところではない。
マンペ「国もとへ帰り,仇討ち本懐を遂げたと
賛美・賞賛されるだろうが…(云々)…」
賛美・賞賛されるだろうが…(云々)…」
栗 「仇を討つのも,返り討ちされるのも…
あの女にとっては,同じことだ…」
あの女にとっては,同じことだ…」
死んだ人間の仇を討とうとして…
そのためにまた尊い命が奪われ…
結局,虚無感しか残らない…。
そのためにまた尊い命が奪われ…
結局,虚無感しか残らない…。
用心棒たちは,旅立つオシマの姿を,
ただ,空しく見つめるばかりであった…。
ただ,空しく見つめるばかりであった…。
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街道口の女
「女はバケモノという。俺に女のトシはわからん。ただ…年寄りでないことだけは確かだ」
『俺は用心棒』第4話
池のほとりにある街道の居酒屋。
早瀬,土井,川口ら,旅の侍三人がシビレを切らし,仲間の到着を待っていた。ほかに早瀬の使用人である若侍・市之助も同道していた。
早瀬,土井,川口ら,旅の侍三人がシビレを切らし,仲間の到着を待っていた。ほかに早瀬の使用人である若侍・市之助も同道していた。
最初に居酒屋へ来た村人は,異様な気配を感じて,すぐ帰った。
次に来たのは,浪人の栗だった。
次に来たのは,浪人の栗だった。
栗は,「早瀬」という侍宛に,言伝を頼まれて来たという。
栗 「決めた手ハズより遅れるから,連絡をするまで,
この場所から動かずに待て」
この場所から動かずに待て」
それは,旅の女からの言伝だという。だが,早瀬らに女の心当たりはない。無論,女の素性は栗も知らない。女は一見して武家の召使い風だという。早瀬は,その女が何歳くらいか栗に尋ねるが,
栗 「女のトシはわからん…(婆ではなかったけどね,云々)」…
と,酒を飲みながら話す。
(注文した酒代は,ちゃっかり早瀬に払わせることを勝手に決める栗。)
早瀬らの行動は,仲間の三人しか知らないという。女が神社の街道口にいると知った早瀬らは,早速,市之助に命じて調べに行かせた。
その後,マンペーさんが居酒屋へ来て,市之助宛に旅支度の女から言伝を頼まれたという。偶然の一致に,思わずほくそ笑む栗とマンペーさん。
やがて田島君も来たが,女からの言伝は頼まれていなかった。ただ,街道口で侍が大勢集まっているのを目撃したという。
やがて田島君も来たが,女からの言伝は頼まれていなかった。ただ,街道口で侍が大勢集まっているのを目撃したという。
不可解な女の存在と,街道口周辺の様子を聞き,疑心暗鬼になる早瀬たち。情勢が変わったことを察知した早瀬らは,「脱藩覚悟で生死を賭け,ある行動を起こす」と説明し,栗たちに助勢を求める。
栗 「その説明を聞く必要はない。オヌシたちがナニをしようと,
我々がクチ出しすることではない」
我々がクチ出しすることではない」
いつも事情を聞きたがらない栗だが,街道へ向かった若侍(ワカトウ)の身を案じて帰りを待つ早瀬の人柄に免じ,依頼を受けることにした。
早瀬らは,かつての奉公人・モヘイが暮らす農家へ,ひとまず身を隠すことにした。家中でも評判の,列記とした家柄の早瀬だったが,驕った風情は微塵もなく,若侍の市之助が万一捕まったときには,その命乞いのために,自ら自首する覚悟さえしていた。そしてなにより,目下の者を気遣う優しさを持っていた。
マンペ「ふ~ん,列記とした家柄の侍などというものは,
家来や召使を人間扱いしないものだが…」
家来や召使を人間扱いしないものだが…」
田島君「あんな侍,初めて見ました」
関心するばかりのマンペーさんたち。気がかりなのは,街道口の神社で言伝を頼んだ女の存在だった…。
その女は「オミツ」という名で,街道を走ってきた市之助を待っていた。オミツと市之助は懇意の仲だった(デキていた)。市之助に早瀬らを裏切るよう画策したのはオミツだった。オミツの密告により,家中の目付役らが早瀬の動きを知り,栗たちのいる茶屋へ押しかけてきた。
外へ出ようとする栗の前で,「役儀によって取り調べる!」と吠える目付役。でも,お付き合いしてるヒマなんかないモ~ン…と栗が断ると,役人から「メシ捕れ!」の合図が…。
栗 「慌てるなィ! 相手は外でしてやる,出ろッ!」
と,いつもよりデカイ声で吠え返す栗。マンペーさんも加勢する。
でも,田島君は参加しないヨ。
だって女に言伝を頼まれたわけじゃないモ~ンだってサ。
だって女に言伝を頼まれたわけじゃないモ~ンだってサ。
そして結局,栗とマンペーさんは役人退治(チャンバラ省略)。
その頃,早瀬が辿り着いた農家には,主のモヘイがいた。
オミツはモヘイの一人娘だった。
オミツはモヘイの一人娘だった。
間もなく来た栗たちの知らせでは,市之助が早瀬らを裏切ったという。
早瀬の真の目的は,蘭学を学びに長崎へ行くことであった。
最も学問に熱心な井上という侍を含む早瀬ら四人は,共に同じ志を持っていたが,古臭い藩の方針によって受け入れて貰えず,井上だけが牢に入れられ,江戸送りされることになっていた。
早瀬の真の目的は,蘭学を学びに長崎へ行くことであった。
最も学問に熱心な井上という侍を含む早瀬ら四人は,共に同じ志を持っていたが,古臭い藩の方針によって受け入れて貰えず,井上だけが牢に入れられ,江戸送りされることになっていた。
早瀬らが脱藩する際,井上の奪還に失敗すれば,切腹は免れない。
恐れをなした若侍の市之助は,女と一緒に逃げる道を選んだらしい…
と推察する栗。
恐れをなした若侍の市之助は,女と一緒に逃げる道を選んだらしい…
と推察する栗。
栗たちは,全く関係がない浪人ということもあり,
「井上を逃がしてやるから長崎へ向かえ」と,早瀬に言う。
「井上を逃がしてやるから長崎へ向かえ」と,早瀬に言う。
そして…言ったとおり,井上を護送する唐丸籠を襲撃した。
助けた井上に,栗たちは,
「うんと勉強して頭の古い連中に,イイこと教えてやってくれ」
と,励ましの言葉を送り,早瀬のあとを追って行くよう告げる。
(どうでもいいけど…このとき,バックで犬の啼き声がスゴイ…。)
護送の駕籠が襲われた騒動を,江戸へ向かう途中の市之助は近くの宿で聞きつける。市之助は,主人の早瀬を裏切った自責の念が消えず,結局,オチカと一緒に江戸へ行かずに別れることにした…。
一方,開放された井上と街道で合流し,長崎へ向かった早瀬ら四人の侍は,勤勉に精進し,やがて各自が蘭学者として世に名を馳せたという。
主人の早瀬を裏切って女に走りきれなかったイクジナシな市之助の将来は…誰も知るわきゃ~ないサね…。
オチカは…街道口で男と遊ぶ夜鷹(ヨタカ=売春婦)になっていた…。
街道口でオチカが田島君にすり寄って行ったけど…,
潔癖な田島君は嫌がって逃げた。
潔癖な田島君は嫌がって逃げた。
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