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風…第36話「悲願兄妹鏡」

  • 2011-09-14 : 風の新十郎 : 編集✍
  • 第36話…悲願兄妹鏡
     
    新十郎 「侍とは,哀しいものだな…」
     
    この話は「実力行使なき仇討・本懐」とでもいうのか,
    些細な領主の失態で,取り潰しとなった藩の浪士達が,
    公儀(幕府)の裁定に異を唱えるという,
    一見,赤穂浪士もどきのスジ立て。
    とはいえ,賄賂を貰って小藩を計画的に取り潰した大目付に対する
    仇討は,遺恨を持つ藩士達の実力で果たされず,
    他力本願(風の新十郎→水野老中→上意→大目付切腹)
    で終わったところが,あまりにも安易すぎた。
     
    最終的には,御家再興も叶わず,
    公儀に反省を促した(盾突いた)ことを以て,
    自発的に切腹を選ぶ浪士の兄と,その妹。
    そうなるだろうとは思ったけれど,
    結末がどうにも暗くて,重苦しすぎたから,
    ちょっと真面目にスッキリしない理由を考えてみた。
     
    「本懐を果たした」といっても,人づてに権力が動いて,
    知らないうちに仇相手が裁かれただけ…
    というのがスッキリしない最大の原因かな。
    打つ手がなくて,権力者の力に頼って解決した…というのが,
    どうにもイヤらしい感じがする。
    虎の威を借るキツネのやり方。
     
     同じ仇討本懐でも,
    赤穂浪士のように我慢を重ねて自力で行使した姿とは違い,
    この話の覚悟の切腹に,あまり意味があるとは思えなかった。
    自分達と同じような侍の不幸を繰り返さないために…というのなら,
    生きて,伝えていく方法もある。
    死んじまったらなんにもならないもんね。
    (そういうふうに作って欲しかったサ…(-_-;)理想としてはね。)
     
    赤穂浪士は,仇討本懐して切腹する姿がアッパレだとかいう単純なものじゃなく,喧嘩両成敗でありながら,公平公正な裁きを下さなかった公儀のやり方に,「それはあまりに酷いし,違うじゃん!」と異議を申し立てるために,まず主君の仇を討って無念を晴らし,それを公儀がどう裁くか,身を賭して直訴する…というのが最大の目的だったんじゃないかと,恋夜なりに思う次第。
     
    現代社会でいえば,最高裁の確定判決に異を唱えて,その判決が誤りだったことを認めさせ,反省を促し,覆させようとする…しかも,
    被告人でもない立場の人達がそれをやった…というふうな,
    とんでもない出来事(現代じゃ,単なる犯罪)。
    どう見ても不公正な裁きに対し,身を賭してでも抗議する…
    その反骨精神と行動力に,人は喝采するわけで,
    そういう場合,最終的に「切腹」しても,無念は残らない。
    侍なら,もともと「切腹」覚悟の上だしね。
    無意味な死だとは思えない。
    主人(権力)の言うなりに媚びへつらうのは
    「佞臣」か、「寵臣」でしかなく,
    真の侍は,そういう姿を最も忌み嫌ったとのこと。
    主君(権力)が後々誤りに気がつけば,家臣の死は「誉」にもなる。
    それこそが「忠臣」であり,侍として生きた「忠義」の証。
     
    で,結局,ここではナニが言いたかったのか…というと,
    権力が権力を裁いちゃ,お話にならないよね…
    って言いたかった(^^ゞ。
     
    (流れ)※アラスジは冒頭でほぼ説明しちゃったし,
    シーンの切り替えが多いから省略してまとめ。
      
    夜分,大目付・内藤甲斐を乗せた大名駕籠が浪士数名に襲われた。
    偶然,通りかかった新十郎は,
    突発的に襲撃を受けた内藤方の警護に加勢し,浪士達を追い払った。
    駕籠の中から顔を出した内藤は,
    襲撃されたことは他言無用と新十郎に念を押し,
    何事もなかったかように通りを去った。
     
    新十郎は,駕籠の家紋から,襲撃を受けたのは,
    大目付の内藤甲斐であることを,
    左近のところの武家帳で突き止める。
     
    屋敷に戻った内藤は,家来を前に,先ほどの襲撃の相手は承知済みで,くれぐれも公にしないよう指示を出す。
    また,加勢した浪人(新十郎)の存在も厄介であるため,
    見つけ次第,直ちに斬るよう命令する。
     
    居酒屋に入った新十郎は,先にいたヤクザ風の喜太八が,
    やがて来た町人姿の伊助をドス(短刀)で刺しして逃げるのを目撃する。知らせを聞いて駆けつけた左近に,新十郎は,殺された男の名は伊助で居酒屋で女と待ち合わせていたようだと教える。伊助をやった男は前科者らしい,そう話した新十郎は,雨の降る往来に,武家風の娘が立っているのをチラリと見かけ,早速,女のあとを追いかける。
     
    その女の腕を掴み,無理矢理,自分の長屋へ連れてきた新十郎は,
    居酒屋で武家風の女と待ち合わせた伊助が殺されたことを話す。
    見通されたことを知った娘は,新十郎にいくら渡せばいいのかと聞く。
    その様子から,新十郎は,娘が伊助に強請られていたと勘づき,
    詳しいことを話すよう勧めるが,娘は伊助など知らないと言う。
     
     左近が長屋を訪ねて来たため,
    新十郎は,彼女をひとまず奥へ隠し,
    適当に「武家の女と中間の恋のモツレ」と左近に勘違いさせ
    引き揚げさせた。
    引き続き,強請りのタネは何かと,武家娘に問う新十郎だが,
    一向に詳細を明かさないため,解放する。
     
     
    廃墟の寺院では,もと津山藩士達数名が屯していた。
    津山の殿様は,鷹狩の最中,
    うっかり隣国の領地に足を踏み入れたことで切腹を申しつけられ,
    運悪く後継ぎがいなかったため,藩は取り潰しとなった。

    後の調べで公儀が差し向けた隠密の細工が浮上し,
    全て大目付の内藤甲斐の仕業だと見当はついていたが,
    吉田清太郎ほか浪士数名は,公儀に反省を促すため,
    如何に「大事」を成功させるか,その方法について思案していた。

    慎重な吉田とは対照的に,浪士の柴田ほか数名の侍達は,
    吉田の許しもなく,血気に逸って大目付の内藤甲斐を襲撃したが,
    新十郎に邪魔をされて失敗し,いきり立って寺に待機していた。
     
    その寺に戻った武家娘は,吉田のもとへ行き,
    伊助から手紙を取り戻すことができなかったことを報告する。
    娘は,吉田の妹・お新だった。

    浪士の柴田は,昔の女(お美代の方)からの恋文を頼りに,
    大奥の口添えを頼もうとする吉田のやり方に不満を漏らす。
    しかし,吉田としては,それが妹の独断であるにせよ,
    なるべく事を荒立てない方法を選択し,
    内藤を討つのは最終手段だと決めていた。

    吉田は,昔の恥を忍んで,
    将軍の側室となったお美代の方の力を借りてでも,
    穏便に公儀へ訴え出ようとしていた。
    お新は引き続き,伊助の住まいで手紙を探すため,出かけて行った。
     
    お新は,伊助の長屋で左近と出くわす。
    お新のことを殺された伊助の女だと勘違いした左近は,
    「伊助に書いた手紙で脅され,嫁にも行けない」
    と嘯くお新の言葉を間に受け,
    そこで一緒に「恋文探し」をすることに。
    しかし,手紙は見つからず,左近は,お新を自宅に待機させ,
    引き続き下手人探しに出かける。
     
     
    大目付の内藤甲斐の屋敷の天井裏に隠れて内情を探る,かがりは,
    そこで内藤甲斐の悪事のカラクリを聞きつける。
    内藤甲斐は,津山藩を取り潰したうえ,
    その領地を隣藩である花崎藩の領地にすることを事前に確約し,
    賄賂を貰っていた。
     
    左近の留守中,早速,内藤の悪事を報告しにきたかがりだが,
    お新を見るなり,すぐ出て行った。
     
     
    寺をうろついていた新十郎は,柴田らに見つかり,
    昨夜の大目付襲撃を邪魔した男だと確認されて襲われるが,
    かかってきた相手を全て刀の峰で打ち返す。

    やがて吉田と対峙し,刀を交えた新十郎は,その太刀筋から,
    新十郎 「あんたの心は真っ直ぐだな,剣がそう言っている」
    と,察し((-_-;))?刀を収めて協力することを申し出る。
    ((-_-;))ナニもまだ聞いてないゾ。

    柴田らは,新十郎が水野老中の息のかかった者だと疑うが,
    吉田は新十郎のことを信用し,津山藩取り潰しの経緯を話す。
     
    表向き,藩主は病のために亡くなったことにされ,世継ぎがなかったことを以て藩は取り潰しになったが,その実,公儀が隠密を津山藩に送り込み,藩主が鷹狩に出た当日,標識の向きを変更し,国境を越える失態を招くよう謀られたことが,後日の調べてわかったという。国境の標識は,本来,津山藩の領地内だった。このことを公儀に訴え出ようにも,その手段がない。吉田は仕方なく,妹・お新が提案した「昔の恋文」を頼りにすることにした。
      
     
    伊助の長屋にあった通行手形をもとに,「中間部屋を利用した賭場」へ出向いた左近は,そこで伊助の情報を仕入れる。
    ちょうどかがりもそこへ来て((-_-;))ヨクワカッタナ…?
    左近に声をかける。

    やがて左近の目の前に,目当ての下手人・喜太八が現れたため,
    御用と意気込み,かがりと一緒に喜太八を捕縛する。
     
     
    夜分,新十郎は,内藤甲斐の屋敷周辺を探りに行ったが,
    中から家来衆が出て来たため,退散する。
    新十郎の姿を確認した侍達は,あとを付ける。
     
     
    左近は番所で喜太八に,伊助が持っていた手紙のことを聞くが,
    何の見当もないという。
    喜太八によれば,伊助は文字が読めず,
    手紙など貰うわけはないとのこと。
     
     
    付けて来る侍達にうんざりした新十郎は,いい加減,
    かかって来るよう向き直る。
    と,彼らは一斉に抜刀して襲いかかってきたが,
    新十郎は,ミネウチで叩き返し,余裕の笑みで追ッ払った。
     
     
    左近は,自宅で待機させているお新に手紙のことを問いただす。
    そこにかがりもおり,お新が津山藩士の娘だと指摘する。
    水野の印籠を見せて事情を性急に聞き出そうとするが,
    そこへ新十郎が来て,かがりを静める。

    お新は嘘をついていたことを詫び,
    手紙を書いた主は,将軍家の側室「お美代の方」であり,
    その昔,八百屋の娘だったお美代の方から
    兄の清太郎が受け取った恋文だったことを明かす。
    かつて屋敷の中間だった伊助にその恋文を盗まれ,
    それをネタに金を強請られていたのだという。
    しかし,伊助が殺されてしまい,手紙の行方が分からない。
    左近は,再び喜太八を取り調べる。

    その結果,伊助は生前,肌身離さず,煙草入れに「かんの薬※」
    を持ち歩いていたとのこと。

    (カン※疳の虫=体の中にいる悪い虫=自律神経失調症から起こる神経異常興奮=赤ちゃんが理由もなく不機嫌になってジレたり,欲求不満を起こすこと。昔はカンの虫が原因だと言われていたから,それに効く薬が「カンの薬」。疳癪カンシャク持ちのカン。)

    殺された時,伊助は煙草入れを持っていなかったことから,
    かがりと左近は,早速,伊助の長屋へ行き,
    そこで煙草入れを見つる。
    中にあった手紙を広げて見ると,確かにそこに恋文があった。
     
     
    後日,左近は,小間物の行商に身を変え,大奥へ商いをしに出向く。
    ちょうどそこへ来たお美代の方付きの年寄奥女中に手紙を差し出し,
    その確認を願い出たところ,お美代の方の返事は,
    「そのような手紙に覚えはない」とのこと。
     
     
    落胆して吉田や新十郎達のいる寺へ行き,それを報告する左近。
    柴田達は,我慢できず,内藤を襲撃しようと飛び出て行った。
    新十郎は,吉田にまだ方法があると伝え,先に柴田らを止めに行かせた左近のもとへ駆けつけ,焦る浪士達の行く手を遮る。
     
     
    内藤甲斐の屋敷に忍び込んだ新十郎とかがりは,家来達に包囲されるが,新十郎は内藤の首に刀を当て,津山藩の回復を要求する。
    かがりは内藤に決定的な賄賂の証拠である,
    花崎藩からの贈答品の箱を見せつける。
    間もなく幕府の「上意」を下しに来た上使の沙汰により,
    内藤甲斐(金田龍之介さん)は切腹を申しつけられた。

    幕府の上使から,一度公儀が下した津山藩の取り潰しは,
    撤回できないと知らされる新十郎だが,
    浪士達の処遇は考慮するとの言葉を聞いて安堵する。
    その計らいの陰には,内密に,お美代の方の口添えがあったという。
     
     
    一足先に寺に戻った柴田は,
    吉田とお新に,内藤甲斐が切腹になったことを報告し,
    殿の墓へ報告すると言って嬉しそうに出て行った。

    奥の間で,覚悟を決めた吉田とお新は,
    公儀に直訴した責任を取り,自害した。

    左近とかがりは,蝋燭の点る中,無言で彼らの亡骸を見つめていた。
    遅れてそこへ来た新十郎は,愕然とする。

    新十郎 「侍とは,哀しいものだな…」
     
    新十郎は雷雨の中,傘も差さず,びしょ濡れで帰って行った。
    その足取りは,いつになく重い。
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