効果的な言葉?
「帰還困難地域」を計算で指定
「2段階帰還」の復興計画案
福島第一原発の周辺で,
年間被曝量が20ミリシーベルト以上の地点が
50ヵ所中37ヵ所。
うち,100ミリシーベルト以上が15ヵ所。
これは,文部科学省の調査。
朝日新聞で掲載中の記事によれば,
原発事故から数日後,茨城県の気象庁気象研究所で1957年より54年間継続してきた,大気,雨水,海水などから採取する放射能の観測を中止しするよう,文科省から申し渡されたという。
3月31日以降,突如,予算がカットされた。
文部科学省は,気象庁が「予算はいらない」と言ってきたとの返答。ウソ臭い(゜o゜)!
担当の気象研究者達は,かつてないほど大気中の放射能数値が高い値を示している時,
俄かに観測中止など,あり得ない…と,予算がつなかいことを承知で観測を継続しているという。
この研究所では,かつて南極でオゾンホールが発生していることを,世界で初めて観測したという実績もあり,「継続こそ観測の命」と,観測を続けることにかけては,大和魂の筋金入り。
そういう世界でも名の通った研究機関の観測を無理矢理やめさせようとするのも不可解だけど,
それというのも,福島の放射能測定調査に文部科学省がしゃしゃり出て来て,おざなりの調査をし,
国の「除染モデル事業計画」として,
緊急避難地域を除染していった場合,
何年後まで帰れないか…という帰宅困難地域を
「机上の計算」で定めるため。
放射能汚染継続地域を机の上の計算で決める…
という愚かしさ。
普通は,実際に現地の「継続観測」でしか決められないはず。
しかも
いまだに
「帰宅困難地域」…
なんてヤワな言葉を使っているけど,
放射能汚染の大事故が,現在も継続していて,
放射能の大放出も継続しているという感覚を持っているのなら,
本来であれば,
長期間封鎖立入禁止区域とすべきもの。
効果的な言葉は,時として,生易しくない。
そうでなければ,危険を直感的に感じない。
何年したら帰れるか…を,復興構想計画としている
福島第一原発の立地町である大熊町というのも,
余程それまで原発の交付金を頼りにしてきたのか,放射能低線量地域へニュータウン立地を計画して,完全帰還までの「2段階帰還」を目指しているとか。
継続する放射能汚染地へ
国の支援する復興財源で箱モノを再建築し,
そこへ地元の人達を帰還させようという計画。
ブタは洗われてもまた,ドロの中へ転がって行く…
(聖書に出てくる「ことわざ」のとおりになってきた)
除染をすれば,住めるようになる…というレベルではないのに,「完全帰還」などという文言を使って,
まだ,戻れる感覚を持っていることが信じられない。
実際,海洋や水質(地下水)の放射能汚染など,
今後,とてつもない汚染が発覚するだろうと思う。
文科省の俄か調査など,遥かに凌ぐほどの…。
事実を観測されて公表されたら,
「帰れる計画」は白紙撤回になる…困る人間が
沢山いるらしい。
そして,とてつもない病の兆候が現れるまで,
除染すれば戻れる…ことを信じ続けるらしい。
風呂場の屋根は吹っ飛んで,
壁は穴だらけ。
蛇口が壊れた水道に,
風呂釜には大穴が開きっぱなしで水が大漏れ。
温度計は釜の外でブラブラ…燃料温度は計れない。
なのに「冷温停止状態」にするとオツムが停止状態。
釜の下は炎熱地獄で湯気ボーボー。
ドロドロがどこにあるのかわからない。
水と一緒に地下へ流れて海へ漏れ,
取り出せるのは30年以上…かもわかんない。
そんな近くへ戻りたい人は戻ればいい。
低線量被曝と復興資金を引き換えに。
もう地震や津波が二度と来ないことを前提に考えているらしいから,
また来た時には,「想定外」と,決まり文句を言う。
原発推進派は,結局,地獄へ堕ちる道を選ぶ。
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