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燃えよ剣(第22話)…流離の日

  • 2009-11-25 : 燃えよ剣 : 編集✍
  • 近 藤「近藤勇も土方歳三も,もう古い時代の孤児(みなしご)だ」


    ❤CS時代劇専門チャンネル❤「栗塚旭の土方歳三」完全放送❤『燃えよ剣』(原作:司馬遼太郎,脚本:結束信二)より
    第22話「流離の日」
    甲州・勝沼の戦いで敗走した近藤と土方らは,その後,下総の流山へ向かう…

    (お話の流れ)
    ▼鳥羽伏見の戦いで勝利した官軍(新政府軍)は,錦の御旗のもと,江戸へ進攻する。
    将軍慶喜は上野・寛永寺へ蟄居し,官軍に恭順の意を示していたが,
    これに反する旧幕臣勢力の要請から,新撰組は甲陽鎮撫隊と称し,
    幕府勤番のいない甲府城を手に入れるべく,甲州(山梨県)へ向かう。

    ▼しかし,城は一日先に官軍の布陣となり,近藤らは勝沼で官軍と交戦するも,
    情勢は圧倒的に不利。土方は江戸方面へ早馬を飛ばして援軍を要請したが,
    旧幕府の旗本らは一切これに応じず,甲陽鎮撫隊は勝沼の戦いに敗走し,壊滅した。

    ▼その後,江戸へ戻った永倉と原田は,もはや幕府の重荷と噂される新撰組とは見切りをつけ,
    永倉の旧知の旗本・芳賀の率いる一団と合流して戦うことを,近藤や土方に申し入れる。
    だが,直参旗本で組織するその活動に,表と裏の動向が窺えることから,近藤は合流を拒否。
    土方もまた,近藤に従うことを表明し,永倉,原田と離別する。

    ▼一方,沖田は,千駄ヶ谷の植木職人・平五郎宅の離れの家に住み,名前を変えて療養していた。
    そこへ近藤が一人訪ねる。

    (近藤と沖田の会話)
    沖 田「あ,先生」
    近 藤「どうだ,総司,具合は」
    沖 田「ええ,おかげさまで,とっても楽になりました」
    近 藤「そうか,それは良かった,一人で退屈だろう,淋しくはないか?」
    沖 田「いいえ,一日中,ここで,いろんなことを考えているんですよ」
    近 藤「いろんなこと?」
    沖 田「ええ,皆さん,お元気ですか?」
    近 藤「うん。総司,ワシは,流山に行くことにした」
    沖 田「流山?・・・あ,お酒や,みりんを作るところですね」
    近 藤「そうらしいなあ。トシや斎藤君が,そこで兵を集める。
         屈強の精鋭に仕立てて,会津中将様のもとへ連れて行く」
    沖 田「勇ましいなあ」
    近 藤「トシが考えたんだ,あの男は,少しも,くじけてはおらん」
    沖 田「土方さんらしいなあ・・・先生,私も,すぐ行きますからね。待っていて下さい」
    近 藤「そうか,総司も来るか」
    沖 田「行きますとも,行ってまた私は,一番隊の組長を務めますからね」
    近 藤「頼むぞ,早く元気になるんだぞ」
    沖 田「ええ」
    近 藤「そのかわり,焦ってはいかんんぞ,お前はまだ若いんだ,ゆっくり養生してくれよ」
    沖 田「・・・」
    近 藤「あ,姉さんは,来てくれるか?」
    沖 田「ええ,時々」
    近 藤「そうか,私から宜しく,と伝えてくれ」
    沖 田「はい」
    近 藤「ゆっくりしていきたいが,私は今日,出発する,元気でいてくれよ」
    沖 田「大変ですね,お体にお気をつけになって・・・」
    近 藤「ありがとう」
         去る前に振り返る近藤。
    近 藤「総司」
    沖 田「は?」
    近 藤「私は,大変な幸せ者なんだな・・・。
         三多摩の百姓の倅(セガレ)に生まれ,田舎流派の貧乏道場の養子になり,
         それで一生を終わるはずだったのに,トシや総司や源さんや,
         いい弟子を持ったおかげで,思いもしない運命を開くことができた,
         ワシほどの果報者はいないな」
    沖 田「そんな,みんな先生の御人徳ですよ」
    近 藤「(黙って首を左右に振る)・・・では,また逢おう,元気でな」
    沖 田「はい,流山に行きますからね,きっと行きますからね」
    近 藤「楽しみにしてるよ」
         去る近藤。見送る沖田,立ち上がり,
    沖 田「先生」
         近藤,振り返る。
    沖 田「きっと行きますからね」
    近 藤「(二,三度頷く)」

    ▼下総(千葉県)の流山へ向かった近藤は,
    その名を大久保大和(オオクボヤマト)と変えて潜伏し,
    治安維持の郷士団と称して,兵士を募集する。
    新撰組の幹部として同行したのは,土方のほか,斎藤一がいた。
    土方らは,そこで武器と兵力を備え,ゆくゆくは会津へ向かい,
    官軍と戦うべく計画していた。

    ▼やがて官軍は,江戸を包囲し,土方の故郷,武州日野宿にも押し寄せる。
    間もなく,流山も,板橋に本営を置く官軍に包囲され,
    大久保大和が近藤勇であることも掌握されていた。
    近藤は,流山へ集まった全隊士を解散する意向を示し,
    自ら進んで官軍へ投降することを決め,土方や斎藤の前から去った。
    慶應四年四月二五日,近藤勇は官軍の流山本営にて処刑された。

    (去る前の近藤と土方の会話)
    土 方「近藤さん,なんだ,その格好は」
    近 藤「トシ,俺は官軍の陣地に行く」
    土 方「何?・・・冗談じゃねえ,近藤さん,正気か?」
    近 藤「俺は正気だ,これが一番いいと思って決めた」
    土 方「何を言うんだ,あんたが官軍の陣に行ったら,どうなると思う,
         誰も,大久保大和なんかとして扱わないぞ」
    近 藤「わかっている,仇敵(キュウテキ)近藤勇として扱うだろう」
    土 方「よせ,馬鹿な真似はよせ,近藤さん,なんのために俺達は,この流山に来たんだ,
         なんのために,こんな藪蚊にくわれながら,俺達は頑張っているんだ」
    近 藤「トシ,俺はな,大勢の若者達や,その家族たちに,賊軍の汚名を着せたくないんだ」
    土 方「馬鹿な,賊というも,官というも,一字のことではないか,ただ,時代の流れにすぎん。
         そんなことは京都にいた時から,あんたが言ってたことではないか」
    近 藤「その通りかも知れん,しかしなトシ,時は過ぎたよ。
         俺達の頭の上を,もう時代は通り過ぎてしまったよ。
         近藤勇も,土方歳三も,もう,古い時代の孤児(みなしご)だ」
    土 方「違う! 近藤さん,絶対違う!」
    近 藤「トシ・・・トシは,トシの思ったとおりにやればいい。
         俺にはもう,一緒に行く気力がない」
    土 方「厭だ! 連れて行く! 」
    近 藤「トシ,お前は,新撰組を創(つく)った,その局長である俺も創った,
         京都にいた近藤勇は,今になって考えてみると,本当の俺ではなかったかも知れん」
    土 方「近藤さん,何を言うんだ,俺と・・・俺と,あんたの仲ではないか」
    近 藤「その通りだ,長い間の同志だった。
         だが,最後には,たとえ分かれても,それぞれ信じた道を歩もう。
         男は,何に美しさを感じるか,その違いだ・・・俺を自由にさせてくれ」
    土 方「・・・・・・」
    近 藤「トシ,長い間,世話になったな」
         近藤,去る。


    (恋夜のひとこと)
    お話の筋がわかっていても,哀し気なBGMが流れてくると,
    どうしても,そこで条件反射的に泣いちゃう…(T_T)。
    近藤さん役は,舟橋元さんが一番好きです。
    四三歳と,若くして病気でお亡くなりになったけれど,
    作品の中で,いつでもそのお姿を拝見できる恋夜たちは幸せです。
    ずっとお若いまま生き続けていらっしゃるようです。


    ※そして,次回は…

    沖 田「京都の夢ばかり・・・あの何年間だけが,一生の全部だったような気がする」

    沖田総司の最期となります。
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    Secre

    No title

    沖田の場合も,相当に人を殺めて(暗殺などして)きたわけで,
    病気の身の上や,敗戦の賊軍側になってしまった境遇には同情しても,
    いつも死が身近にあって,それなりに正面から見つめて生きていた,その結果でしかない。
    皆,一生懸命,自分の性分で生きた。
    彼らの「生」が,激動の歴史の流れに抗えず,消え去ってゆくその瞬間が,一番辛いところです。

    新撰組には「誠」の旗があって,本当に良かったと思います。
    後の世で,薩・長の連中が,自分らに都合良く,実在した人物について言いたい放題,書きたい放題しても,
    「誠」一字の前には,万の流言も薄れてしまう。
    誠の武士として生きると誓った,その志を自ら裏切るような真似は死んだってできん!…ということを証明する「誠」の旗。
    新撰組は,人斬り集団の賊軍だった…勝手なこと言いやがって…と,反骨精神むき出しにして闘った土方さんの気持ち…なんとなくわかる。「誠」の旗のおかげで。

    No title

    武士道が,かっこいいと勘違いしているような現代人もいますが,
    武士道こそ,死に狂いの狂気の世界ですからね。馬鹿げているといえば,馬鹿げている。
    でも,そこへ陶酔しちゃったら,もう誰にも止められない。
    近藤さんは,その陶酔から少し目が覚めたのかもしれない(作品の中では)。
    お家のため,君主のため,そして,民のため,親兄弟,親族のため…
    一度その道で生きる覚悟を決めたからには,
    死ぬことなど,さほど怖くなかったと思われますが,
    本当の自分(個)を武士道の中で見出すことは,
    人道的な生き方とは対極的すぎて,難しい御時勢だったかもしれませんね…戦時下の中では特に。
    どこか過剰な恨みや憎しみが人の心を支配すると,
    争い事は止めようと思ってもやめらないのが人間の醜さだったりします。
    行きつくところまで行って死んじまってもしょうがねえや的な土方さんの生き方が,無駄だったとか可哀相だったとか,
    周囲の見方とは裏腹に,多分,当人からしたら,
    そんなふうに言われたくねえや…って感じがします(想像で)。

    No title

    トシ様,恋夜のほうこそ,お久しぶりでごめんなさ~い!
    その後,新八ッアンや総司君は元気にしてるかな?
    出ましたね,例の土方さんの「肩クロスハンド」。
    ちょっと,思いだして笑いそうでした。
    永倉と土方の別れのシーン。

    「近藤おおおおおおおー!!」今回,栗ちゃまの絶叫声にエコーがかかっていて,更にビリビリした空気振動も含め,ド迫力でした。

    哀しいです。涙が出ます。で・も…恋夜のクセて,つい
    あらぬところに視線が集中してしまって…(-_-;)…これは,後日,
    栗ちゃま画像で解説したいと思います。
    今は,不謹慎のようになってしまうので。
    すご~いお顔の栗ちゃま番外編。

    No title

    追伸、忘れてた…あの豪快な原田さんも上野で…原田さんらしい最期だったなあ…

    No title

    なんか、近藤先生も土方さんも沖田さんもみんなみんなかわいそう
    かわいそすぎます。でも土方さん私は私の中では最後までお供しますよ。でも京都での俺は本当の俺ではなく、歳の作った近藤だと言われたとき土方さんつらかったろうな・・・と思いました。それなら最初から言ってくれと言いたくなるんじゃないかなと思いました。今更それはないだろう?と言いたいんじゃないかな?でもどんなこと考えても美しく悲しき別れには水を差しちゃだめですよね。

    No title

    去る近藤に土方が
    『こんどぉ~~~!!!』…何度観ても泣けるね~(T_T)/~~~

    沖田総司の最期も泣けますね…。
    総司の最期を悟っていた裏通り先生が早朝、険しい顔で植木屋へ…。
    障子を開けるやいなや…
    『沖田君!…。』
    障子をそっと閉め、縁側に呆然と座り込む裏通り先生の表情。
    これも泣けて泣けて…。

    お、恋夜姫!そう言えばお久しぶりでごじゃる!
    『姫!』…泣けるね~?はぁ~???

    No title

    前回は別れ、別れの回でしたね…江戸に来た局長と沖田の別れ、、近藤土方と永倉原田の別れ、そしてついに流山での近藤と土方、わかっていながら悲しい…、そして冒頭の沖田の「京都の夢ばかり、 あの何年間だけが一生の全部だったような気がする。」の言葉、全てを悟った沖田の表情がたまらなかったです…今日はその沖田が

    No title

    新しいPCに,古い長年のデータを移す作業してたら,
    アップが遅れちゃった…(-_-;)…気がつきゃ,もう朝の7時ちょっと前…「沖田総司」が始まってしまう。
    でも朝から見ないもん…また1日中泣いちゃうから…(ToT)。
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