風…第35話「金塊消失」
第35話…金塊消失
※貫(カン※昔の重さの単位)
1貫=3750グラム
金塊240貫=900キログラム
(話の中では10万両相当)
両や文(尺貫法の質量単位)の貨幣価値は
時代で違うけど,凡その値段に換算すると,
1文(※モン)=25円
1両(※リョウ)=10万円=4000文
10万両=100億円!
こりゃあ,皆欲しがるわけやなあ(¥^o^¥)
そして強欲で身を滅ぼす。
(アラスジ)
佐渡から金塊弐百四拾貫を運搬する幕府の輸送隊十三名が,
みくに峠附近で複数の浪人達に襲われた。
しかし,金塊を積んだ箱の中身は,全て石ころとすり替えられていた。
輸送隊の侍は浪人達に斬り殺され,ただ一人,
年老いた侍だけが崖から下へ転落した。
「警護の侍十三名は,悉く斬り倒され,金塊は跡形もなく奪い取られてしまった」と話す勘定奉行の篠原右京亮は,
老中水野より伝え聞いた「風の新十郎」を屋敷に呼び,
紛失した金塊を取り返すよう依頼する。
(流れ)
勘定奉行・篠原の話では,
輸送隊の裁量(取締)役・山本源之進が崖から落ちて行方不明であること以外,手掛かりは皆無とのこと。
附近一帯を捜索した者の報告では,死体はおろか,
遺留品すら発見できなかったという。
あるいは,山本源之進が金塊消失の一件を仕組んだのではないか…との疑いもかかり,山本は行方不明のまま御役御免となった。
篠原は,山本源之進の汚名を雪(そそ)ぐためにも,
なんとかして金塊を取り戻したいとの意向を新十郎に話す。
新十郎は,山本源之進宅を訪れる。
山本の妻は,夫の潔白を信じていた。
山本の息子・兵馬は,不祥事によって父源之進が御役御免となった直後,潔白の証拠を掴むため,みくに峠へ向かったとのこと。
源之進の妻によれば,今度の金塊の輸送を最後に,源之進は自ら職を辞することを決めており,以後,田舎へ引きこもって晴耕雨読の余生を送るため,書物を何冊も買い上げ,楽しみにしていたという。
その夫が,金塊を盗むような大それた罪を犯すはずはない…源之進の妻はそう固く信じ,夫の無実が晴れるまでは,何年かかっても生き永らえ,待ち続けるという。
新十郎は,その言葉を聞き,みくに峠行きを決める。
このとき,物陰に隠れて様子を窺う浪人一味がいた。
現地へ向かう新十郎に先駆け,かがりが早馬で駆け抜ける。
ところが,かがりは,行く手で浪人一味に捕らえられ(無理矢理展開),
木に縛られていたため,新十郎が縄を解いてやる。
そこにあった紙切れに「風の新十郎は手を引け」とあるのを見て,
金塊探しに手を出されては困る者の仕業だと察した新十郎は,
かがりが乗ってきた馬にひらりとまたがり,みくに峠へ急ぐ。
現地の農夫に案内され,金塊が奪われた現場へ赴いた新十郎は,
襲われて殺害された輸送隊の侍が12名だったことや,
周囲に馬が8頭いたほか,石ころが散らばっていたことを聞く。
ちらりと下を見ると,手ぶらの若侍が,ひとり黙々と歩く姿があった。
と,物陰から新十郎を狙う銃口が…。
鉄砲の音が一発響き,新十郎は農夫を庇って弾を避けた。
早速,店の女将・お夏の接待を受け,気に入られる。
その居酒屋の常連客である易者の爺さんの話では,近頃,
金塊紛失騒動を聞きつけた烏合の衆が集まって来ているとのこと。
新十郎が先ほど,峠で見かけた若侍も居酒屋に入って来たが,
易者によれば,その若侍は,どうやら金塊目当てではないらしい。
新十郎は傍に行って酒を勧めるが,不機嫌な様子で拒絶した若侍は,
外へ出て行ってしまう。
酒場を出た新十郎は,近所の宿屋の布団部屋に泊る。
そのあとをつけてくる浪人・梅沢達の姿があった。
新十郎は,部屋でみくに峠附近の図面を広げ,
金塊240貫を運ぶのに,馬八頭で30貫ずつ輸送していたものを,
たったひとりの人間が全部運んで逃げることは不可能だと推察する。
翌日,再び峠へ向かった新十郎は,そこで昨日の若侍と行き合う。
その若侍が山本源之進の息子・兵馬だと気付いていた新十郎は,
気を揉んで待っている母親のために,江戸へ帰るよう忠告する。
が,兵馬は断固拒否する。
すると,また,二人を狙う銃声が響く。
居酒屋「残月」へ行った新十郎は,お夏から酌を受けながら,
当時,宿場へ入った金塊の輸送隊が,宿屋から一歩も外へ出ず,
寝ずの番をしていたらしいことを聞く。
手掛かりもない金塊探しに深入りする新十郎に,
お夏は諦めたほうがいいと勧める。
居酒屋を出た新十郎は,通りで棒杖をついてヨレヨレになって歩いてくる兵馬を見つける。
先ほど,新十郎と別れた直後,浪人達に襲われて崖から転落し,
途中の木に引っ掛かって助かったとのこと。
兵馬は,崖の間から山本家の家紋のある敷布を見つけて持ち帰り,
父源之進が,確かに崖から転落していた証拠を新十郎に見せる。
峠を歩く新十郎は,山本源之進率いる輸送隊十三名全員が一致団結し,襲撃を受ける前に金塊を石ころとすり替え,意図的にどこかへ隠したのではないかと推察する。
ふと見ると,「風の新十郎の墓」と書かれた墓標があった。
動向をつけ狙う浪人達もまた,金塊の行方がわからず,探していた。
ところが,浪人達が一斉に宿場を引き揚げ始めた。
居酒屋では,金塊探しを諦めて,単身,江戸へ戻ろうとする浪人もいた。
店の女将も,馴染みになった新十郎に,自分を江戸へ連れて行ってくれないかと持ちかける。
新十郎は,金塊探しを続けると言って,その場を去る。
が,そこに小物入れ(財布?)を忘れて行った。
それとなく新十郎に金塊探しから手を引かせようとしたお夏は,
浪人・梅沢一味の仲間だった。
浪人達は,崖から落ちた山本源之進を捕らえて,きこり小屋へ監禁し,
金塊の隠し場所を聞き出そうと拷問する。
梅沢と一緒にその場を見に行ったお夏は,帰りがけ,
浪人一味から「知りすぎた」と言われ,殺されそうな気配を感じたため,
後ろ帯に隠してあった短銃を構えて牽制する。
その昔,女道中師(街道を往復して,他人の用事を足すことを業とした人)だったお夏は,ちゃっかり短銃を盗み取っていた。
お夏が居酒屋の部屋へ戻ると,忘れ物を取りに来た新十郎がいた。
新十郎は,金塊探しを諦めて引き揚げる浪人達の動向は罠であるや,
その浪人達とお夏が結託していることを既に,かがりと一緒に突き止めていた。
浪人達と仲間割れしたと打ち明けるお夏は,新十郎に短銃を見せ,
金塊を運ぶ輸送隊を襲ったのも,その浪人達だと暴露する。
新十郎は,悪気のないお夏と手を組むことにする。
梅沢達から拷問を受け,衰弱した源之進は,
自分の名前も思い出せないほど記憶を喪失していた。
梅沢は,やむなく源之進の縄を解き,わざとその身を解放し,
あとは新十郎達に手掛かりを探り出させてから,
金塊を頂戴する算段をとることにした。
間もなく源之進を保護した新十郎は,
早速,息子の兵馬にも面会させるが,何の記憶もない。
やがて業を煮やした勘定奉行の篠原も宿場へ到着し,
源之進の無事を確認する。
新十郎達は,源之進が襲われた崖の上に行き,
何か思い出さないかと当時の状況を聞くが,源之進に記憶はない。
すると新十郎は,一つ間違えば命を落とすかも知れない…
と覚悟を決め,
源之進と一緒に崖から飛び降りたッ!…シヌゼ(-_-;)。
新十郎は,源之進の下敷きになって落下…動かない。
飛び降りた衝撃で,源之進は記憶を取り戻した!
かがりは,新十郎を揺り起こそうとするが…動かない。
浪人達に襲われる前,金塊は事前に石ころとすり変え,
旧炭鉱跡に隠したのだと源之進は話し出す。
新十郎は…全然動かない。
宿場の所在に明るいお夏は,ちゃっかり先駆けて,旧炭鉱跡へヒタ走る。
シンジュウロー…シンダローか?
御苦労さん…と,篠原は源之進に短銃を向ける。
(そうなの。こいつはワルのオジサンなの(-_-;)臭かった)
咄嗟に目を開け,飛び起きる
不死身の新十郎ドバッ!
お夏の短銃を預かっていたかがりが一発ドカンッ!
あとは見張っていた浪人達が,その場になだれ込んで来て死闘。
篠原は新十郎に追い詰められた揚句,自ら腹を斬り,その名のとおり
死のハラ…。
篠原が金塊を手に入れようとした目的が…
新十郎 「謀反でも起こそうとしたのか…?」
まるでわからんじゃん!
一足先に旧炭鉱へ行き,板天井の隙間から金塊を掘り出したお夏だが,
上から岩が崩壊して,下敷きになってしまう。
新十郎達が駆けつけたとき,お夏は既に息絶えていた。
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No title
この話までは,中盤のヘンなスジのイメージから気を取り直すことができたのにな…。
栗ちゃまの出番は,主役でありながら,
どんどん少なくなって,そのうち,主人公らしからぬことをしでかしたり,言ってみたり…
イメージを落すようなスジ書きやセリフには,かなりガッカリ(-_-;)。
やる気がないわけじゃないのに,どうにも書きにくい。
次回の金田龍竜之介さん…子連れ狼のデブデッパの安部怪異を思い出した…切腹ヤダー!ってダダこねて,最後は壮絶だったなあ。
栗ちゃまの出番は,主役でありながら,
どんどん少なくなって,そのうち,主人公らしからぬことをしでかしたり,言ってみたり…
イメージを落すようなスジ書きやセリフには,かなりガッカリ(-_-;)。
やる気がないわけじゃないのに,どうにも書きにくい。
次回の金田龍竜之介さん…子連れ狼のデブデッパの安部怪異を思い出した…切腹ヤダー!ってダダこねて,最後は壮絶だったなあ。