福島第一原発事故対応もと所長・吉田昌郎氏死去
原発事故対応に当たっていた吉田もと所長が
食道ガンで,ご逝去されました。
58歳,早すぎる死だ。
2011年12月に,フクイチを退任され,
同月7日,脳出血の手術を受け,
癌(ステージⅢ)で闘病…2013年7月死去。
御悔やみ申し上げます。
原子力発電所に勤務している人間は,
宿命的に発癌する可能性が高い。
福島第一原発事故の現場なら,なおさら,
放射能による被爆の影響は濃厚。
吉田所長は,フクイチの『免振重要棟』で事故対応に当たっていた人物。
事故当時,官邸サイドにいた原子力機構の最高責任者・武黒から,原子炉への海水注入をやめるよう電話で指示(原子炉が使いものにならなくなることを恐れ)されたものの受け流し(了解しながら無視),生きるか死ぬかの現場サイドの状況で,原子炉に水を入れ続けることをやめなかった。
事故現場に,技術系の吉田氏の存在がなかったら,
福島原発事故はもっと拡大していたかも知れない。
ちょうど原発の新規制基準が発表され,
事故対応には『免振重要棟』などの施設を設置すべきとの項目が入っている。
「事故が起こるはずはない」…という,
かつての原発安全神話が福島第一の事故で崩壊し,
その惨状がいまだに継続しているにもかかわらず,
無反省・無責任の象徴として,
「次に事故が起こったら」…と,また事故を起こすつもりで新たな基準を設け,
申請にクリア(経産省のコエダメ大甘審査)した暁には,更なる原発再稼働を目指そうという悪魔のような電力事業者達。
吉田所長は,おびただしい放射能が流入した
免振重要棟で任務に当たった。
プルトニムとウランのMOX燃料を使っていたフクイチ3号機の爆発…プルトニウムは呼吸器から肺へ吸い込むと,その内部被曝によって,周辺組織がズタズタに蝕まれる。
報道によれば,吉田もと所長の被曝線量は,70ミリシーベルトということで,「発がんまでには5年以上かかる」などど注釈を付け(誰の例だ?),いかにも放射能による被曝の影響ではないかの如くいちいち説明していたけれど,外部被曝線量だけでは判断できないということを,すっかり忘れているようだ。
何ベクレルの内部被曝を受け続けたのか…。
それを抜きにして,
発がんは,放射能の影響ではない…とは言えない。
しかも事故直後の高放射線量下で
職員や自らの冷静さを保つため,
深呼吸を促していたほどの吉田所長だ。
相当に吸い込んでいることは確かだ…。
1秒間に1億発以上のベクレル数値。
細胞が放射線によって攻撃を受け続ける単位。
高線量が福島第一原発から記録されていたことは
ブログに何度も記してきたから記憶に新しい。
プルトニウムはアルファ波だから,
紙1枚で遮蔽される。(勉強しましたヨ,小出先生)
外部被曝線量は問題にならない。
ところが,プルトニウムを体内に吸い込んだ内部被曝では,短い距離から直線的な波長で強烈に細胞が攻撃を受け,そのダメージは著しい。
細胞が破壊され続け,再生が追い付かず,
遺伝子が傷つき,癌細胞となる。
早すぎる…というほど,
放射能の実害が凄まじいということ。
短期間でも人体を蝕み,心を傷つけ,
容易に生命を奪うのが放射能の恐ろしさだからだ。
人体に被曝の被害が出てくれば,
福島原発から放出された放射能が,
どれだけ酷いものか,
直視しないわけにはいかなくなる。
NHKは,特に,被曝の影響を誤魔化すような報道をするべきではない。
食道ガンで逝った吉田もと所長。
原発事故の放射能による被爆の犠牲者が,
またひとり出た。
原発を動かすことがどういうことか…,
当然のように事故も起こり,
人の寿命も縮まる。
環境も奪い,人命も奪う,
恐ろしい,殺人兵器を動かしている…ということだ。
再稼働を推進し,歓迎する人間は皆,殺人幇助をしているようなものだ。
「いい死に方しませんヨ」…
『新選組血風録』で,沖田が土方に言ったセリフ。
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No title
patentocomさま,御来訪のうえ,コメントをいただきまして,ありがとうございます(^.^)。
放射線治療で,ガン細胞を攻撃して死滅させることもできますが,
凡そ5年後に再発の危険がある…というパターンは,
放射線による被曝の影響が大きいためで,
医学的にもある程度わかっていること。
免疫力が向上していけば,遺伝子の損傷もある程度は回避される可能性もあるので,ケースバイケース…個人の体質や環境の違いで,
良くも悪くも,経年経過と疾病の程度が違ってきてしまう。
外部被曝も内部被曝も推定計算すれば,数値と程度が出てくるのでしょうが,人体への直接的ダメージと数字が必ずしもイコールになるとは,誰も言いきれない。
そういった放射能被曝の曖昧さを,御用学者や推進ムラの連中がうまく利用して,都合の悪いことはなるべく伏せてしまう。
この体質こそが,地球上のガン細胞であり,人類全体に巣食うガン組織です。
放射線治療で,ガン細胞を攻撃して死滅させることもできますが,
凡そ5年後に再発の危険がある…というパターンは,
放射線による被曝の影響が大きいためで,
医学的にもある程度わかっていること。
免疫力が向上していけば,遺伝子の損傷もある程度は回避される可能性もあるので,ケースバイケース…個人の体質や環境の違いで,
良くも悪くも,経年経過と疾病の程度が違ってきてしまう。
外部被曝も内部被曝も推定計算すれば,数値と程度が出てくるのでしょうが,人体への直接的ダメージと数字が必ずしもイコールになるとは,誰も言いきれない。
そういった放射能被曝の曖昧さを,御用学者や推進ムラの連中がうまく利用して,都合の悪いことはなるべく伏せてしまう。
この体質こそが,地球上のガン細胞であり,人類全体に巣食うガン組織です。
No title
初めまして。
放射線に被曝すると、ガンを発症します。吉田元所長は、原子力発電所が爆発したので、放射線に被曝して、ガンになって、死亡したのでしょうね。
お悔やみ申し上げます。
放射線に被曝すると、ガンを発症します。吉田元所長は、原子力発電所が爆発したので、放射線に被曝して、ガンになって、死亡したのでしょうね。
お悔やみ申し上げます。
No title
ジェントルマンさまの仰るとおりです。
日本人の技術力や本来の我慢強い精神力は,
原発という悪魔の諸行をやめる方向へ向かわせるためにあるのだと思います。
今の日本は,完全に間違ってます。廃炉事業に向かうべきです。
日本人の技術力や本来の我慢強い精神力は,
原発という悪魔の諸行をやめる方向へ向かわせるためにあるのだと思います。
今の日本は,完全に間違ってます。廃炉事業に向かうべきです。
No title
記事見直す時間がなくて,あとから追記して修正。
No title
恋夜姫さん
これから福島原発事故の近くにいる人たちが次々と。
ということが起きます。
原発を安全にということは無いのです。
ですから、事故が起きた場合は。という想定も必要無いのです。
廃炉に向かう技術の安全基準を設け、廃止するのです。
ただそれだけです、日本人が生きる術は。
これから福島原発事故の近くにいる人たちが次々と。
ということが起きます。
原発を安全にということは無いのです。
ですから、事故が起きた場合は。という想定も必要無いのです。
廃炉に向かう技術の安全基準を設け、廃止するのです。
ただそれだけです、日本人が生きる術は。